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クロノワールド -再創-(Re:Creation)  作者: ゼロザム=ルーゴ
第弐章 ヘリアデス篇
10/23

第拾話 「太陽の子達」

この物語はフィクションです。

実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。


※今回割と長い方です。

クロノス社の体育館にてウィングドホースによる訓練を受けていた戦士達、その成果が現れていた。

雷郷「レオ!グリン!その肉体も!前よりももっと逞しくなったな!」

雷郷は腕を組みながら、大声で二人にそう言った。

彼の前にはレオとグリンがおり、身体から蒸気を放ちながら汗をかいていた。

レオ「おう!結構ぶん回されたけどな!」

一見するとよくわからないが、その肉体は確かに出来上がっていた。

ロイド「もう十分でしょう。後は二人次第です。」

汗をかき、呼吸を整える牙禅に肩で息をするライト。

他の戦士達も肉体的にも精神的にも成長していた。

アルドラス「よし!以上でウィングドホースによる訓練を終了する!」

アルドラスは戦士達にそう伝えた。

過酷な訓練の影響か、ほとんどの戦士達はその場で呼吸を整え、回復を行っていた。

だが、その中でメビウスは体育館から出て行こうと歩き出した。

剣「何処へ行くんだ?メビウス」

剣はその身体を起こしながら、メビウスに訊ねた。

メビウス「なんも、ただの散歩だよ」

そう答えるとメビウスは体育館を去った。

無表情であるも剣はメビウスの真意を読み取っていた。


そうしてメビウスはH市街地区の路地裏にいた。

人気の無いところで、外から聞こえる話し声や轣轆が鳴り響いていた。

ふとメビウスは視線を下に向けた。

そこにいたのは顔面が陥没し、事切れたクヴェレであり、彼女を中心にして血溜まりが広がっていた。

メビウス「クヴェレさん…ごめんなさい」

悲しそうな表情を浮かべたメビウスは膝をつき、クヴェレに追悼と謝罪をした。

ドレイク「遅かったな」

メビウスの前からドレイクが歩いて近づいて来た。

メビウスはクヴェレからドレイクへと目を遣り、悲しみから怒りへと変わった。

メビウス「アンタがやったのか?」

メビウスはドレイクにそう問いかけた。

ドレイク「だとしたらどうする?」

ドレイクは無情にもそう返答した。

メビウス「わかってんだろ」

メビウスの低い声と共に両手両足は青くなり、炎の如くオーラが燃え上がっていた。

メビウス「ぶっ殺すッ…!!」

メビウスは尋常ではない程の怒りと共に音速でドレイクに接近した。


同時刻、クロノス社にてアラート音が鳴り響いていた。

それを聞いた戦士達とウィングドホースの面々は警戒していた。

すると、体育館にモニターが現れ、その画面に映像が流れた。

それはクロノスの街を指す地図であり、赤いマークが五箇所現れた。

アルドラスはそのモニターを観て、すぐに戦士達へと身体を向けた。

アルドラス「戦士達に告げる!各自二組に分かれ、現場に急行せよ!」

アルドラスは戦士達にそう指示した。

メビウス以外の戦士「了解!」

戦士達は体育館を去り、指示通りに行動を開始した。

アルドラス「剣、少しいいか?」

突然、アルドラスが剣に声をかける。

剣「ん?なんでしょうか?」

それを聞いた剣は進もうと足を止め、アルドラスの方へと身体を向けた。


場面は戻り、H市街地区。

メビウス「ぐあっ!」

メビウスは路地裏から出るように吹き飛ばされるも、なんとか着地した。

ドレイク「今の戦士は随分と落ちたな」

路地裏出てきて、姿を現したドレイクはメビウスを見て、呆れていた。

メビウス「ナメんじゃねェよ、うっせぇなァ」

ドレイクを睨みながら立ち上がるメビウスは手首をスナップして、そう返した。

ドレイク「お前に問う。何故、戦士として闘う?」

すると、ドレイクが訊ねた。

メビウス「あ?どー言うこと?」

メビウスは質問で返す。

ドレイク「お前は、この世界に護るべき理由や価値があるのか?」

ドレイクは意味ありげな発言をしていた。

メビウス「…なぁ、もしかしてだけど、正義組織関係の人だったりする?」

メビウスは拳を構えながらそう訊いた。

ドレイク「これ以上は無駄だと判断した。」

そう判断すると、ドレイクはメビウスに歩み寄った。

メビウス「あっそ、わかった。とりあえず殴って事情聴取させてもらうぜ!」

メビウスは音速でドレイクに接近した。


その頃、各市街地区にてヘリアデスの幹部を中心にして、大勢の人型ロボット ゴーレムが殺戮と破壊活動を行われていた。


O市街地区

ゴーレムA「排除」

市民A「うあああ!!」

ゴーレムが一人の市民に襲いかかる。

だが、そのゴーレムに斬撃が襲う。

それを受けたゴーレムは爆発を起こした。

CSF隊員A「大丈夫ですか!」

市民A「は、はい!」

CSF隊員B「市民を避難しつつ、ゴーレムを討滅せよ!」

この場にいるCSF隊員「了解!」

斬撃の正体は一人のCSF隊員の太刀であった。

彼含めた多くのCSF隊員は機関銃や太刀を駆使しつつ

、ゴーレムを倒していた。

メティス「虐殺すれば金をくれるか…」

その中でビルの上にいたメティスは液体が入った瓶をそこに放り投げた。

CSF隊員A「な、なんだ!」

地面に落下した瓶が割れ、液体が広がると同時、爆発した。

「ぎゃあああああ!!」

「ぐああああ!!!」

「助けて…!!」

爆発は逃げ惑う一般市民とCSF隊員を巻き込み、殺害した。

メティス「ま、良いんじゃない?本当なら資源とかそういうのも欲しかったけどさ」

メティスは無惨に殺されていく人々と大破した建物を見下ろしながら、そう呟いた。

レオ「おい!やめろ!!」

レオとグリンがメティスの元に駆けつけ、制止の言葉をかけた。

グリンはベルデゾロを構えていた。

メティス「来るよね、そりゃあそうだ」

メティスはため息を吐いた。

グリン「大人しく投降して」

グリンはメティスにそう指示した。

メティス「ねぇ…」

すると、メティスは懐から何か薬品を取り出した。

それは無色透明の液体が入った瓶であった。

メティス「君達は何が好きなの?」

メティスはその瓶をレオ達に向けて投げた。

グリン「避けて!!」

レオ「おう!」

グリンの指示にレオは応じ、二手に分けれてそれを回避した。

瓶は地面にぶつかると同時に割れ、その液体が零れた。

グリン(危なかった…!)

グリンはベルデゾロの照準をメティスに定める。

レオ「オラァ!」

それに対してレオはメティスに接近し、炎纏う拳を振るっていた。

メティス「フゥー、熱いね」

メティスは微笑みながらそれを回避した。

メティス「で、君は何が好きなの?」

メティスは後退するように攻撃を躱しながら懐から錠剤を取り出した。

レオ「うるせぇ!お前に答える気は無い!」

レオは燃え盛るその拳を突き出す。

だが、メティスはそれをいとも容易く回避した。

メティス「あらそう」

すると、メティスはその錠剤を口に含んだ。

そして次の瞬間、メティスの目が大きく変化した。

それは鰐の如く鋭く黄色いものであった。

レオ「なんだぁ!?」

レオはそれに気が付き、驚愕した。

だが、心のどこかで嫌な予感がしていた。

メティス「オラよォッ!!」

その直後、メティスはレオに頭突きを繰り出した。

レオ「ぐっ!痛ってェ…!」

それはレオの前頭部に直撃し、血を流しながら後退する。

グリン(何か異様だ…恐らく何かしらの薬物。いや、たかがそれでか?)

