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第拾漆話 「荒廃した世界と獄炎の鬼」

この物語はフィクションです。

実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。

レオとグリンは別世界に辿り着いた。

レオ「ここが別世界かー!」

跳ぶように現れ、草地に着地したレオは背伸びをしながら気持ち良さそうな表情を浮かべた。

グリン「にしては、随分と…」

目の前にある光景にグリンは驚愕のあまり唖然とし、目を見開いた。

そこは一言で表すと荒廃した世界。

人類が築いたであろう建造物に木や草、蔦などといった自然のものが侵食していた。

水位は明らかに上がっており、レオ達がいる大地はどういう原理かはわからないが、浮遊していた。

グリン「壮大で神秘的なところだね…人はいるのか?」

そう思いながら辺りを見渡した。

レオ「なんで人がいるって思うんだ?」

疑問に思ったレオは首を傾げてグリンに訊ねた。

グリン「正確にはいたって事になるね。こんな高度な技術に明らかに人工物があるという事は人がいたに違いないよ」

すると、グリンは地面に落ちていたロボットの人形を手にし、それをレオに見せた。

レオは顔を顰めるように凝視した。

レオ「違ぇねぇ!」

グリン「もっとわかるところあっただろ」

自信満々に同意したレオにグリンは呆れた様子でツッこんだ。

グリン「兎に角、怪物を探しに行こう」

切り替えてグリンはレオにそう伝えて、歩を進めた。

レオ「ソイツらの中に欠片があるからか?」

その後を追うようにレオも歩き出した。

グリン「うん、創造世界で出くわしたあの怪物(ゴブリン)がそうだったからね。それに…」

グリンが上空を見上げると、そこは黒い闇に覆われていた。

グリン「もう既にいる」

そう確信したグリンはベルデゾロを出すようにして手に持ち、警戒し始めた。

レオ「けどよ、ヘリアデスの時は何も無かったぜ?」

グリン「恐らくそういう個体だからか、元から組み込んで無かったのどっちかじゃないかな…」

ふと、疑問が過ぎったグリンがそこで足を止めた。

レオ「ん?どーした?」

当然、レオも足を止めてグリンに対して疑問に思った。

グリン「だとしたら、何の為に欠片を?そうじゃないと辻褄が合わない…」

顎に手を当てながら疑問を解こうと考え始めたその時だった。

レオ「危ねぇ!」

グリン「うわっ!?」

こちらに襲いかかってくる何かを感じ取ったレオがグリンを抱えてその場から離れた。

すると、グリンがいた場所に何かが当たり、地面を抉った。

レオ「大丈夫か?!グリン!」

グリン「ありがとう!助かった…」

レオにそう返すとグリンは抉られた地面の方へと目を遣る。

そこには何も無く、ただ地面が濡れていた。

グリン「液体、水か…?」

それが水によるものだと瞬時に推測したグリン。

「ケッ!戦士かよ!」

レオ「誰だ!」

上空から聞こえる声にレオは反応し、そこに顔を向けた。

「ギャヒャヒャヒャ!わかってんのに何訊いてんだよ!暗黒の怪物にして住民だろォ!?」

そこには鋭い嘴と鋭い爪に悪魔の様な角と翼、長い尾が特徴の赤い目に黒色の身体の姿をした暗黒の怪物がおり、レオを嘲笑っていた。

レオ「俺はレオ!クロノス社の戦士だ!」

グリン「住民ってどういう事?」

レオは炎を纏った両手足を構え、グリンはベルデゾロの照準を合わせた。

怪物「そこまで言うわけねぇだろ!バーカ!俺はガーゴイル!暗黒の怪鳥じゃァァァ!!」

問いかけに一蹴すると、ガーゴイルの口から大量の水が勢いよく噴射してきた。

レオ「げッ!!」

グリン「くっ…!」

レオとグリンは二手に分かれて走りながらそれを回避した。

レオ「俺、水嫌いなんだよー!」

ガーゴイルはそのまま水を放ちながらレオを追跡してきた。

それに対してレオは嫌だと言わんばかりに喚き散らして全力で逃げていた。

グリン(だもんね、レオは泳げないのもそうだけど、能力的に相性がとてつもなく悪い…!)

そう思いながらグリンはガーゴイルの背後に回って、ヤツに照準を合わせた。

グリン(そこっ!)

そうして引き金を引くと、銃口から火花が弾けた。

弾丸はガーゴイルに接近していき、その身体を貫こうとしていた。

だが、ガーゴイルは滑空して弾丸を回避した直後、首を180度回転させた。

グリン「え!?」

生物的にありえない動きにグリンは唖然する程に驚愕した。

ガーゴイルの口から噴射する水がグリンに迫り来る。

グリン「えぇっ!?」

グリンは瞬時に跳ぶようにしてその場から離れて、水を回避した直後に走り出した。

グリン「ちょっと!?確かに見た目的にも異形生物なのわかってたけども、それあり!?身体の構図どうなってんの!?キモイわ!」

心の奥底から思った事を口にして文句を言った。

ガーゴイル「おいおい!俺達をただの生き物だと思ったら大間違いだぜェッ!」

口を閉じた事により噴射する水が止むとガーゴイルは降下しながら直行でグリンに迫って来た。

レオ「させねぇ!!」

すると、上空から跳び降りて来たレオがガーゴイルをとっ捕まえた。

ガーゴイル「おい!離せェ!この雑魚がッ!!」

レオ「うっせぇ!俺は最強だ!」

振りほどこうと暴れるガーゴイルだが、レオは離れずに拘束を続けた。

グリン「ありがとう!レオ!」

その状況に気付いたグリンは瞬時に足を止めて、再度ベルデゾロを構えた。

ガーゴイル「クッソー!あ、オマエこれ弱ぇんだろ?!」

すると、ガーゴイルの全身から水が湧いてきた。

レオ「げッ!水ッ!」

それに気が付いたレオはガーゴイルの頭部に蹴りを入れて、跳んで距離をとった。

ガーゴイル「ゴギャッ…!」

蹴りの威力があまりにも強かったからかガーゴイルはそのまま気を失い、落下していった。

グリン「狙い撃つ!」

照準が合ったと確信したグリンがベルデゾロの引き金を引こうとしたその時だった。

突然、周囲にあった草が激しく燃えた。

グリン「な、何!?」

紅蓮の炎はグリンを囲った。

レオ「グリン!」

当然、レオも気付き、グリンを助けに行こうとする。

「おっしゃァ!こいつはビンゴだな!」

煩い程の荒々しい声が聞こえ、レオは足を止めて、木々の向こう側に顔を向けた。当然、グリンも同じ方向を見た。

そこにいたのはロングコートを羽織り、黒い角を生やした緑のフードを被った紅い瞳の男 ガザールであった。

レオ「誰だ!お前!」

着地したレオは尋常ではない闘気を放つガザールに対して拳を構えた。

ガザール「俺はガザール!暗黒四天王の一人で紅蓮の闘鬼だ!おいテメェ!」

ガザールは名乗った後、レオに対して指をさした。

レオ「なんだ!」

ガザール「俺と闘え!」

ガザールは笑みを浮かべながら両手足に紅蓮の炎を纏った。

レオ「闘う!?なんでだ!?」

ガザール「理由なんざいらねぇよ!!」

すると、ガザールがレオに急接近し、燃え盛る拳を突き出した。

レオ「ぐっ!」

唐突の事であったが、レオは瞬時に腕をクロスさせて打撃を防いだ。

だが、あまりにも強力な一撃だった事でレオは遠くへと吹き飛んだ。

レオ「うわぁっ!?」

ガザール「俺はお前と闘いたくて仕方がねぇ…!」

次の刹那、大地を蹴り上げ、吹っ飛ぶレオの後を追いかけた。

ガザール「もっと楽しもうぜ!赤獅子ィッ!」

そして、レオの上空に姿を現した。

レオ(やべぇッ…!)

