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タスク5「ブラックリスト入りしているらしいです」

第5話

前回、クロエの新たな目標が決まり

クロエは冒険者登録を再登録するべく冒険者協会、ギルドへ足を運ぶ。


「ようこそ!いらっしゃいませ!冒険者協会ギルドへ!」

元気の良い受付嬢が声をかけてくれた。


「冒険者の再登録がしたくて、お願い出来ますか?私、クロエ・エクリスです。」


「かしこまりました!少々お待ちください!」


受付嬢が何やら大きな冊子を開いて読み込んでいる。

「クロエさん…クロエさん…えーっと…。あ、ありました!あ…これは…」


受付嬢の顔が少し暗くなる。どうかしたのだろうか。


「えぇ!?再登録できないんですか!?」


むぅ…冒険者登録をしなくてダンジョンに潜れるとなると、

先生…指導者、引率者…。はぁ…全てクビにされたから、

また新しく就職先を見つけないとダメなのかな…。

というかなんで再登録出来ないんだろうか。


「再登録できない理由を教えてもらってもいいですか?私、数年前まで冒険者をやってて…。」

クロエは受付嬢へ圧を出さずに聞いてみる。


「えぇと…。再登録については確か…えっと…。」

何かの書類を探している。

なるほど、この人は恐らく新人さん。

何の理由で再登録できないのかまだ分かっていないのだろう。


メイド時代も、分からずになんとなくでやってた時期があったなぁ。


「この子はまだ日が浅いのよ。大目に見てあげて。」

そこへ、私の知り合い受付嬢がやってくる。


「あ、サリアさん。お久しぶりです。」


この人は、サリア・マークマイン。

元冒険者で現在受付嬢をしている。


私だけが知っているのだが、引退した理由は

パーティ内のいざこざである。

女性メンバー3人、男性1人で、

その男性を巡っての女性2人が問題を起こして、

サリアはそのパーティから脱退。受付嬢になった。


「す、すみません…。えっと…えっと!」


「大丈夫よ。ゆっくり。マニュアルの43ページよ。」

サリアが新人に本を見せ、マニュアルが分かったらしい。


「あ!えっと!再登録をする際には、ギルドマスター、もしくは副ギルドマスターとの面談及び審査が必要になります!どちらも不在の場合は、その直下の職員が担当し、しっかりと書類を残す事!なお、ブラックリストに入っている元冒険者はギルドマスターとの面談、審査のみしか受け付けないものとします!です!」


頑張ってマニュアルを読んでくれた。

なるほど。恐らく私はブラックリスト入りしてないだろうから。

サリアに再登録審査をすればいいか。

楽観的に考えていた。


あ、でも、もしかしたら…。


「え~っと、クロエ・エクリス。あなたなにしたの?ブラックリスト入りしてるわよ。」

サリアが面白そうにリストを確認する。


あぁ…ブラックリスト入りしているらしい。


「はぁ…じゃあ、早くアーガスさんを呼んでください…。」


サリアはどこか楽しそうだった。

新人さんに変な目で見られている。

やめてそんな目で見ないで。

私だってブラックリスト入りしたくなかったんだから。


「じゃあ、クロエ、ついてきて。」


冒険者ギルドにて、メイド服が浮いていた。


ひそひそと、話し声が聞こえる。

「おい、あれってもしかして、冥土の死神か?」


「おいバカ、聞こえるって!!」


先ほどの新人受付嬢がクロエの事が気になり、

彼女の経歴を見ようとするが、その部分だけ、破かれていた。

「え?どうしてだろう?というか、ブラックリスト入りって…。」


ギルドマスター室前。サリアがノックをする。

「アーガスさん。今大丈夫ですか。」


「ん~~?あぁ、いいぞ。」

足を踏み入れると、くそでか甲冑、いやギルドマスターが居た。


この人の名前は、アーガス・ドラグバーン。

ギルドマスターだ。


「ギルマス。クロエが冒険者再登録をしたいそうなのですが、ブラックリスト入りしておりまして。」


「アーガスさん、お願いです。再登録させてください。」

礼儀正しくお辞儀をする。誠心誠意を込めて。


「んぁ~?ちょっと待ってくれ。今…終わる。よし、終わった。で、なんだ?」


「ギルマス、クロエの再登録です。ブラックリスト入りなのでアーガスさんしか審査できませんよ。」


ギルマスが私に顔を向ける。ぎろりと睨まれてる気がする。

「君は…クロエ・エクリス?久しぶりじゃないか!アッハッハッ!元気にしていたかい?てか、ブラックリスト入りって何したんだ?」


この人……。まさか忘れた…?

震える手を抑えながら、なんとか堪える。


「何したかは、アーガスさんの持つ書類の中にあるかと…。あと、私は喜んでやったわけじゃないですからね。あなたに頼まれて…。まったく。」


アーガスが黙ったままクロエの書類を読む。

「ふむ、確かにこれは私が以前依頼したものだ。ブラックリスト入りさせてしまっていたか。申し訳なかった。ん~、今すぐ冒険者に戻してもいいのだが…。」


アーガスがニヤリと笑う。

嫌な予感がする。


「クロエ。君の目的は、何かな?冒険者に戻りたい理由はなんだ?報酬か?生きがいか?家族か?」


「私の目的は…言ってしまえば全部です。その全てが私の目的です。」

そう、全ては、あのパフェを食べる為に必要なのです。


「良くわかった。冒険者に戻っても良い。」


やった!嫌な予感は外れた。良かった~。


「だが…。」


クロエの嫌な予感が的中してしまう。


「最近、新たなランク制度を考えていてね。クロエは前は何ランクだったかな?まあそんなことはどうでもいい。プラチナランクなら良いよ。」

サリア・マークマイン

クロエより年上のお姉さん。

過去に冒険者をしていたのだが、

男女関係のいざこざが面倒で衝動的に冒険者を辞める。

衝動的にやめたことを少しだけ後悔している様子は周りには見せていない。

クロエはなんとな~く、もしかしたらそうなのかも?レベルで気が付いている。


アーガス・ドラグバーン

ギルドマスター。

大雑把な性格の甲冑であるが、書類の字はかなり綺麗。

知らない受付嬢達がその字を見て驚くのが恒例行事。

大雑把なのはそうだが、見る目はしっかりとあり、

そこはちゃんとギルドマスターと言ったところ。

ただ、人の事は忘れないのだが、出来事の物忘れをよくする。

その為、書類に多くの事を書き込む癖がある。

ちなみに性別不明でありどちらか分からない。

クロエは知ってるとか。


第5話、読んでいただきありがとうございます。

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