グリンはメティスの飲んだ錠剤について、考えを張り巡らせていた。

メティス「アハハハハハハ!殺すよォ!!」

メティスは勢いよく地面を蹴り上げ、吹き飛ぶようにしてレオに接近した。

メティスは両手でレオの肩を掴み、握力を加えた。

レオ「っ!何処に、んな力が!?」

レオは驚愕しつつも、振りほどこうと抵抗するが、今のメティスの方が圧倒的に強いからか無意味であった。

メティス「無駄無駄!もっと絞めてあげるよ!」

メティスの握力が増していく。

レオ「ぐあああああっ!!」

その痛みに耐えきれずにレオは叫んだ。

このままではレオの肩が粉砕されてしまう。

グリン「やめろ!」

ベルデゾロを三発連射するグリン。

だが、メティスはその弾丸を俊敏に回避した。

メティス「遅い!遅い!遅いよォォォ!!!」

その中でメティスは懐から瓶を四本も取り出し、グリンに向けて投げた。

グリン「くっ!」

グリンは三発撃ち、見事に命中した。

だが、数が足りず、そのうちの一本は破壊できなかった。

グリンはすぐさま横に回避した。

その中でグリンはリロードし、ベルデゾロをメティスに向ける。

グリン「超人的な身体能力に目の変化…何の薬だ?」

グリンはメティスに訊ねた。

メティス「あぁ?あぁ…こいつは強化する麻薬だよ」

メティスは両腕をぶら下げ、猫背のままそう答えた。

グリン「麻薬か…まぁ、自作でしょ?そんな症状見た事も聞いた事無いし」

グリンは照準を定める。

メティス「そうだよォ!」

メティスは大地を蹴り上げ、飛んで接近する。

グリン「くっ…!」

グリンは弾丸を二発撃った。

その内の一発は回避するも、もう一発は頬を掠めた。

すると、メティスの背後から火の玉が迫り来ていた。

グリン(ん?)

メティス「あぁ?」

それを視認した直後、メティスは火炎弾に直撃した。

グリン(もしかして…)

グリンはある事に気が付き、ある可能性を得た。

メティス「痛ってぇなァ…」

メティスはゆっくりと後ろを振り向く。

メティス「この赤獅子が!!」

そして、火炎弾を撃ったレオの顔を睨みながら叫んだ。

レオ「グリンは殺らせねェ!」

レオは戦闘態勢に入った。

そうしてメティスは標的を変え、レオの方へと走り出した。

メティスが繰り出したのは手刀による突きであり、それは雨のように襲いかかる。

レオはクロスした両腕で身を守っていた。

メティス「オラオラ!遅ぇぞォ!!」

十分にダメージを与えたところでトドメの一撃を食らわせようとした。

レオ「うおおおおおっ!」

レオは守りの体制のまま叫んでいた。

だが、その突きは既の所で止まった。

レオはメティスを見て、気付いた。

メティス「あ…が……!!ぐぁっ…!」

それは苦しくて物欲しそうな表情を浮かべたメティスであり、彼女は片手で頭を抱えていた。

グリン「やはりか…」

グリンは自身の考察が当たり、そう呟いた。

レオ「よくわかんねぇけど、今だ!」

そう判断したレオはメティスの顔面をぶん殴った。

それによりメティスは後ろへと吹っ飛んでいった。

だが、まだメティスはくたばってはいない。

メティス「くそっ!」

メティスは懐から錠剤を何個も取り出した。

メティス「んで効果が切れんだよ!!」

そうして、メティスは複数の錠剤を取り込んだ。

レオ「どういう事だ?」

グリン「そのまんまだよ」

疑問に思うレオにグリンは答えた。

グリン「どんな薬も効果が切れる。それは麻薬も例外じゃないけど、普通の薬とは違う。副作用による怒りや苦しみをなんとかしようとまた乱用する。それに…」

グリンはメティスの方へと目を遣る。

それに釣られ、レオは顔を向けた。

メティス「あ…うぁ……あぁぁ……」

彼女の肉体はみるみるうちに大きくなっていき、筋肉が引き締まっていく。

グリン「あれだけ過剰摂取したらもう助からない」

そうしてグリンはベルデゾロの照準をメティスに合わせた。

レオ「上手くわかんねぇけど、危ねぇのはわかった!」

レオは両手足に炎を纏い、構えた。

メティス「殺…す……必ず…殺し…てやる……!!」

異常なまでの大きさと筋肉量の身体を持ったメティスはレオとグリンを見下ろしていた。

グリン「来るよ!」

レオ「わかった!」

そして次の刹那、メティスがレオ達に向かって突進してきた。

レオは後ろに飛んで回避し、グリンは横に回避した。

メティス「ぐぎゃあああああ!!!」

メティスは白目をひんむき、ヨダレを垂らしながらレオに接近していた。

レオ「来るか!!」

だが、レオはそのままメティスに蹴りを入れた。

メティス「ぎぃやァァァ!!」

見事に直撃するが、メティスは嘲笑していた。

どうやら効いていないようだ。

そして、メティスはレオの足を片手で掴んだ。

レオ「やべぇっ!これは!!」

瞬時にレオはデジャブを感じた。

そして次の瞬間、メティスはレオを振り回した。

レオ「うわああああああ!!」

レオはなされるがままに振り回されている。

レオ「けどな!」

これしきの事でレオは諦めなかった。

突然、クロスさせた両腕を胸の前に置いた。

レオ「はああああああああああ!!!」

すると、レオの身体から炎が発現し、彼の全身を纏った。

メティス「ぐおあ!?」

メティスは目の前の出来事に驚愕した。

レオ「連火(レンカ)!!」

次の瞬間、レオの炎がメティスの腕を通して、全身に燃え移った。

メティス「ぎぃやァァァ!!」

熱さのあまり断末魔をあげるメティスはレオの足を手を手放した。

レオ「よっしゃ!」

レオはすぐさま着地し、バク転しながらメティスとの距離をとった。

メティス「クソガキィィィ!!」

メティスは炎に包まれながらレオに突っ込んでいく。

レオ「まだだ!」

レオは両手を前に突き出す。

その掌から火の玉が生成される。

レオ「ファイアボール!!」

レオは生成した火の玉をメティスに放った。

メティスに直撃するも、効果は無かった。

レオ「一発でダメならもっと撃ってやるぜ!」

レオは再度火の玉を生成する。

レオ「ファイアボールガトリング!」

レオは連続で火の玉を撃ち続けた。

メティス「効かねぇよ!バーカ!!」

メティスはレオにそう吐き捨てた。

グリン「それはどうかな?」

すると、メティスの背後から弾丸が迫り、その身体を貫いた。

メティス「ゴフッ…なんだァ?」

メティスは足を止め、グリンの方へと振り向いた。

グリン「すぐにわかるよ」

グリンはメティスに対してそう伝えた。

メティス「なんだと…」

メティスがそう言った次の瞬間、彼女の全身に心臓の鼓動が鳴り響いた。

メティス「あ、あぁ!なんだこれは!」

メティスの肉体から霧のようなものが噴射し始めた。

グリン「そろそろ薬の効果が切れるみたいだからね。だから、早めさせてもらったよ」

グリンが放った弾丸には特殊な薬品が仕込まれており、その効果を彼自身が種を明かした。

メティス「なんで、わかった…?」

メティスはグリンにそう訊いた。

グリン「話し方だよ。その錠剤を使用する際、超人的な肉体とその能力を得る代償に知能が低下する。時間が経てば薬の効果が切れるから、知能と身体能力も元に戻る。あまりにもわかり易すぎたんだよ」