ガザールの底無しで圧倒的な闘気や好戦的な様子、長けた戦術等を見てレオは戦慄した。

ガザール「紅蓮火(グレンカ)ァッ!」

右拳を後ろに引き、そこに紅蓮の炎が渦巻き収束する。

レオ「ッ!豪火烈赫拳!」

先程よりも強力な一撃が来ると察したレオも右拳に炎を纏い、収束した。

ガザール「王槌(オウツイ)!!」

レオ「ハァッ!!」

互いの拳が激しい勢いで衝突する。

そこを中心に熱気が発生し、周囲にあった草木を燃やした。

グリン「くっ!マズイ!」

足元にあった草が燃え移った事により危機を感じたグリンは瞬時にここから逃げ出す為の打開策を練っていた。

その時、近くに倒れていたガーゴイルが目に入った。

グリン(水とかで火を消せれば良いけど、あまりにも広がり過ぎている…!)

思考を張り巡らせていたその時だった。

『上を狙ってください』

どこからともなく聞こえた正体不明の声に驚くも指示通り上を向いた。

そこには逆ピラミッドのようなオブジェが浮遊していた。

グリン「…誰かは知らないけど、今は従わせてもらうよ!」

不審に思うが、今は信じる事にしようと決めたグリンは懐から瓶を取り出しそのオブジェの方へと投げるとベルデゾロでそれを撃ち抜いた。

瓶が弾丸にぶつかると同時に爆発が起こり、その衝撃と爆風によりオブジェが傾いた。

そこから大量の水が流れ、周囲の炎を消した。

レオ「げぇっ!水!」

ガザール「あぁ!?なんだ!?」

二人も水がかかった。

「今です!」

グリン「助かります!」

誰かの指示によりグリンは走り出し、レオを連れてこの場を去った。

ガザール「逃がすかよッ!」

まだ闘い足りないガザールは捕まえようと二人を追いかける。

だがその時、ガザールの目の前で閃光が迸った。

ガザール「眩しいなぁッ!」

ガザールは片腕で両目を覆い、光を遮った。

光が消えた時にはレオ達の姿は無かった。

ガザール「クッソ、逃がしたか…」

悔しい表情で言葉を零すと、倒れているガーゴイルに気が付き、そいつに近付いた。

ガザール「おい、いつまで寝てんだ」

しゃがんだ後、ガーゴイルの頬を引っ叩いた。

すると、ガーゴイルの目が覚めた。

ガーゴイル「んァ?なっ!」

寝ぼけていたが、ガザールの存在を認識するや否や我に返ったかのように気が付いた。

ガーゴイル「ガザールじゃねぇか!」

怖気付いたガーゴイルはガザールから離れようと少し後退した。

ガザール「元気そうでなによりだな」

戦闘の時とは異なり、ガザールは落ち着いていた。

ガーゴイル「いや、聞いてくれよ!さっき戦士がここに来やがってな!」

ガザール「んなのは知ってる。さっき闘ってたが、邪魔が入って逃げられた」

言い訳するガーゴイルだが、ガザールは不機嫌そうな様子でいた。

ガーゴイル「あー…オマエってそーだよな。死ぬ程好きな戦闘馬鹿だもんな」

ガザール「あ?んだテメェ…」

呆れた様子のガーゴイルにガザールは怒りを顕にして、殺意を放った。

ガーゴイル「ま、さっさと探して殺ってやるかァ!」

まずいと思ったガーゴイルは逃げようと翼を羽ばたかせ、何処かへと飛行した。

ガザール「それもそうだな…さっきから殺りたくて殺りたくてしょうがねぇ程に疼いていやがるぜ!」

狂っていながらも楽しそうな笑みを浮かべながら、レオ達が行ったであろう方向へと走り出した。


その頃、グリン達は遠く離れたところにいた。

周りにある自然が侵食した人工物や浮遊する建物などは変わらないが、二人の足元には草といったものは無かった。

グリン「あの状況で僕達を助けてくれた事に感謝します」

グリンとレオの目の前には少女がいた。

近未来的なカチューシャを付けた白髪に綺麗な水色の眼、振り袖のある丈の長い白装束を身に付けていた。

その少女は先端に傾いたキューブにそれを囲う輪といった近未来的で独特なデザインが特徴の黒い長杖を手に持っていた。

「どういたしまして」

少女は無表情のまま二人に会釈した。

グリン「僕はグリン、正義組織 クロノス社の戦士です」

レオ「俺はレオ!お前!なんて言うんだ?」

二人が名乗った後でレオが何者なのかを少女に訊ねた。

「私はLUNA-CN223A325といいます」

すると、少女は自身の型式番号を言った。

レオ「る、るな…うぅん?」

グリン「もしかして、アンドロイド?」

それを聞いたレオは長すぎる且つ難しい故にわからなかったが、グリンは脳裏に過ぎった推測を提示するかのようにして訊ねた。

「はい、私は一人の科学者によって造られた人型アンドロイドです」

ルナはアンドロイドのような抑揚のない調子で淡々と喋った。

グリン「…イエス、という事で良さそうだね」

ルナの返答を聞いてグリンがそう解釈をした。

レオ「んー、呼びずれぇから…ルナ!よろしくな!ルナ!」

それを他所にレオはルナに手を差し伸べた。

グリン「なんかやけに静かだなって思ったらずっと考えてたのね…」

先程から今に至るまでのレオの行動にグリンは困惑していた。

ルナ「…はい、よろしくお願いします」

LUNA-CN223A325改めルナは気にせずにレオの手を握りしめた。

グリン「…えっと、ルナさん。貴方はなんでこんなところに?」

話題を変えたグリンはルナに訊ねた。

ルナ「私はこの世界を探査しています」

グリン「探査?」

疑問に思うグリンにルナは続けて話した。

ルナ「はい、かつてこの世界は魔法と高度な技術により栄えていたところでした。平和で穏やかで不変なところ…しかし、現在では人の気配など無く、無事なのはここだけでした」

