タスク2「ダンジョンについて」
第2話
前回、クロエやアリシアの紹介があってから
ダンジョンフェスが近づいています。
そう、ここジウスドラ王国では、
近々ダンジョンフェスティバルなるものが開催されるのだ。
ダンジョン。
それは、この世界に数多点在している不思議な空間、また塔の事。
ダンジョン内では、魔物など多く湧いて出て来る為、危険な場所とされている。
だが、その代わり、魔道具や宝具なんかもがっぽり入手できるため、
冒険者はこぞって挑むのである。
魔物とは、魔力を持った不思議な生物であり、
ダンジョン内で生れ落ちる。
怪物と思って頂ければ幸い。
魔力
魔力とは、人種族や、他種族、また魔物もこの力を持っており、
この力を上手く使って事象を引き出す事を魔法等と呼びます。
「ダンジョンが生成および出現する理由など分かっていません。と、このように、ダンジョンはとても危険です。皆さんは新米冒険者でしょうが、気を引き締めて、油断のないよう心がけてください。」
クロエは上級生の授業に来ていた。
だが、この授業、既にみんな知っている内容であり、
クロエも必要ないだろうと思っていたのだが、
近々ダンジョンフェスも開催されるとの事で、授業を依頼され行っていたのである。
「ダンジョンフェスは、ダンジョンが一斉に出現する期間の事です。これを逆手に取り、お祭り化したものが、ダンジョンフェスとなります。ダンジョンはランク帯によって分かれています。皆さんは新米冒険者なので、適切なランクのダンジョンに挑んでください。ソロではなく、パーティで挑んでくださいね。皆さん、くれぐれも危険だと思ったらすぐに引き返す事!良いですね?それから、門番が居るとはいえ地下大洞窟の超広大ダンジョン、『エーデピア』には絶対に行ってはいけませんからね。私からは以上です。」
クロエが話し終わると同時に鐘が鳴る。
今日もぴったりである。
一応、みんな聞いてくれているのだが、なにせ一度習った所であり、
みんな適当に聞いているのが、クロエから見てバレバレであった。
(まあ、仕方ないよね…。アリシア様はちゃんと聞いてくれていたようだけど。)
「あの、クロエ先生。」
そう思っていると、そのアリシア様から話しかけられる。
「どうされましたか、ジウスドラさん。」
アリシア様がむっとする。かわいい。
「学園でもアリシアと呼んでくださいとあれほど…。まあいいです。少しお話がありまして。」
お話とな。なんでしょう。
「えっと…大変申し上げにくいのですけど、お父様からの伝言がありまして。実は…」
国王様からの伝言はこう。
近々ダンジョンフェスが開催されるので、
息子の、マイク・ジウスドラの指導をお願いしたい。
尚、アリシアの指導も兼ねる事。
もし難しいようなら、2人同時に指導をしても構わない。
との事だった。
え、もしかして仕事増えるの?
ただでさえ、激務続き。正直死ねる。
でも、マルチにしないと…。クビにされるかもしれないし、
なにより、アリシア様も正直、心配。
「分かりました。お2人の指導をきっちりこなしてみせます。」
アリシアは不安そうな顔をしていた。
クロエの業務量を知っていたから。
でも、お父様からの伝言は無視できなかった。
本当はこれ以上クロエの負担を増やしたくないというのが
アリシアの願いだった。
「私の力だけじゃ…。ごめんなさい。」
ぼそりと小声で呟くアリシア。
クロエは、前を見据える。
謝らせてしまってすみません。アリシア様。
私は大丈夫だから。
そして、マイク・ジウスドラと、アリシア・ジウスドラ2人同時に
ダンジョンフェスへ向けての訓練が行われる。
「おい、メイド。僕の剣技に見惚れるなよ。くっくっく。」
マイク・アデル・ジウスドラ(15歳)
アリシア様の一つ上。
彼の性格は難ありと言うかなんというか。
「見惚れてなどいません。マイク様。さあ、訓練を始めますよ。」
3名は木剣を持ち、立ち会う。
「2人同時に来ていただいて構いませんので。」
そう言うと、マイクは不服そうだった。
「メイドの分際で…。お前、聞いたことがあるぞ。元冒険者なんだってな。やめたんだろう?引退者に負けるものか。はっ!」
アリシア様はため息をついている。
マイクはこんな性格なのだ。なんというか、負けず嫌いというか、
もう少し…。
なんなら、マイク様より、アリシア様の方が剣技も魔法も立ち振る舞いも…。
いやここでは何も言わないでおこう。
「さあ、剣を。訓練を始めますよ。」
この世界にはダンジョンが点在しています。
基本は塔のような形式で多く存在している。
地下には『エーデピア』と呼ばれる大洞窟が存在している。
マイク・アデル・ジウスドラ(15歳。男。)
アリシアの兄にあたる。
ちなみに、ジウスドラ家にはその他にも兄弟姉妹が割といる。
第2話、読んでいただきありがとうございます。