その問いにグリンは答え、解説した。

グリン「さて、後は頼んだよ!レオ!」

グリンはレオに対してそう言った。

その言葉でメティスは正面へと向き直した。

そこには炎を纏った巨大な拳を持ったレオがおり、構えていた。

メティス「マズイ!」

メティスは何とかしようと、身体を動かそうとした。

だが、時既に遅く、その炎の拳はメティスの腹部へと直撃した。

メティス「グハッ…!!」

レオ「うおおおおおおおお!!!」

レオはもう片方の拳にも巨大な炎を纏わせ、もう一撃与えた。

レオ「くらええええええ!!」

両腕を後ろに引き、連続で拳を振るった。

レオ「豪火烈赫拳(ゴウカレッキャクケン)!!」

拳の弾丸を数秒間打ち続けた直後、自身が考えた技名を叫びながらトドメの一撃である炎の拳をメティスにぶつけた。

それを受けたメティスは吹き飛び、その身体をビルの壁に激しく打ち付けた。

メティス「が…!」

吐血した直後、粉塵がメティスを包んだ。

そうして晴れると、メティスは元に戻っており、意識を失っていた。

グリン「なんとかなったみたいだね」

グリンは遠くからメティスを見ながら、そう呟いた。

レオ「グリンのおかげだ!ありがとーな!」

レオは屈託のない笑みを浮かべながら、グリンに対してサムズアップを向けた。

グリン「何も、僕のおかげじゃないよ」

グリンがレオに微笑み返したその時、二人の背後からゴーレムが接近していた。

レオ「グリン!」

レオはグリンに声を呼びかけた。

それに反応したグリンは振り向き、気が付いた。

もう回避しても間に合わないと思ったその時、ゴーレムの横から巨大な光線が現れた。

それに巻き込まれたゴーレムは跡形もなく消え去った。

グリン「今のは…?」

驚愕のあまりその場で立ち尽くしていたグリン。

「良くやったな!レオ!グリン!」

すると、雷郷の声が聞こえた。

声がする方へと向くレオとグリン。

そこにいたのは予想通り、二人を鍛え上げた雷郷であった。

レオ「あ!ヒーロー!」

レオは彼を見て、反応した。

雷郷「ここらのゴーレムは私に任せて、君達は親玉のところへ行け!」

雷郷は兼ね備えていた巨大な十字架 ビッククロスを構えながら、二人にそう指示した。

レオ「わかった!けど、大丈夫なのか?あんな多くて」

レオは雷郷にそう訊ねた。

それに対して雷郷は高笑いをした。

雷郷「ハッハッハ!!心配は無い!超正義執行人(スーパーヒーロー)は決して悪になど負けん!!」

そう意気込む雷郷。

レオ「おぉ!わかった!気を付けろよ!」

彼の言葉を信じたレオはグリンと共にこの場を去った。

雷郷「心より感謝するぞ!少年!」

雷郷は前へと向き直した。

そこには数十体はいるだろうゴーレムが蔓延っていた。

雷郷「さて!悪党共よ!」

雷郷は持っていたビッククロスを地面に置く。

すると、それは展開し、中から刃の無い特殊な柄が現れた。

雷郷「貴様らを倒すのは、この私!」

雷郷は柄を手にし、振り回す。

すると、柄から黄色く光る刃が展開され、光を放つ直剣 クロスソードをゴーレムに向けて構えた。

雷郷「超正義執行人(スーパーヒーロー)だ!!」

そして、声高らかにそう宣言した。

それに反応したゴーレムは雷郷の方へと振り向き、戦闘態勢に入る。

雷郷「はああああああ!!」

雷郷はゴーレムに接近し、ゴーレムの軍勢を一斉に両断した。

雷郷「超正義執行人(スーパーヒーロー)に!敵無し!」

雷郷はポーズを取り、決まったと言わんばかりの様子を見せた。


場面は変わり、J市街地区

ゴーレムの軍勢をCSFの隊員達と共に牙禅、ライト、ロイドの三人が討滅していた。

牙禅「かなりの数だな…」

波動で生成した槍で牙禅はゴーレムの胴体を破壊していた。

この場にいるCSF隊員の人達も二人しか残っていなかった。

ゴーレム「排除…」

だが、それでもゴーレムは動き出し、両腕に備えられた機関銃を撃ち始めた。

それに気付いた牙禅は波動の槍を振り回し、弾丸を打ち消していた。

ライト「しかも、しぶといですね!」

ライトは光の直剣でゴーレムを両断した。

ゴーレム「排除…」

だが、それでもゴーレムは使命を全うすると言わんばかりに身体を動かしていた。

ロイド「調べてわかりました。」

ロイドはライトを殺そうとするゴーレムに接近し、蹴りでヤツの頭を破壊した。

ゴーレム「排…除……」

すると、ゴーレムは機能を停止した。

ロイド「こいつらは頭を破壊すれば倒せます。」

すると、ロイドは殺しにかかってきたゴーレムに対して飛んだ直後、ヤツの頭部に蹴りを入れた。

すると、その頭部は吹き飛び、事切れたかのように機能を停止した。

牙禅「感謝する」

ライト「わかりました!」

背中合わせの二人はその事を理解すると、離れていくようにゴーレムに突っ込んでいった。

牙禅は波動の槍を解き、その波動を片手に収束させた。

牙禅「波動弾!」

収束した波動を大勢のゴーレムに向けて連続で放った。

波動弾はゴーレムの頭部に直撃し、機能を停止させた。

ライト「当たって!」

光で生成した拳銃でライトはゴーレムの頭部を狙い撃っていた。

頭が大破したゴーレムはそのまま機能を停止した。

CSF隊員C「す、すげぇ!あれが戦士とウィングドホースの実力!」

CSF隊員D「俺達もやるぞ!」

二人のCSF隊員も機関銃や太刀を使って応戦した。

そうして、その場にいるゴーレムは全滅した。

ライト「どうやらやったみたいですね」

ライトはゴーレムの残骸を見渡しながら思った事を口にした。

ロイド「しかし、これだけの数…一体どこから?」

ロイドはその中の残骸を手に取り、それを凝視する。

牙禅「まだだ…」

ライト「え?」

牙禅の言葉にライトは彼の方へと顔を向けた。

その次の瞬間、何処からか現れた帯がライトに接近し、襲いかかってきた。

牙禅は瞬時に移動し、その帯を掴んだ。

牙禅「こいつは…」

牙禅は帯の方へと目を遣る。

へズ「流石は戦士…その様子だとかなり鍛え上げられたようだな」

すると、帯の向こうから声が聞こえた。

目線を向けると、そこにはヘリアデスの幹部 へズ・チェンリーがこちらへと歩み寄ってきていた。

片腕には帯が巻かれており、先程の襲撃が彼によるものだとわかった。

へズの両サイドには二人のCSF隊員が帯に心臓を貫かれ、倒れていた。

ロイド「へズ・チェンリー、ヘリアデスの幹部ですか」

ロイドはへズを認識した。

牙禅とライトは戦闘態勢に入った。

へズ「如何にも、某は貴公らを抹殺するという命を受け、参上した。」

へズは帯巻いた腕を引いた。

すると、先程伸ばした帯も引かれ、牙禅の手を切った。

牙禅「ッ…!」

牙禅は痛みにより歯を食いしばった。

牙禅(怪我以前に下手すれば死ぬかもしれないあの訓練を成し遂げたライトでも気付かなかった。それどころか心眼が無ければ読めなかった。)