グリン「ここだけって…他のところはどうなっているの?」

ルナの話からこの世界について、かつてと現在の状況について理解したグリンは詳しい話を訊いた。

ルナ「わかりません。しかし、図書館に行けば何か得られるかもしれません」

ルナは無表情のまま答えた。

レオ「図書館?」

ルナの口から出たこの場に相応しくない言葉を聞いたレオは呆然とした。

ルナ「失礼しました。図書館…オブリヴィオ・ビブリオテカやウルティマ・スペス、忘却の図書館や最後の希望などと呼ばれており、科学者達が残したこの星の記憶が保管されています」

ルナは一回も噛む事無く、丁寧に説明をした。

グリン「なんで色んな名前が?造ったという訳じゃないの?」

ルナ「科学者達が残したものではありますが…呼称を統一する為に以降、図書館と呼びます。図書館は人工的に造られたのではなく、未知のものであるとされています」

グリン「よく扱えれたな、その人達」

それを聞いたグリンは唖然し、この世界にいた人達に驚いていた。

レオ「とりあえず!そこに行きゃ良いんだろ?んじゃあ、早速…」

グリン「いやいや、行くにしても場所が…」

そう言うとレオは走り出そうとしたが、グリンがそれを止めた。

ルナ「それなら問題ありません」

どういう事だと言わんばかりにグリンはルナの方へと振り向いた。

すると、ルナの背後から浮遊する立方体の小型の機体が現れた。

グリン「それは…?」

ルナ「私のパートナーです」

「私はフェータ、LUNA-CN223A325のユニットです」

すると、その立方体から無機質な男性の声が流れた。

グリン「わかったよ、フェータ。僕はグリンで彼はレオ」

グリンはフェータに自身らの名を教えた。

フェータ「記録しました、私についてきてください」

すると、フェータはレオより先に移動するとそこで止まった。

ルナ「早く行きましょう。あの黒い怪物がいつ遭遇してくるかわかりません。来ないとは限りませんですし」

フェータの後を追うようにしてルナは歩を進めた。

グリン「…そうだね」

レオとグリンも二人…正確には一人と一機の後を追いかけた。

レオ「なぁ?フェータってヤツ?本当に図書館に行けんのか?」

すると、レオは疑問に思った事を口にした。

ルナ「フェータはナビや通信などの機能が搭載されていますので問題ありません」

ルナは無表情のままそう答えた。

レオ「…お前、なんか悲しそうだな」

その一言でルナは足を止めた。

ルナの行動を感知したフェータも止まり、グリンとレオも足を止めてルナを見た。

ルナ「何故、そう思いますか?」

ルナはレオの方へと身体を向けると首を傾げながら訊ねた。

レオ「直感だしこの世界で起こった事はよくわかんねぇけど、優れた技術なのになんで笑ったり怒ったり泣いたりしねぇんだろって」

レオはその理由を述べた。

グリン「…ツッコミどころはあるけれど、確かに一理あるね。人智を超えたモノは取り扱えれるのに生物が司るそれは出来ないって不自然だし」

それを聞いたグリンはレオに賛同した。

ルナ「…私自身もよくわかりません。そもそも私が造られ、気付いた時には開発者である父以前に人類すらもいませんでした」

相変わらず無表情のままだが、悲しさを感じるその心情を吐露した。

フェータ「そもそもの話、我々機械は人類に危害を加える事は許されず、それを踏まえた上で命令に応じ、更にそれも含めて自身を守らなければならない。一つ目に反する故に感情というシステムは組み込まれていません」

フェータが割って自身を含めた機械について語った。

グリン「ロボット三原則…という事?」

フェータの語る内容を瞬時に理解した。

レオ「…なぁ、フェータ」

レオは少し考え、訊ねた。

フェータ「はい、なんでしょう?」

レオ「遊園地みたいのないか?」

すると、どういう事かレオはそんな事を訊ねた。

グリン「レオ?この状況で何を?」

レオ「しすてむ?ってのが組み込まれてねぇんなら新しく作りゃいいだろ?」

レオの言っている内容は明らかにぶっ飛んだものであった。

グリン「書き換えるって事?」

ルナ「何のためにですか?」

当然、二人は疑問に思う。

レオ「アンドロイドだとしても感情はあって良いんじゃないか?なら、それを知って欲しいんだ!こいつは命令だからな!」

レオはルナに指をさしながら声を張った。

フェータ「検索完了…ここから北へ5km進み、左に曲がって3km進むと遊園地があります」

レオ「おし!んじゃあそこに進路変更!連れて行ってくれ!」

フェータは「かしこまりました」と返し、そこへと向かうとレオはフェータの後を追うように走った。

ルナ「…変わった人ですね。言ってる事はめちゃくちゃですし、破って良いものでもない」

グリン「まぁ、レオはああいう人だからね。ルナさんの顔が辛そうに見えたんだと思うよ」

グリンはレオの後を追いかけた。

ルナ「…辛そう、ですか……」

未だに理解できていなかったルナだが、彼女も皆の後を追った。


そうして二人は目的地に着いたはずだった。

だが、そこに広がる遊園地は動いていないどころか廃墟となっていた。

レオ「ここ、本当に遊園地なのか?」

グリン「仕方がないよ、こんな状況で普通に動いてるとは思えないから」

呆然と、愕然とするレオに対して知っていたと言わんばかりに呆れながらも彼に同情するグリン。

ルナ「いえ、問題無いです。フェータ」

フェータ「はい、かしこまりました」

ルナの呼びかけにフェータは応じ、廃墟となった遊園地へと向かった。

グリン「どういう事?」

ルナ「フェータに搭載されているシステムがある。それと図書館にはもう辿り着いています」

淡々と言うルナだが、グリンとレオには理解出来ていなかった。

フェータは遊園地の中心に位置し、高く浮上すると、ルナは長杖を掲げると、その先端から光球を放った。

ルナ「fiat lux et facta est lux」

何かを唱えながら、光球がフェータに入る。

その時、フェータが周囲を照らすように光出した。

光は廃墟となった遊園地を再生させ、人気は無いながらも賑やかなものへと変わった。

その中でフェータは巨大化し、ルナの近くに来て、目の前で止まった。

レオ「うおおお!?なんだこれ!?」

グリン「もしかして、フェータって…!」

その状況を見て、驚き歓喜するレオを他所にグリンはもしかしてと思いながらルナに訊ねた。

ルナ「フェータが図書館という訳です。今までの説明と行動は敵に何処かにあるという錯覚を起こさせる…所謂、ミスリードを創る為と座標を探す為」

ルナは淡々と端的に説明を述べた。

グリン「よく考えたね、これは参った」(成程、通りで人にも扱えれたという訳だ)

それを聞いたグリンは感心した。

ルナ「ありがとうございます」

グリンに感謝をしたが、相変わらず無表情のままであった。

そのままフェータに寄り、図書館の解読をしようとしたその時だった。

レオ「なぁ、ルナ!あの速ぇ龍に乗るぞ!」

ルナ「あ…」

楽しそうに興奮したレオはルナの手を引いて走った。

突然の事にルナは唖然と愕然するが、そのまま連れていかれてしまった。

グリンはこの状況に苦笑いを浮かべた後、フェータの方へと身体を向けた。

グリン「ねぇ、フェータ。図書館は僕みたいな素人でも扱えれたりする?」

そして、そんな事を訊ねた。

フェータ「はい、可能です。ご不明な点がありましたら全力でサポートします」

グリン「ありがとう、んじゃあルナの代わりに解いておこうかな」

その返答を聞いたグリンはフェータに近付いた。

フェータ「かしこまりました、貴方の意志に応じます」

フェータはグリンの前へと降りて行くと、展開して扉のように縦長い長方形の穴が現れ、そこからは真っ白な光が照らされていた。

グリンはその光の中へと入っていった。


ルナはレオにより、ジェットコースターに乗っていた。

レオ「うおおおお!スゲェ!!」

ルナ「………」

勢いよく急降下していく中、はしゃぐレオに対してルナは無表情にして無反応であった。

レオ「なぁ!次あれ!乗ろーぜ!」

ジェットコースターを終えて降りた後でレオはルナを連れて、コーヒーカップに乗ろうと言わんばかりに指をさした。

ルナ「わかりました」

ルナがそれに応じると、レオはそのまま引っ張って行った。

レオ「うわあああ!目が回るううう〜!!」

ルナ「………」

そこではレオが全力でコーヒーカップをぶん回した。

結果、ルナは酔わず、相変わらずの無反応であり、逆にレオの目が回った。

レオ「なぁ!今度はあれだ!」

今度はゴーカートに乗り、レオは全速力でルナは対称的にゆっくりと走行していた。

そうして一段落して、遊園地内にあったレストランで食事をとっていた。

レオ「いやー!しっかしスゲェな!えーあい?ってやつで遊園地全部動いてんだもん!」

レオはカレーを頬張った後で水で一気に流し込むと、興奮した様子で盛り上がっていた。

ルナ「正確にはフェータが全部やっています。フェータが放出したホログラムと空間魔法で廃墟だった遊園地がこのようにして動かしている感じです」

ルナは無表情でレオに説明をした。

レオ「…なぁ、なんでルナは星の記録を使ってまで探査するんだ?」

レオの問いにルナは少しの沈黙の後でこう述べた。

ルナ「信じているから、ですかね…」

レオは直感でルナには悲しい理由があるのだと読み取った。

すりと、ルナは右側にある窓を眺めた。

ルナ「恐らくこの世界はあの怪物に滅ぼされ、生みの親である人間やお父さんも殺された。けど、必ず誰かが生きているんじゃないかって考えると…いや、不思議ながらそう思うんです」

悲しんでいながらも僅かな希望を信じていると言わんばかりの様子をしたルナを見て、レオは「成程な!」と大声で安堵していた。

当然、ルナはレオの大声に驚き、彼に顔を向ける。

レオ「ルナにも感情があったんだな!」

笑顔を浮かべるレオを見てルナは首を傾げた。

レオ「ルナが信じるなら俺も信じる!ぜってぇ生きているって!」

すると、レオはルナに手を差し伸べた。

ルナ「握手ですか、わかりました」

ルナはレオの手を掴んだ。

ルナ「ありがとうございます」

すると、ルナは初めてレオの前で微笑んだ。


その頃、フェータの中でグリンは星の記録について調べていた。

周囲は真っ白な光で包まれており、至る所にホログラムで創られたパネルと魔法陣があった。

グリン「…これって、本当に言っているの?」

グリンは愕然としていた。目の前にある出来事を受け入れられないと言わんばかりの様子で

グリンの目の前にあるのは2という数字であり、この世界に存在する人間の数であった。

それはレオとグリンの事であり、アンドロイドであるルナやフェータには該当しないという事がわかる。

つまり、この世界に住んでいた人は一人もいないという事を意味する。そう推測したグリンは結論づけた。

グリン「フェータ、間違えているって事は無い?」

フェータ「いいえ、私が間違える事はありません」

グリンの返答にフェータはそう断言した。

グリン「…自身が優秀だから、とでも言いたいの?」

グリンはフェータに対して疑心暗鬼となっており、睨んだ。

フェータ「いえ…」

何かを言おうとしたフェータだが、突如として喋らなくなった。

直後、機能が停止したと言わんばかりに魔法陣とパネルが消え、辺りが暗くなった。

グリン「…フェータ?」

何か不審に思ったグリンはベルデゾロを構えた。

フェータ?「…俺様が、それを証明したからよォ!!」

その時、フェータ改め図書館が形成した空間の天井を突き破るようにしてガーゴイルが現れた。

グリン「ガーゴイル!?どういう事?!」

グリンは一歩後退り、銃口を向けながらガーゴイルに訊いた。

ガーゴイル「わからねぇのかァ?この世界にいたヤツらは全員、俺様がぶっ殺したんだよォッ!」

次の刹那、ガーゴイルは翼を羽ばたかせて、超高速でグリンに接近した。

グリン「ッ!お前!!」

それがグリンの逆鱗に触れたのか、彼はベルデゾロの引き金を引き、三発の弾丸が放たれた。

だが、ガーゴイルは口から水を噴射してそれらを押し返すようにして止めた。

グリン「くっ…!」

一直線に迫り来る水をグリンは横に移動するようにして跳んで回避した。

ガーゴイル「オメェの殺り方なんざ既に攻略済みだ!」

ガーゴイルが両手を広げ、足元から水が発現した。

大量に出てきたそれは止まる事なく、水位が上がり始めた。

グリン「成程ね…」

ガーゴイルの考えをグリンは瞬時に読み取った。

この空間を水でいっぱいにさせる事がガーゴイルの目的であった。

そうする事でベルデゾロは通常より上手く扱えれず、撃った弾丸が推定2、3メートルで失速して威力が弱まる。更には天井がある故に溺死させる事も可能だ。

つまり、ガーゴイルはグリンの攻撃手段を絶ち、溺れさせる気だったのだ。

グリン(これはまずいな…)

水位は足のところまでに到達していた。

それにより危機を感じたグリンは周囲を見渡して策を練る中、天井へと目を遣る。

そこにはガーゴイルが突き破った際に出来た穴があった。

グリン(あそこなら出れそうだ…さて、実験といきますか)