牙禅は掌にある傷からへズへと目を遣った。

牙禅(相当の手馴れだ)

牙禅はそう確信した。

ライト「何が目的なんですか?どうして人殺しなんか?!」

ライトはへズに訊ねた。

へズ「至極単純、某の任務遂行の為である。貴公らとて同じだろう?」

へズは下卑た笑みを浮かべながら淡々と述べた。

牙禅「どういう事だ?」

牙禅は更に訊ねた。

へズはそのまま話を続けた。

へズ「目的や理念は異なれど、手段や結果は正義組織も犯罪組織も同じ穴の狢。その手で人を殺め、目的達成の為に人生を奪う。故に某は貴公らと同じだ。」

ライト「貴方は…!」

へズの言葉にライトは怒りが芽生えた。

だが、それを牙禅が抑えてくれた。

牙禅「へズ、確かに我らのやっている事は何ら変わりないだろう。その通りだ」

牙禅は落ち着いた様子でへズに対してそう返した。

へズ「そうであろう?ならば今すぐにでも尻尾を巻いて逃げるか某らと共に殺しを…」

牙禅「だがな…」

へズが提案したその時、牙禅がその言葉を遮った。

牙禅「貴様らとは違う。我らは我欲にまみれた悪鬼では無く、悪を断ち、自由と平和を齎す鬼だ。」

牙禅は真剣な眼差しをへズに向けた。

へズ「やはり、分かり合えぬか…故に人は争いを抑えられぬのだ!」

へズは両腕を前に突き出すと、巻いていた帯が伸び、牙禅に向かってきた。

牙禅は動く事無く、へズの帯に捕らえられた。

へズ「馬鹿め!某の帯は頑丈!このまま締め上げれば内蔵が圧迫し、破裂する!」

へズは締め上げようと両腕を引っ張った。

ライト「牙禅さん!」

彼の名を呼ぶライト。

しかし、そこに牙禅の姿は無かった。

へズ「なんだとォッ!!」

へズはその事に驚愕し、辺りを見渡した。

牙禅「一手、遅れたようだな」

なんと牙禅はへズの懐におり、片手に波動を纏わせていた。

へズ「なんという速さ…!」

意表を突かれたへズは為す術も無かった。

牙禅「はぁッ!」

そうして、牙禅はへズに対して発勁を喰らわせた。

へズ「ごはああああああッ!!」

へズはその衝撃を受け、気を失い、遠くへと吹き飛ばされた。

そうして地面に打ち付けられ、その場で横たわった。

牙禅「罪を犯した者よ、しかと改めよ」

牙禅はへズを見下ろしながらそう呟いた。


場面は変わり、T市街地区

そこにはシラーがおり、その足元には多くの死体が転がっていた。

背後に浮遊する死神 デスサイズが多くの一般市民やCSFの隊員達を殺したのだと一目瞭然であった。

シラー「惨めだね。あんなヤツらに護られるなんてさ」

シラーはぶら下げていたその手を握りしめた。

まるで彼の怒りを表現するかのように

アクア「そこまでだ!」

そこにアクアとフレアが駆けつけた。

シラー「戦士の兄ちゃん達か…前会った時とは違う人だ」

振り向くシラーは無表情でそう呟いた。

フレアは辺りにある死体を見渡した。

フレア「これ、全部テメェがやったのか?」

そして、シラーに問いかける。

シラー「そうに決まってるじゃん」

それ対してシラーは淡々と答えた。

シラー「くだらない、なんでそんな事訊くのさ?僕は君達からして悪い人なんだよ?」

シラーは問いを投げた事について訊いた。

フレア「俺様達からしてだぁ?それじゃあまるで本当は自分は悪者じゃねぇって言ってるもんじゃねぇかよ」

フレアは全身から高熱を発した。

シラー「そうでしょ。そもそも正義組織って言うけど、何を根拠に正義って語るのさ」

シラーは背後にいるデスサイズを操作し、その化身が持つ大鎌を構えた。

アクア「人々を護り、犯罪者といった悪人を倒す!父さんも母さんもやってきた事だ!それが俺達の…」

シラー「正義とでも言いたいの?」

アクアは自身達なりの正義を語るが、シラーが怒り混じりの声でそれを遮った。

アクアはその言葉を聞いてどういう事だと疑問に思い、言葉を止める。

だが、それはすぐに本人の口から明かされた。

シラー「お父さんとお母さんを殺した癖にか?!」

シラーは怒り心頭だった。

それを聞いたフレアとアクアは驚愕する。

シラー「物心つく前から僕の両親はいなかった!それは正義組織のせいだと僕の首領が教えてくれた!だから、僕は正義組織を憎む!」

シラーの殺意を表すかのようにデスサイズが纏うオーラが炎のように激しく燃え上がった。

そしてそれはシラーをも包み込んだ。

シラー「だから、僕がこの街にいる全員をぶっ殺す!!」

シラーは激しい殺意と共にフレア達に宣言した。

アクア「来るぞ!」

フレア「わかってるての!」

アクアが水の刃を生成し、それを構える。

同じくフレアも戦闘態勢に入った。

すると、デスサイズと共にシラーがアクアとフレアに接近し、大鎌を振るった。

アクアはしゃがんで、フレアは跳んでそれを回避した。

フレア「どーゆー事だ!?罪を犯したとかヘリオス社側とか、そういう事だったんじゃねぇーのか!?」

フレアはデスサイズの頭部に蹴りを入れた。

シラー「僕のお父さんはお父さんだし!お母さんはお母さんだ!犯罪者でも人殺しでも無い!」

シラーの怒りに反応するようにデスサイズの赤く光る眼がフレアを睨んだ。

すると、デスサイズはフレアに接近し、大鎌を振り上げた。

フレア「危ねぇッ!」

それをフレアは瞬時に回避した。

その隙を逃さなかったアクアは水の刃をデスサイズに向けて突き出す。

その刃はしかとデスサイズを捉え、貫いた。

シラー「無駄だよ」

だが、デスサイズを操るシラーはそう言った。

すると、デスサイズは回転し、その大鎌をアクアに振るった。

アクア「あぁ!そうか!」

それを察知したアクアは瞬時にもう片方の手から勢いよく水を噴射し、距離を取った。

フレア「くっそ!あの死神が厄介だな!」

その隣にはフレアがおり、低い姿勢で身構えていた。

アクア「化身が駄目ならば、能力者に攻撃すれば良いのだろうが…」

アクアは視線をデスサイズからシラーへと変えた。

アクア「クソッ…何故アイツは殺しを!」

多くの人を殺したと言えど、シラーはまだ幼い子供。

それによりアクアの中に迷いがあった。

「排除…!」

すると、そんなアクアの背後にゴーレムが接近してきた。

そんなゴーレムをフレアは蹴り飛ばした。

アクア「フレア!」

気付いたアクアはフレアの名を言った。

フレアはアクアに近付き、胸ぐらを掴んだ。

フレア「もう悩む必要はねぇ、殺るんだ!」

そして、そう喝を飛ばした。

アクア「フレア…だが、あいつは…!」

フレア「子供だからか!?子供なら何しても良いのか!?違ぇだろ!」

アクアはフレアに言い分を述べるが、フレアが強く言った。

それを聞いたアクアは沈黙し、暗くなる。

だが、アクアは自分の意志を突き通そうとした。

アクア「確かに子供なら許して良い訳じゃない。けどな、アイツはなんか誤解している気がするんだ」

アクアは胸ぐら掴むフレアの手を掴み、立ち上がった。

アクア「兄貴から言わせてもらう。まだ判断するには早い!」

アクアは逆にフレアの事を叱責した。

呆然とするフレアは胸ぐら掴む手を離した。

そして、アクアは振り返り、シラーへと顔を向けた。

シラー「何?」

怒りと殺意混じりに喋るシラー。

アクア「シラー、本当にお前の両親は戦士達に殺されたのか?」

アクアはシラーに訊ねた。

シラー「そうだって言ってるじゃん」

そう返すシラー。

アクア「それはお前が見た故の発言なのか?」

アクアはシラーに歩み寄る。

シラー「なんでわかんないのさ!もういい加減にそうだって納得しろよ!」

シラーはデスサイズを操作し、アクアに対して大鎌を振るった。

アクア「断る!」

だが、アクアは刈り取られる前に走り出し、見事にそれを回避した。

そして、シラーの近くに来た。

アクア「俺達の両親は戦士だった。確かに、お母さんは俺達を襲ったし、お父さんはそんなお母さんを殴った。」

アクアはしゃがんで、シラーと対等に話し合おうとした。

そして、アクアの真剣な眼はシラーを見ていた。

アクア「けどな、俺の両親は無闇に人の命を奪わない。それは他の戦士の人にも言える。」

アクアは説得しようとシラーに語りかける。

シラー「君の価値観ではだろ!!」

シラーの言葉にデスサイズは反応し、アクアに大鎌を振るう。

当然、アクアはそれを回避した。

だが、デスサイズの目的はアクアの殺害ではなく、シラーを連れて逃亡する為であった。

フレア「逃げる気か!」

浮遊するデスサイズを見るフレア。

アクア「追うぞ!」

アクアは手足から水を噴射させて、飛んでシラーの後を追った。

フレア「はァ!?兄貴だから出来る芸当だろォ!?それはよ!!」

フレアは走って二人を追いかけた。


デスサイズにしがみつくシラー。

彼の顔は灰色のローブにうずくまっていた。

シラー「…なんなんだよ、アイツは」

シラーはアクアについてそう呟いた。

シラー「首領が言ってたんだ。僕の両親は…」

シラーはローブを握りしめた。

アクア「待つんだ!」

アクアの声が聞こえ、シラーは振り返る。

そこには両手足から水を噴射させ飛行しながら追跡するアクアがいた。

シラー「しつこいんだよ!」

シラーがそう言うと、デスサイズの速度は増し、降下していく。

アクアはシラーの行先を目で追いかけ、先読みした。

そこにはかなりの高さはある橋の上で停車している電車であった。

アクア(あそこに行くつもりか…!)