再度正面へと目を遣った瞬間、懐から小型の瓶を三つ取り出した。

そして、グリンは瞬時にそれらをガーゴイルに向けて放り投げた。

ガーゴイル「なんだァ?なんか知らねぇ瓶を投げるだけかよォ?」

すると、ガーゴイルの前方の足元から水柱が噴き出るように現れた。

瓶はそれに巻き込まれると失速し、水柱に押し上げられるようにして動きが止まった。

だが、その隙にグリンは水柱を避けて、ガーゴイルの懐に迫った。

ガーゴイル「何ィッ!?」

三つの瓶はミスリードであり、ガーゴイルに近付く事が目的だったのだ。

グリン「そこっ!」

グリンはガーゴイルの腹部に蹴りを入れた後、瞬時にベルデゾロで三発の弾丸を放った。

ガーゴイル「ゴハッ!この餓鬼ャァッ!」

蹴られたので後ろによろめくが、何とか体勢を立て直したガーゴイルは羽ばたきながら飛行して、弾丸を回避した。

その隙にグリンはベルデゾロのリボルバーを展開させ、傾けるように排莢した後に装填を完了させた。

ガーゴイルが接近してきた事を察し、グリンは瞬時に瓶を一つ投げた。

ガーゴイル「馬鹿が!んなフェイク通じるかってんだよ!」

ガーゴイルは水の弾丸で瓶を破壊した。

だが、そこから出てきたのは液体では無く粉であった。

グリンの間合いに入ったガーゴイル、鋭い爪で彼を切り裂こうとしたその時だった。

ガーゴイルの身体が止まったかのようにその場で硬直したのだ。

ガーゴイル「な、なんだ…?」

当然、自身の身に起こった出来事に驚くガーゴイル。

グリン「痺れ粉って言ったところかな、その粉を少し吸った或いは触れたら神経が麻痺し、一時的に動かなくなる」

グリンは説明を述べながら膝にまで浸かっていた水を抜け出して、ガーゴイルの背中に乗った。

グリン「早くて助かったよ、水位が股下辺りにくると人は歩けなくなるからさ」

水位が上昇していき、ガーゴイルの身体が浮いていく。

グリン「どうやら君の能力…いや、この場合は技かな?意志に反して活動するみたいだね」

ガーゴイル「ヘ、ヘヘ…良いのか?一時的にとは言えど動きゃこっちのもん…」

グリン「良いよ?そうなったらもう一度投与すればいい。それに君は水中で溺れて死ぬって事は無いと思うからね」

ガーゴイル「な、何をそんな根拠に…?」

グリン「僕を溺れさせたかったみたいだけど、もしそうなったら君はどうなるか?溺れて死ぬって事は無いだろうし、君の言う他の生き物とは違うって事を考えたら、水中でも活動ができるってのは不思議じゃないし不可能でもないはずだよ」

水位は穴の空いた天井の近くまで上がっていた。

すると、グリンは立ち上がり、ガーゴイルを蹴るように跳んでここを脱出した。

グリン「とはいえ、君が生物を超えた生物だとしても死からは逃れないと思うけどね」

そう言いながらグリンはガーゴイルにベルデゾロの銃口を向けた。

ガーゴイル「ナメられてんなァ…愚弄と破戒が俺の闇なんだけどなァ…!!」

グリンの発言がガーゴイルの逆鱗に触れたのか、はたまた彼自身のプライドに傷がついたからか、或いは両方か

どちらにせよその意志によりガーゴイルの身体は明らかに蠢くかなようにして、大きく変化していた。

グリン「闇?」

その言葉にグリンは訝しむが、躊躇わずに引き金を引いたその時だった。

グリン「何!?」

目の前で起こった突然の出来事に驚愕するグリン。

なんとベルデゾロが浮上する泡沫となって消えたのだ。

グリン「くっ…!」

何かこのままだとまずいと思ったグリンは急いでこの場から離れた。

ガーゴイルは四枚の翼を生やし、両眼が重瞳となる。

腕は六本となり、新たに生えた四本腕は自分を抱いたり、下顎を下ろそうと掴んでいた。

ガーゴイル「俺様はガーゴイル!愚弄と破壊を司りし、暗黒の住民だァッ!!」

ガーゴイルはフェータを破壊した事により、その姿を顕にさせた。

グリン「進化できるのか、厄介だね…!」

この危機的状況に歯を食いしばりながら懐にあった瓶を一つ取り出し、警戒態勢に入った。


時は遡り、フェータのところで轟音が鳴り響いた事に気付いたレオとルナは急いでそこへと走って向かっていた。

ルナ「しまりました、気付かれたみたいです」

落ち着いた声色で淡々と言うルナだが、その内心ではとても焦りを感じていた。

レオ「早く急がねぇと!」

ルナ「同意します。フェータが壊されては…」

その時、レオは瞬時に何かの気配を感じ取り、退くようにしてルナを引き寄せた。

次の刹那、そこに黒い何かが勢いよく降下してきた。

落下したところは粉塵に覆われ、そこにくっきりとした人影が映し出された。

そいつが何なのか否、誰なのかを既に察知したレオは眉間に皺を寄せながらそいつを睨みつけた。

レオ「ガザール!」

ガザール「覚えてくれてあんがとうな、漸く見つけたぜ?赤獅子ィッ!!」

人影の正体 ガザールは粉塵を払うようにして晴れ、その姿を現した。

彼は楽しそうな様子でレオを真っ直ぐに見ていた。

レオ「赤獅子じゃねぇ!俺はレオだ!」

ガザール「なんだって良いじゃねぇか!兎も角俺はテメェと…!」

ガザールは大地を勢いよく蹴り上げ、赤獅子という呼び名を否定したレオに接近した。

ガザール「闘いてぇんだよ!!」

そして、引いていた拳を顔面に目掛けて突き出した。

突然の事に対応できずレオはそのまま殴られた勢いで後ろに勢いよく吹き飛んだ。

ルナ「レオさん!」

愕然とした表情で振り返りながらレオを呼びかけた後、緊迫したものへと変わったまま向き直してガザールを睨みながら長杖を構えた。

ガザール「なんだ?お前もやるかァ?」

笑みを浮かべながら片手を振るうと紅蓮の炎 獄炎が発現した。

ルナは沈黙のままガザールを警戒し、身構えた。

レオ「大丈夫だ!ルナ!」

直後、大声が聞こえたのでルナは再度振り向いた。

そこには多少の傷は負いながらも起き上がるレオがいた。

ガザール「面白ぇな、お前!最高としか言えないぞ!」

見込んでいた通りだったので、とても嬉しそうな様子でレオを見ていた。

レオ「お前!なんで闘いてぇんだ!」

ガザール「理由がなきゃいけねぇのか?」

レオ「あぁ!俺は闘いたくねぇ!」

ガザール「乗り気じゃねぇのは残念だが、別にテメェの意志なんざ関係ねぇ!」

すると、ガザールは瞬時にレオの間合いに入ろうと急接近してきた。

それに対抗しようとレオは瞬時に両手足に炎を発現させた後、かざした掌から数多の火球を放った。

ガザール「遅せぇ!欠伸が出る程に遅せぇ!」

身体を揺らすように火の玉を回避した。

レオ「オラァッ!!」

間合いに入ったガザールになんとレオは頭突きを繰り出した。

それを受けるガザールだが、ビクともせずに楽しそうな笑みを浮かべた。

ガザール「なんだァ?やっぱ乗り気じゃねぇか!」

頭を後ろに引っ張ると、勢いよく頭突きをした。

レオ「効か…ねぇよ!」

レオは受けた一撃があまりにも重かったので頭から血を流すが、後退る事は無かった。

その時のレオも笑みを浮かべていた。

それは強がりから来ているのか、本当に心の何処かで闘いを楽しんでいるか、本人でさえもわからなかった。

ガザール「良い顔してきたなァ!赤獅子ィッ!」

互いに手四つで力比べをし始めた。

レオ「うるせぇ!絶対(ぜってぇ)お前を倒してグリンとフェータのところへ行くんだ!!」

その意志に呼応するかのように、ガザールに反発するように全身から炎が溢れ出る。

ガザール「おもしれェ!なら俺を超えてみろ!」

負けずとガザールの身体から発現した紅蓮の炎が燃え盛り、全身を包んだ。

ルナ「異常な程の熱を感知…!このままだと焼き尽くされ、溶けてしまう!」

長杖の先端から光球を生成し、ガザールに向けて放った。

だが、光球は紅蓮の炎に触れた事により打ち消された。

ルナ「何!?」

ガザール「正々堂々の闘いを邪魔すんじゃねぇよ、女ァッ!」

先程の行動がガザールの逆鱗に触れて紅蓮の炎がルナに迫る。

身を守ろうとルナは急いで光のバリアを展開した。

炎はバリアに当たり、ルナ自身が焼き殺される事は無かった。

同時進行でレオの炎が紅蓮の炎により弱まっていた。

レオ「な、なんだ!?炎だけどなんか違ぇ!?」

ガザール「そういや話してなかったなァ!」

レオに頭突きを食らわせると受けた本人は後ろによろめき、それに続いてガザールは蹴りを入れた。

それも受けたレオは後ろにぶっ飛んだ。

レオ「うわぁぁぁっ!」

ルナ「レオさん!」

だが、ルナが紅蓮の炎を避けた直後にバリアを解き、レオを捕らえるようにして抑えた。

レオ「あんがとうな!ルナ!」

振り向きながら感謝するレオは再度、ガザールの方へと向き直した。

ガザール「俺が持つ力はただの炎じゃねぇ」

そう言いながらガザールは手を掲げ、空に掌を見せた。

すると、そこから紅蓮の火の玉が現れ、空高く上昇していった。

ガザール「王の獄炎(キングオブヘルフレイム)、これが俺の持つ力の名だ」

その直後、火の玉は太陽と錯覚させる程に膨大した。

レオ「なんだよ!?これ!?」

ルナ「これは…!マズイです!」

戦慄し愕然とするレオを他所にルナは長杖の先端から光の刃を展開し、尋常ではない程の長さへと伸びた。

ガザール「ほぉーう?!止めようってかァ?!!断つつもりかァ?!!!」

掲げる手が振り下ろされると、火の玉はレオ達に向かって降りてくる。

ルナ「…!!」

塔のような長さになった光の刃は縦一直線に振るわれ、その火の玉を一刀両断した。

斬られた事により真逆にズレたそれは周囲を焦土にせんと言わんばかりの大爆発を起こした。

建物の窓が割れ、アトラクションなどは溶けるか跡形もなくなるかのようにして崩壊し、爆破の衝撃によりレオとルナは遠くへと吹き飛ばされた。


そうして現在進行形でグリンは瓶を後方に投げながらガーゴイルから距離を取ろうと逃げていた。

ガーゴイル「ギェェェェェ!!」

怒り狂ったガーゴイルは周囲に掌から放たれた泡沫を連射させながらグリンを追っかけていた。

泡沫に触れたモノは瞬時に消えていく。

グリン「あれ化け物じゃん!?いや、もうそれ超えてるから化け物とも言い難いぞ!?」

ガーゴイルに対して困惑しているが、なんとかして平然を装っていたグリンは痺れ粉が入った瓶を振り返るようにしてぶん投げた。

だが、ガーゴイルの指先が瓶に触れた瞬間、弾ける泡沫となって消えた。

グリン(どうしよう、明らかに勝てそうにもないけど…)

打開策を得る為に思考を張り巡らせるグリン。

その時、正気じゃない程の爆発音が鳴り響いた。

グリン「何!?」

愕然とするグリンを他所にガーゴイルは何だと言わんばかりに爆発の方へと目を遣る。

ガーゴイル「おぉ!流石はガザール!王に相応しい獄炎!」

グリン「ん?あれは…」

賞賛するガーゴイルを他所にグリンはこちらに迫るようにして吹っ飛んでくる二人に気が付いた。

グリン「レオ!ルナさん!」

すると、グリンは懐から橙色の球体を取り出し、瞬時に彼らに向けて投げた。

球体は展開していき、大きなクッションへと変わる。

レオとルナの身体がクッションに当たり、二人はそのままクッションに落ちた事で大怪我を負わなかった。

グリン「レオ!ルナさん!」

グリンはクッションに滑り込むようにして二人に近付いた。

彼の意志に呼応するように二人は目を覚ました。

レオ「ここは?…って!グリン!!」

グリン「無事…じゃなさそうかな」

グリンはレオに回復薬を与えた。

レオ「あんがと!」

レオはそれを飲むと、火傷や殴られた跡が消えていき、みるみるうちに回復した。

グリン「ルナも…」

ルナに渡そうとしたグリン。

だが、彼女の様子がおかしい事に何か気付いた。

まるで何かを思い出したかのようだった。

ガーゴイル「なんだァ?知らねぇヤツがいや…」

ガーゴイルは初めて見るルナを視認して、邪な考えが閃いた。

ガーゴイル(いや待てよ?こいつが最後の希望かァ)

思い出したガーゴイルは下卑た笑みを浮かべた。

ガーゴイル「しっかし、オメェらもおしめぇだなァ!生き残ったのは三人…いや、人間二人だからよォ!」

その言葉で我に返り、マズいと思ったグリンはガーゴイルの方へと顔を向けた。

ルナ「…どういう事?」

ガーゴイル「わかんねぇようなら言ってやるよ!もうここに生き残ってるヤツらはいねぇ!みんな希望を託して死んだからよォ!」

ガーゴイルは残酷な真実をルナに堂々と伝えた。

ルナ「…嘘です、そんなの信じません……」

当然、それを拒絶するルナ。認めたくなかったのだ。

ガーゴイル「まだわかんねぇのかよ?アリシャ!」

だが、最後の言葉…その名前を聞いたルナはあまりの衝撃により愕然としたと同時に過去の出来事がフラッシュバックした。


それは暗黒世界の怪物によって人類が蹂躙されている中での出来事。

何処かの研究室で一人の少女が蓋の空いた等身大のカプセルの中で横になっており、その近くには白衣を着た男が立っていた。

男「良いかい?アリシャ、せめて君だけは生きて欲しいんだ」

男が優しく語りかける。

アリシャ「パパ?何を言っているの?」

不安な様子で男である父親に訊ねるアリシャ。

アリシャの父「君の意識をLUNA-CN223A325、つまりはアンドロイドに移す。以前の記憶を消してね」

父親は近くにある装置を操作し、カプセルの蓋が自動的に閉じた。

アリシャ「いやだ、パパも…」

アリシャの父「アリシャ、いや…ルナ……」

父親はカプセルの中にいるアリシャに顔を覗かせた。

アリシャ「君が最後の希望だ、後の事を頼んだ…」

その言葉を最後にアリシャ…ルナの意識は途切れた。


ルナ「今、のは…?」

我に返ったルナは思い出した事で流れてきた記憶に愕然としつつ、困惑していた。

ガーゴイル「今のが真実だ!アリシャァァァッ!!」

ガーゴイルが嘲笑うかのようにして高笑いを上げる。

ガーゴイル「オメェは父親のエゴで強制的に人類の運命を!最後の希望という責務を押し付けられたんだよ!」

嘲笑いながらガーゴイルは降下しながらルナに近付き、その顔を覗くように見た。

ガーゴイル「惨めだよなァ!人間ってのはよォ!どいつもこいつも自分の事しか頭にねぇ!全員じゃなくて、実の娘に全部押付けて助けたもんなァ!そんでそんな記憶も消されて目的も有耶無耶で、最終的に事実を知るつもりだなんて無意味なもんだよなァ!情けねぇったらありゃしねぇ!オメェはもう価値のねぇ人類の奴隷だァ!!傀儡だァァァッ!」