アクアはそう推察した。

そしてそれは見事に的中する事になり、デスサイズはその電車の方へと突っ込んでいった。

そして、ヤツが持つ大鎌を振るい、電車の壁を破壊し、乗り込んだ。

シラー「いない…」

シラーは殺せる或いは盾にする人はいないかと周囲を見渡した。

アクア「既に避難は終えている、ミスリードだ」

アクアは水の刃をシラーに向ける。

シラー「あぁ、そう」

シラーはデスサイズを使役し、大鎌を構えた。


一方その頃、人気の無い道中をフレアは走っていた。

「排除…!」

フレア「うるせぇ!」

その中でフレアは阻み、殺しかかるゴーレムに蹴りを入れた。

そうして、ゴーレムは吹き飛ばされ、壁に打ち付けられた。

フレア「くっそ!何処に行くんだよ!」

シラーとアクアに腹立ちながら走るフレアがまた一歩踏み出したその時だった。

全方位から大量の爆弾が現れ、足元に置かれた。

フレア「はぁッ!?」

フレアが全力で走り出したその直後、爆発した。

その爆風に巻き込まれたフレアは吹き飛ばされ、伏せるようにして倒れた。

フレア「んッだよ…これ」

何が起きたのかわからないフレアは負傷していた身体を起き上がらせた。

すると、フレアの周囲にある建物からゴーレムが現れた。

そう、両腕に砲台と太く長大な尻尾が特徴のゴーレム アハヴァがフレアに攻撃を仕掛け、爆破を起こしたのだ。

フレア「成程な、クソッ…邪魔すんじゃねぇよ」

状況を理解したフレアは痛みを感じながらも全身から高熱を発した。

だが、アハヴァ達は容赦なく、再度フレアに爆弾を放った。

フレア「はああああああああああ!!」

叫びと同時にフレアの高熱は周囲に放たれた。

それにより爆弾はその熱に耐えきれず爆発した。

すると、爆煙の中から両腕にある巨大な刃が特徴のゴーレム ケフが現れた。

フレア「こいつッ!!」

想定外の出来事にフレアは瞬時に対応できなかった。

ケフの刃が振るわれ、両断されるかに思えた。

だが、そこに誰かが現れ、斧で巨大な刃を防いだ。

結衣「大丈夫?フレアくん」

その人物は結衣であり、彼女は顔をフレアの方へと向けた。

フレア「テメェは!ウィングドホースの!!」

フレアは結衣の存在に気付き、驚愕した。

結衣「大丈夫?凄いボロボロだけど」

結衣は心配に思い、フレアに寄り添う。

フレア「気にすんじゃねぇよ」

フレアは結衣を他所に一人で立ち上がった。

結衣「偉いね!」

結衣は笑みを浮かべながら頭を撫でようとした。

フレア「そうかよ」

フレアはそれを跳ね除け、先へと進んだ。

結衣はそんなフレアを見送っていた。

結衣「むぅ…嫌な感じ」

頬を膨らませながら怒る結衣。

そんな結衣に攻撃を防がれたゴーレムが押してきた。

結衣「おっと?」

結衣はそのゴーレムへと目を遣る。

すると、結衣の隣に先端の尖った岩が生成され、ゴーレムの頭部を貫いた。

結衣「さーて、ここはお姉ちゃんとして頑張りますか!」

結衣は等身大はある斧を振り回した直後、戦闘態勢に入った。

周囲にいたアハヴァが先に攻撃を仕掛けてきた。

結衣に向けて爆弾を放った。

結衣「風の陣(カゼノジン)!」

そう唱えると、刃に風が纏った。

結衣はその刃を後ろに向けるように斧を構える。

結衣「風の陣(カゼノジン)!」

そして、斧を一周させるように振り回す。

放たれた爆弾は結衣を中心にして、風に流れるよう公転し、そのまま上昇していく数秒後、爆発した。

結衣は続けて攻撃を仕掛けた。

結衣は斧を地面に突き刺すと、アハヴァの足元から炎が噴き出た。

アハヴァ「異常な程の高熱を感知…」

大勢のアハヴァは炎から逃れようと後退した。

結衣「水の陣(ミズノジン)!」

結衣は水を纏った斧を旋回させる。

少しして、その手を止める。

結衣「水平閃(スイヘイセン)!」

そして、水を纏った斧をそのまま横一文字に斬り裂いた。

その刃はアハヴァ全てを切断し、その機能を停止させた。

結衣「これで終わりかな?」

結衣は辺りを見渡しながら確認する。

だが、その予想は外れる。

巨腕のゴーレム カアス、背中のビームガンや両足のミサイル、両腕の機関銃といった武装を兼ね備えたゴーレム エツェヴが現れた。

その他に先程倒したアハヴァやケフもいた。

結衣「ちょっとー、多いよ?いくらお姉ちゃんだからって限界はあるんだよ?」

結衣は不貞腐れた顔を浮かべた。

ゴーレムは一歩、また一歩と結衣に迫り来る。

「姉ちゃんから離れろ」

その声が聞こえた直後、何処からか一つのボールが高速で飛んできた。

ボールは一体のゴーレムに直撃すると、また別のゴーレムへと飛んでくる。

ボールは跳ね返り、結衣の周りにいるゴーレムの頭部に直撃する。

そうして、ゴーレムは一掃されていった。

結衣「このボールはラージ君のだよね?」

結衣は最初に飛んできた方角へと顔を向けた。

ラージ「そうだよー」

そこにはラージがいた。

結衣「ありがとうね!お陰で助かった」

結衣はゴーレムの群れを跳び越えてラージに近づくと、すぐに彼の頭を撫でた。

ラージ「うん」

ラージは微笑みながらそう返した。

結衣「けど、終わってないみたいだね」

結衣はラージよりも向こう側へと目を遣った。

そこにはゴーレムの軍勢がおり、こちらに迫って来ていた。

結衣「まだ頑張れる?」

結衣は腰を下ろして、ラージに耳打ちする。

ラージ「うん、行けるよ」

ラージは片手でボールを生成した。

結衣「ありがとう!お姉ちゃん、助かるよ!」

結衣は起き上がり、斧を構えた。


その頃、アクアは電車内でデスサイズと交戦していた。

アクア「こいつは考えたな」

アクアは電車の中を駆けたり、伏せたりしてデスサイズの攻撃を回避していた。

アクア(化身の能力は人の五感を共有する事も可能、相当厄介だ!)

アクアは目の前から迫り来る大鎌の刃を飛んで回避した。

シラー(流石は戦士、一筋縄ではいかないね)

電車付近にいるシラーはデスサイズの視覚を通して、考えを張り巡らせていた。

アクア「一つ訊く、誰が言った!」

アクアはデスサイズに接近し、振るおうとした大鎌を片手で止めた。

アクア「誰がお前の両親を殺したのは正義組織だと言ったんだ!」

そして、デスサイズ改めシラーに問いかけた。

シラー「うるさい!」

デスサイズはアクアを押し飛ばした。

アクアは後ろに退く。

シラー「僕は聞いた!首領のフェイトン様から!もしそれが間違えているんだったら、僕は…」

シラーは頭を抱えていて、精神的に不安定になっていた。

息を荒げて、目は動揺していた。

デスサイズが動かない中、アクアは再び戦闘態勢に入った。

シラー「僕は何の為に多くの人を殺したんだ!!」

その時、デスサイズを纏うオーラが激しく燃え上がる。

シラー「え?何これ…!?」

隠れていたシラーが浮遊しながら表に出た直後、理解できないままデスサイズの中に呑まれた。

アクア「化身に主導権が渡されたのか!メビウスとは違う!」

アクアは目の前の状況を整理した。

シラー「うわああああああ!!!」

デスサイズと化したシラーは大鎌を構え、アクアに接近した。

アクア「くっ!」

アクアはすぐさま後退する。

すると、シラーは大鎌を振り下ろした。

アクア「やめろ!」

シラー「あぁ!ああああああああ!!」

アクアは制止の声をかけるもシラーには届かず、呻吟しながら大鎌を振り回した。

アクア「どうすればいいんだ!!」

アクアはシラーを見て、辛くなりつつも葛藤していた。

フレア「オラァァァァァァァ!!!」

すると、跳んで来たフレアが電車の扉を蹴り壊した。

そして、フレアは速攻で駆け出し、熱を帯びたその拳をシラーに突き出した。

直撃したシラーは吹き飛び、電車の扉に背中を打ち付けた。

フレア「大丈夫か!兄貴」

フレアはアクアに駆け寄り、声をかけた。

アクア「俺は大丈夫だ。だが、アイツが…!」

アクアはシラーを真っ直ぐ見ていた。

シラーは足をふらつせ、片手で頭を抱えていた。

アクア「恐らくアイツは利用されていた、フェイトンという名の親玉に」

アクアはフレアに事情を話した。

フレア「あぁ、そうかよ」

フレアはシラーの方へと目を遣った。

シラー「嫌…だ…」

すると、デスサイズの心臓からシラーの顔が現れた。

アクア「シラー!」

アクアは前へと一歩踏み出した。

シラー「お願…い……僕を…殺し…」

シラーがアクアに頼もうとしたその時、片手で持った大鎌がシラーの顔面を斬り裂いた。

アクア「なっ…!」

フレア「ッ…!」

それを見たアクアとフレアは驚愕し、戦慄していた。

デスサイズ「ハ、ハハ…」

瞼を閉じたシラーの顔に負った傷から血が滴る。

それを見てデスサイズは嘲笑った。

フレアは怒りのあまり全身から高熱を放とうとする。

アクア「貴様…」

だが、アクアの言葉を聞いたフレアはそれを止めて、アクアへと目を遣る。

アクア「貴様…ッ!!」

アクアは涙を流しながら怒りに満ちており、その目はデスサイズを睨んでいた。

アクアは瞬時に水の刃を生成した直後、目に追えない程の速さでデスサイズに接近した。

アクア「何故アイツを殺したァッ!」

次の刹那、アクアは水の刃を振り上げた。

デスサイズ「ウオッ…」

その刃は確かにデスサイズに届いていた。

だが、その様子は致命傷に至ったようには見えなかった。

だが、そんな事はお構い無しにアクアは水の刃を振るい続けた。

アクア「なんも殺す事なんか無かった!少なくとも彼は!償えるはずだった!それを!」

その中の一振がデスサイズの髑髏に傷をつけた。

アクア「お前がァァァァァァ!!!」

アクアは水の刃を解き、それを右拳に収束させる。

そして、その拳をデスサイズに向けて突き出した。

デスサイズ「ゴアァァァァァァ…!!」

その攻撃を受けたデスサイズは勢いよく後ろへと吹き飛んだ。

躊躇せずに、逃れる隙すら与えないと言わんばかりにアクアは再度デスサイズとの距離を詰める。

トドメの一撃として水を纏った拳でデスサイズの顔面を殴った。

それによりデスサイズの髑髏は砕け、デスサイズは扉を突き破り、別の車両へと飛び越えた。

デスサイズ「死…ね……」

扉の上で倒れるデスサイズは力尽きて闇の霧となって消えていった。

消えた事を確認したアクアはそのまま膝を着いた。

アクア「ああああああ!!!」

アクアは涙を流しながら大声で叫んだ。

フレア「兄貴…」

フレアは少し離れたところで悲しそうな顔でアクアを見ていた。


場面は変わり、H市街地区

その中で一本の矢が放たれた。

標的はベローナで、撃ったのはブラックであった。

だが、ベローナは自身より大きな斧を振り下ろして、攻撃を防いだ。

ベローナ「あはッ!そんなんじゃ、アタシを殺せやしないよ!!」

ベローナは楽しそうな笑みを浮かべながら急速に接近した。

ブラック「くっ…!」

ブラックは瞬時に後退する。

次の刹那、巨大な刃がブラックの眼前を横切る。

ベローナ「アハッ!流石は狩人!いや、悪魔の血を宿した者!」

ベローナは斧に擦り寄り、ブラックを見つめる。

ベローナ「悪魔の子ってー、常人よりもタフでフィジカルとかもエグイんだってね!凄いねー!」

ベローナは舌なめずりをする。

そんなベローナの背後からガロンが現れ、カオスの手を振るった。

ベローナ「そこにいるのは知ってるんだよー!!」

ベローナは巨大な斧からチェンソーへと変化させ、カオスの手を切った。

ガロン「ぐっ!ああああああッ!!」

ベローナ「キャハハハ!悪魔でも血は綺麗なのね!」

旋回する刃がガロンに血飛沫を上げさせる。

ガロン「あああ!!あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!」