嘲笑いながらガーゴイルはルナの全てを、この世界に住まう人類を否定した。

嗤うガーゴイル、どうしようも無いこの出来事にグリンは悔しく思っていた。

無感情で機械となったルナ、出るはずのない涙が出そうになる。

レオ「笑うんじゃねぇよ!!」

その時、レオのガーゴイルに抗議する大声が周囲の空間にこだました。

レオ「ルナだって!みんなだって懸命に生きようとした!終わるかもしれねぇのに!」

怒りに呼応するように全身から炎が吹き出る。

グリン「レオ?」

それを見たグリンは何かが違うと感じ取っていた。

レオ「何が起こったのか、どういう心境でルナを生かしたのかはわかんねぇよ!けど、そこまでしてルナを生かしたってのに誰も止めなかったのはなんかあったからじゃねぇのか!?お父さんと同じ気持ちだったんじゃねぇのか?!だとしたら、俺は!はっきり言ってスゲェとしか言いようがねぇよ!それを惨めだのなんだので片付けてんじゃねぇ!!」

ガーゴイル「だったらなんだよ?どれだけ憶測述べても結果は変わんねぇだろうが!」

ガーゴイルの指がレオの方へと向き、その先端から水が勢いよく噴射した。

グリン「レオ!」(あれに触れたらマズイ!)

危機を感じ取ったグリンは助けようと水に向けて投げようと瞬時に懐から瓶を取り出そうとした。

だが、時すでに遅く、レオに水が直撃するかと思ったその時だった。

レオの全身から放たれた炎が彼を包むように纏い、なんと水を防いだ。

しかも直撃した水は炎を消すどころか逆に蒸発していくではないか

ガーゴイル「あぁ!?どうなってんだ!?」

当然、困惑するガーゴイル。

それはグリンやルナ、そしてガザールも同じだった。

身を焼き尽くしていた炎が舞うように散る。

ルナはその先にある姿を見て、目を見開いた。

なんとそこにいたのはレオであり、燃え盛る炎を鎧の如く纏い、鋭い爪を持つ手足や尾などが獅子を彷彿とさせる見た目となっていた。

そう、怒りや意志(オモイ)でレオは新たな姿に…覚醒をしたのだ。

ガーゴイル「は、ハンッ!姿が変わろうが力が上がろうが俺様の水に勝てるわけねぇだろ!」

威張っているが、その内心はレオの覇気に押し潰されそうに、圧倒されそうになっていた。

だが、ガーゴイルはレオを睨みつけた。

そう、ベルデゾロなどを泡沫の如く消した技を使おうとしていたのだ。

だが、レオには全くといっていい程に無意味であり…効果が無かった。

ガーゴイル「訳わかんねェ!なんで効かねぇんだよォッ!!」

怒りのあまり喚くガーゴイルを見てグリンは理解した。

グリン(そういう事か!ヤツがモノを消せるのは水だからだ!一説によると万物の根源は水であるとも言われている。普通じゃないならそんなありえない屁理屈が通じても当然って事か。そしてレオの炎は今、水を蒸発する程の熱さ!)

グリン「つまり、ガーゴイルにとって今のレオは天敵そのもの!」

そうして、再びレオの方へと目を遣る。

レオ「行くぞ!」

レオは腰を落とすようにして構えた。

直後、勢いよく大地を蹴り上げ、飛行するガーゴイルに接近する。

ガーゴイル「屈辱的だァァァッ!!」

四枚の翼を羽ばたかせると幾つものの水の刃を飛ばした。

瞬時に見抜いたレオは右拳を後ろに引き、そこから発現した炎が獅子の頭を形成させた。

レオ「獅子炎ッ!!」

そして拳を突き出すと、獅子の頭を模した火炎弾はガーゴイルの方へと真っ直ぐに放たれた。

レオに襲いかかる水の刃は炎に触れた瞬間、蒸発していく。

ガーゴイル「チィッ!」

思い通りにならない事に悔しく、腹立ちながらもガーゴイルは飛んでくる獅子炎を横にズレるようにして回避した。

そして、六つの掌を前にかざすと、そこから水が生成され、集まるように溜まっていく。

ガーゴイル「ありったけの力でぶっ殺してやる!!」

そして溜めた水を巨体は球体として放たれ、レオを捕らえようと呑み込んだ。

ガーゴイル「はっ、ハハッ!ざまぁねェ!いくらオメェの炎でも俺様の水には勝てねぇよ!!」

安堵したガーゴイルを他所に泡沫の中にいるレオは手足を広げる。

レオ「発火炎蒸(ハッカエンジョウ)!」

唱えようと口を開けて喋ると、そこから泡沫が浮上して現れる。

すると、身体から発現した炎に帯びている熱が水の球体を蒸発させた。

ガーゴイル「クッソ!こりゃ敵わねぇッ…!」

危険だと察したガーゴイルは飛んで逃げようと考えたが、そいつの腰に何かが巻きついた。

ガーゴイル「なっ!?アチィッ!!」

あまりの熱さに痛みを覚える。

目を遣るとその正体が炎で創られた鞭のようなものであった。

その先を辿ってみるとレオの腰から伸びてきたモノだとわかった。つまり、それは獅子の尾だったのだ。

レオ「はああああああ!!」

ガーゴイル「ギェェェッ!!」

レオはその尾を引き、ガーゴイルを引っ張ったと同時に右拳を炎で纏う。

ガーゴイル「こいつはヤベェッ!」

すると、ガーゴイルは全ての手に水を纏わせた。

ガーゴイル(何がなんでもダメなら!触れて消してやる!)