あまりの痛みにガロンは喚く。

ベローナ「アッハハ!痛いよね!苦しいよねェ!!」

それに対して、ベローナは狂気的に笑っていた。

そうしてチェンソーを振り上げると、ガロンの腕は切断された。

ガロン「くッ…!」

ガロンは切断された腕を抑えながらベローナを睨む。

ベローナ「やっぱり良い!どうして血ってこんなに綺麗で興奮しちゃうのかなぁ!」

ガロンの返り血が付着したベローナは高揚していた。

ブラック「ガロン!」

ブラックはガロンに駆け寄る。

ガロン「気にしないで、兄ちゃん。大丈夫だから」

ガロンはブラックにそう声をかける。

すると、ガロンの腕が生えるように再生した。

ガロン「けど、流石にやばいね…人じゃあ耐えられない。」

再生する際の消耗が激しい故かガロンは肩で息をしている。

ガロン「というか、あの子の方が余っ程悪魔だよね」

ガロンはベローナを見てそう言う。

ベローナ「あーっと、いけない。ついハイになっちゃった」

ベローナは我に返り、ブラックとガロンの方へと身体を向けた。

ふと、ベローナはガロンの腕を目に遣る。

ベローナ「あれー?切ったはずの腕が治ってる」

ベローナは興味深く思い、首を傾げる。

ガロン「なんなのさ、君…ヘマトフィリア?それともボレアフィリア?」

ガロンはベローナにそう言い放った。

ベローナ「間違ってはないかなー、ただアタシは闘争が大好きなんだよねー!」

ベローナはチェンソーからガトリングガンへと形を変えた。

その直後、銃身が回転し、複数の弾丸が放たれた。

ブラックとガロンは二手に分かれて弾丸を回避、お互い無人の建物の中へと入っていった。

ブラック「ガロン、どうする…」

ブラックは腕時計でガロンに通信する。

ガロン「そうだね、兄ちゃんは僕を援護してくれる?」

ガロンは全身にカオスを纏う。

二つの角と赤い眼に鋭い爪、先端に刃を持った細い尻尾が特徴の黒い悪魔の姿へとなった。

ガロン「僕がなんとかする」

ガロンは立ち上がり、瞬時に建物から出た。

ブラック「ガロン…わかった」

ブラックはガロンの意志に応じた。

回転していた銃身が停止する。

ベローナ「終わっちゃったかー…まぁけど、アイツらなら無事だよね」

ベローナはガトリングガンから正面へと目を遣った。

ベローナ「へぇー!」

ベローナはガロンの姿を視認すると、その異様な姿に対して面白そうに反応する。

ベローナ「随分と面白そーな姿してるねェ!殺り甲斐があるよ!」

ベローナは楽しそうな様子でガトリングガンから日本刀へと形を変える。

ガロン「五月蝿いね。悪いけど、速攻で片付けさせてもらうよ!」

ガロンは瞬時に姿を消した。

ベローナ「速いねーッ!」

ベローナは日本刀を構え、感覚を研ぎ澄ました。

次の刹那、ベローナの背後にガロンが現れた。

ベローナ「ワンパターンだねー!飽きるよ!」

ベローナは振り返り、日本刀を振るう。

だが、斬られたガロンは幻影となって消えた。

ガロン「残像だよ!」

ガロンはベローナの背後におり、鋭い爪で彼女を斬り裂いた。

ベローナ「くっ…!」

ベローナの背中から血が流れ出る。

そんな彼女は自身の背中に手を回し、その血に触れ、見つめる。

ベローナ「あーあ、血が出ちゃったかー」

いつも通りの様子で呟くベローナ、まるで先程の攻撃が意味の無いものだと言わんばかりであった。

ベローナ「良い気になってるよねー?けどいいや…」

ベローナはガロンの方へと振り向いた。

次の瞬間、ブラックが放った矢がベローナに迫り来るも、瞬時に日本刀で弾き返した。

ガロン「ッ…!」

その様子を見てガロンは戦慄する。

ベローナ「さて、もっと殺ろーよ!」

次の刹那、凶悪な笑みを浮かべたベローナは日本刀を両手で持ちながらガロンに接近した。

ガロン「クソッ!」

ガロンの尾が伸びて、刃をベローナに突き刺そうとする。

ベローナ「シャアァッ!!」

ベローナは日本刀を振るい、ガロンの刃と鍔迫り合いに発展する。

ブラック「ガロン!!」

ブラックはベローナに対して矢を放とうと弓を番えるる。

ベローナ「意味無いよ!おじさん!!」

ベローナはガロンの尾を掴み、それを引っ張る。

その直後、ガロンの腹部に蹴りを入れた。

ガロン「くっ!」

それを受けたガロンは苦痛な表情を浮かべながら、蹴り倒される。

ベローナは瞬時に日本刀から手榴弾に変化させて、ブラックの方へと投げ捨てる。

ブラック「なっ…!」

ブラックは瞬時にその場から離れる。

だが、少し遅かった。

手榴弾が地面に跳ね返った次の瞬間、爆発した。

ブラック「ぐあああっ!」

ブラックは爆風に巻き込まれ、吹き飛んだ。

ガロン「兄ちゃん!」

ガロンはブラックを見て名を叫んだ後、ベローナへと目を遣る。

ガロン「よくも兄ちゃんを!やめろ!!」

ガロンは蹴り入れたその足を両手で掴んだ。

ベローナ「忘れてないよーだ!」

ベローナは何も無い空間からマスケット銃を生成した。

そしてそれをガロンの頭に突き付けた。

ベローナ「さようなら!悪魔ァ!」

ベローナは凶悪な顔を浮かべながら、引き金を引いた。

発砲音が静寂なこの空間に鳴り響いた。

それはブラックの耳にも届いていた。

ブラック「…ガロンッ!」

ブラックは負傷しながらも急いで身体を起こした。

ブラック「ガロ…ン……」

そして、彼はその惨劇を目にした。

そこにあったのは頭を貫かれ、穴が空いたガロンの亡骸であった。

ブラック「ハァ…ハァ…ハァ……ッ!」

それを見てブラックは息が荒くなる。

ブラック「うおおおおおぉぉぉ!!!」

ブラックは矢を番え、放った。

ベローナ「ぐぅっ…!」

矢がベローナの左肩に突き刺さる。

そこにブラックが腹部に蹴りを入れ、吹き飛ばした。

ブラック「ガロン!ガロン…!」

そして、ブラックはガロンを抱え、名前を呼ぶ。