まだ悪足掻きをしようと、レオに向けて手を伸ばしていた。

この時、レオはそのまま勢いよく殴るのだとガーゴイルは思っていた。そう予測していた。

レオは炎を纏う右拳を突き出す。

レオ「スーパーファイヤーボール!!」

だが、突き出された拳から超高速で火の玉を放った。

ガーゴイル「パンチじゃねぇのかよッ!」

六つの手で火の玉を食い止める。

ガーゴイル「ゴギャハッ!」

だが、あまりの速さ故に防げず、腹部に直撃した。

尻尾が離れると、そのまま地に叩きつけられた。

ガーゴイル「クソッ!ふざけんじゃねぇ…!」

かなり滑ったからかレオとはかなりの距離があり、ガーゴイルはなんとかして逃げようと立ち上がり始める。

ガザール「苦戦してんなァ、ガーゴイル」

ふと声が聞こえたのでそこに顔を向けると、ベンチに居座るガザールがいた。

ガーゴイル「が、ガザール!頼む!今までの無礼を詫びる!だから助けてくれ!」

懇願しようとガザールに手を差し伸べる。

ガザール「悪ぃけど、無理だ」

ガーゴイル「なんだと!?」

すると、ガザールが席から立ち上がる。

ガザール「俺は楽しみを最後に取っておくタイプでな、すぐにやったら面白くねぇだろ?」

そして、向こうにいるレオに眼を据える。

ガザール「それにどんな力か確かめておきたいんだ」

そう言いながらガーゴイルの喉を掴む。

ガーゴイル「な、何を!?」

ガザール「悪いけど、死んでくれ」

そしてそのままレオに向けて勢いよくぶん投げた。

ガザール「おい!赤獅子!本気の一撃をこいつにぶつけてみろ!じゃねぇと死ぬぜ?」

そして、笑みを浮かべながらレオにそう言った。

ガーゴイル「ふ、ふざけんじゃねぇ!!」

絶望した表情で焦りをみせるガーゴイルを他所にレオは拳を構えた。

レオ「火炎撃(カエンゲキ)!!」

大声でそう言うと、拳から炎が吹き出た。

ガーゴイル「クッソ!殺らなきゃ殺られるゥッ!!」

意を決したガーゴイルは体勢を変え、全身を水と化した状態のままで突っ込もうとした。

そして互いがぶつかり合うが、結果としてレオの拳がガーゴイルの頭部に直撃した。

レオ「強弾打(キョウダンダ)!」

それを受けたガーゴイルは勢いよく吹き飛ばされながら塵となって消滅した後に激龍の欠片を落とした。

レオの強さはガザールの想像を遥かに超えていた。

ガザール「こいつは良い…!面白ェ!」

先の衝突により発生した突風を受けたガザールは高揚するような笑みを浮かべながら感動していた。

それと同時にレオの覚醒は終わったかと言わんばかりに能力を解くと、すぐさまガザールを睨んだ。

レオ「お前、なんでアイツを投げた!?仲間じゃねぇのかよ!?」

ガザール「仲間だと?あんなのが仲間だとしたら笑えるな」

レオの問いにガザールは冷酷にそう返した。

レオ「ふざけんじゃねぇ!」

それはレオの逆鱗に触れ、突っかかっていこうとした。

レオ「ぐっ…!」

だが、レオは苦痛で表情が歪み、突然としてその場で倒れた。

グリン「レオ!」

それに気付いたグリンは急いで駆けつけると、レオを抱えた。

ガザール「成程な、能力の覚醒には相当な負担がかかるみたいだな」

レオ達に背を向けるとガザールの正面に黒いゲートが現れた。

レオ「待てよ!」

ガザールは歩を進めてくぐろうと去り始めるが、レオが呼び止めた事でその足を止めた。

何かを言おうとするレオだが、消耗が激しいからか将又、自然と考え無しに出てしまったからか続きの言葉が出なかった。

ガザール「…次に会う時は一騎打ちでやろうぜ、それまで全回復しとけよ」

その言葉を残してガザールはゲートを潜り、この場を去った。

それと同時に空を覆い、陽の光を遮る暗雲が晴れた。


それからしばらくして、回復薬を飲んだ事によりレオは全快し、ルナと別れる事になった。

ルナ「今回はありがとうございました、グリンさん、レオさん」

ルナは二人に対して会釈しながら感謝の言葉を述べた。

レオ「暗黒世界のヤツらも去ったみたいだしな!」

頭の後ろで手を組みながらレオは満面な笑みを浮かべていた。

グリン「ルナさんはこれからどうするんですか?生き残った人は…いないみたいですし」

少し辛そうに、かなり申し訳なさそうになるグリンの問いにルナは口を開いた。

ルナ「もう少し、この世界を回ってみようかと思います」

グリン「その理由は?」

続けてきたその問いを聞いて、ルナは空を見上げた。

ルナ「信じてみたいんです、人の可能性を…自身の目と耳で知りたいんです、事実を…それが本当なのかどうかを」

その本心を吐露したルナ。彼女の表情には何処か希望が宿っており、意を決していたようだった。

グリン「そっか」

それを聞いたグリンは安堵故に微笑んだ。

そうしてレオとグリンは背後にあった青い亀裂であるゲートに近づき、この世界を旅立とうとしていた。

グリン「じゃあ、ルナさん。僕達は行きます」

それを見届けるルナはまた会釈した。

レオ「なぁ!ルナ!」

呼ぶ声が聞こえ、その方へと顔を向けた。

レオ「また会おーぜ!」

そこには笑顔を浮かべたレオがいた。

ルナは我に返るように驚いた後、安らかな笑みを浮かべた。

ルナ「…はい、また会いましょう」


一方その頃、ガザールは自身の住処である暗黒世界に帰還していた。

シャドー「帰ってきたか、戦闘狂」

ガザール「おう!帰って来たぜ、クレイジーサディスト」

打粉を使って、愛用する片刃剣の手入れをしていたシャドーにそう返した後、ガザールは近くにあるソファーに腰掛けた。

ガザール「いやー、しっかし強かった!俺の目に狂いは無かったな!」

広げた両腕を置くようにして寛いでいた。

シャドー「過信か?それは」

片刃剣の手入れを止めると、ガザールへと目を遣った。

ガザール「んなわけねぇだろ、事実として能力が覚醒したからよ」

シャドーの言葉を一蹴した後にガザールは嬉しそうに笑っていた。

シャドー「覚醒…」

その発言を聞いて、シャドーは何か思うところがあった。

黒影「それ、本当なの?」

すると、そこにゲームをしながら黒影が歩み寄るようにして現れた。

どうやら彼も興味を持ったようだ。

ガザール「マジだぜ、俺が嘘つく様なヤツじゃねぇのは知ってんだろ?」

反るように後ろを向きながら黒影を見た。

黒影「そうだね。確か、シャドーが戦った一人の戦士 ブラックも前のヘリアデスにて覚醒した。」

シャドー「あれもか…私からすればあれは覚醒というより悪魔に選ばれたの方が過言だろう」

黒影「覚醒については僕達からすれば問題は無いけど、間違えても敵対する戦士或いは叛逆者で誰一人として激龍に選ばれてはいけない」

すると、黒影は携帯ゲーム機を閉じた。

黒影「故に僕達は世界の破壊を繰り返し、戦士といった叛逆者達を死滅しなければならない。全ては創造主の意のままに…」

そうして面を上げる黒影の瞳が一瞬、赤くなった。

次回 第拾捌話 「土神様之世界と映しの少年兵」

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