だが、ガロンは何も答えず、虚ろな目を浮かべたままだった。

ブラック「ガロン…すまない…!すまないッ…!」

ブラックは涙を流しながらガロンに対して何度も謝り、己の不甲斐なさを、護れなかった罪を責める。

ベローナ「痛ってぇなー…」

ベローナは肩に刺さった矢を勢いよく引き抜き、身体を起き上がらせた。

ベローナ「よくまぁ、やってくれたよねー」

ベローナはマスケット銃を巨大な斧へと変化させた。

ベローナ「いくら殺しとか争いとか好きだとしても、ここまで傷付けられたらどうしようもないよねー、おじさん」

ベローナは首に手を当てて、ブラックを見下ろした。

ブラック「…お前……」

ベローナ「ん?何?」

ブラックの全身から黒い闇が放たれる。

だが、ベローナはその事に気付いていない。

ブラック「俺は…弟のガロンを殺された……そして、お前は大勢の人間を私利私欲の為に、快楽の為に殺してきた……」

ブラックは立ち上がる。

彼を纏う闇はより激しいものとなった。

ベローナ「どうしたの?おじさん、怖いよ?」

そう訊くベローナ。

しかし、彼女は知らず知らずのうちに冷や汗をかいていた。

ベローナ(あれ?なんで…)

ベローナは今になって気が付いた。

ブラック「お前だけは…許さない……!」

そして、ブラックはベローナを睨むように見た。

だが、それは赤い瞳を持った反転目となっていた。

ベローナ「アタシ、復讐する人嫌いなんだよねー!執拗いし、だから死んでよ!!」

ベローナはブラックに急接近し、その斧を振るった。

だが、ブラックは一つの太刀でその斧を防いだ。

ベローナ「嘘でしょ…!」

驚愕するベローナ。

だが、ブラックは間を置かずに掲げたもう一つの太刀を振り下ろし、持ち手である棒を切断した。

ベローナ「ば、化け物!」

ベローナは一丁の拳銃を生成し、ブラックに向ける。

だが、それよりも速くブラックは拳銃を斬り、続けてベローナの腸を斬った。

ベローナ「ガハッ…!ちょっとおじさん!強…」

ベローナが言おうとした瞬間、ブラックは彼女の顔面をぶん殴り、吹き飛ばした。

ベローナ「あがっ…!」

ベローナは建物の壁に打ち付けられ、倒れる。

ベローナ「な、何なの…あの人」

ベローナは顔を上げて、這いずった。

ベローナ「は、早く逃げないと…」

彼女の顔は恐怖で歪んでおり、その通りブラックに対して恐れていた。

だが、そんなベローナの足に鋭い何かが突き刺さった。

ベローナ「あ”ぁ”っ!」

ベローナは痛みに耐えきれず叫ぶ。

何かと思い、振り返ると脚には赤い矢が突き刺さっていた。

ブラック「逃がすか…逃がすものか…」

いつの間にかベローナに接近していたブラックはそんな彼女を見下ろしていた。

殺意という闇に包まれたその目で

ベローナ「ご、ごめんなさい…!」

ベローナは足を引きずりながら後退る。

ベローナ「な、なんでもするから!金ならいくらでも払うし!なんならこの身体を好きに…」

ベローナは怯えた様子でブラックに命乞いする。

ブラック「怖いか…散々人を殺しておいて、怖気付いたか…」

ブラックは矢を番える。

ベローナ「ヒィッ…!」

ベローナは青ざめる。

ブラック「なんでもするのだろう?…ならば、死ね…そして、永劫詫びろ……」

そして、矢が赤く染まる。

ベローナ「あ、あはは…」

ベローナは笑うしかなかった。

そして、矢は放たれ、ベローナの脳天を貫いた。

ベローナはすぐに力尽きた。

ブラック「…ガロン……」

ブラックは荒い呼吸をしながらガロンの名を呟いた後、空を見上げる。

ブラック「…仇は討ったぞ……」

悲しそうな目をするブラック、その目には亀裂が生じていた。


その頃、H市街地区にて

メビウスとドレイクは互いに傷付いており、周囲にある建物には亀裂やクレーターといった損壊があった。

メビウス「スゲェな、アンタ…只者じゃねぇのがよくわかる」

メビウスは息を切らしながらドレイクを見た。

ドレイク「今でも劣ってはいないか…戦士は」

ドレイクもメビウスと同じ体制であった。

すると、メビウスはドレイクにこんな事を言い出した。

メビウス「なぁ、もしかしてアンタよ。クロノス社…いや、シリウス社の人だろ?」

ドレイク「何故、そう思う?」

メビウスの問いに動じず、ドレイクは平然とそう訊き返した。

メビウス「おいおい、いいから答えろよ。質問を質問で返されるのは正直に言って好きじゃねぇからよ」

メビウスはそう言いながら、眉間に皺を寄せた。

ドレイク「そうか…」

ドレイクは姿勢を正し、一息つく。

ドレイク「その通りだ」

すると、ドレイクはそう答えた。

その事にメビウスは驚いたのか、目を見開いた。

ドレイク「私はかつて正義組織 シリウス社の特殊部隊、今で言うCSFになる前にいた隊員だ」

ドレイクは懐から仮面を取り出した。

メビウス「仮面か…なぁ、全く違うだろうけどさ、アンタが斬希を殺した仮面の男?」

メビウスはそれを見て、ドレイクに訊いた。

ドレイク「何を言うか…いくら鍛錬したとてあの人には超えるは愚か、追い付く事すらできない。正に英雄という称号に相応しい人だ」

だが、ドレイクはそれを否定し、仮面を装着した。

すると、仮面は展開し、顔全体を覆った。

ドレイク「再度、貴様に問う。」

ドレイクは衣服を脱ぎ捨てた事で、仮面と同じ紺色の鎧が顕となった。

ドレイク「この世界は護るに値するか?」

そして、鎧 キュクロプスを装備したドレイクの仮面に赤いモノアイが現れ、発光した。

メビウス「俺一人が決めれる事じゃねぇけどさ…」

メビウスは拳を構える。

メビウス「少なくとも、俺はある」

そうして、メビウスはそう答えた。

次回 第拾壱話 「一つ目の鎧」

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