第53話 食堂に招かれて
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
「ごめんなさい……マリーさん。ごめんなさい」
と、春風が「師匠」こと「マリーさん」こと凛咲を抱き締めながらそう謝罪していると、とんとんという音と共に、
「あー、アンタ達ちょっと良いかい?」
という声がしたので、春風と凛咲は思わず、
「「っ!」」
と、驚いて声がしたの方へと振り向くと、
「れ、レベッカさん!?」
「おはよう……と言っても、外はもう夜だけどね」
と、春風が言ったように、そこには宿屋「白い風見鶏」の女将であるレベッカがいた。
春風と凛咲を見てにやにやしているレベッカに、
「あの……いつからそこに?」
と、春風はだらだらと滝のように汗を流しながら、恐る恐るそう尋ねると、
「最初から」
と、レベッカは笑ってそう答えたので、春風は顔を真っ赤にして、
「ぬおおおおおおおい!」
と、悲鳴(?)をあげながら、手で顔を覆った。
そんな春風を、
「よしよし……」
と、凛咲が優しく撫でていると……。
ーーグゥウ。
「あ」
春風のお腹が大きく鳴ったので、
「あはは。さっきの物騒な話について色々聞きたかったけど、まずは腹ごしらえからだねぇ」
と、レベッカは笑いながらそう言って、
「食堂に来な。みんなが待ってるから」
というセリフを最後に、春風と凛咲を置いてその場からすたすたと歩き出した。
そんなレベッカを見送ってから少しした後、春風はいつもの青いローブを着て、凛咲と一緒に部屋を出て食堂に向かった。
食堂への入り口を前に、
(『みんな』って、レナやアメリアさん達、どうなったんだろ?)
と考えた後、春風と凛咲は食堂に入った。
いつものように、多くの先輩ハンター達で賑わっているその食堂内。
そんな中で、春風はレナ達を探そうと視線を左右に動かしていると、
「うん。みんないる」
と、こくりと頷きながら言った。
アメリア、エステル、ディック、ピートの4人は男性女性の先輩ハンター達に囲まれて、
「そっか、あんたらも大変だったなぁ」
「辛かったわよねぇ」
『い、いえ、そんな……』
と、恥ずかしそうに顔を真っ赤にし、
「うわぁ! ホントにもふもふだぁ!」
「ちょっと、やめてよウェンディ……」
と、レナはウェンディに、自身の体の一部である狐耳をもふもふされていた。
そんな状況のレナ達を見て、
(えぇ? 何この状況?)
と、春風が困惑しだした次の瞬間、
「ん? おいみんな! 主役の登場だぞ!」
と、先輩ハンターの1人が春風に気付いた。
そしてそれを皮切りに、
「何ぃ!?」
「え、ほんと!?」
と、他の先輩ハンター達は一斉に春風に視線を向けると、もの凄い勢いで春風の傍に駆け寄った。
「え、な、何!? 皆さんどうしたんですか!?」
突然の事に驚き、困惑する春風に、
「お前すげぇな!」
「よく生き残ったな!」
「やるじゃん!」
「かっこよかったわぁ!」
と、先輩ハンター達は皆、明るい表情でそう言ったので、春風はますます困惑した。
(こ、これって……一体?)
と、春風が心の中でそう呟くと、
「よぉ! 目を覚ましたようだな!」
と、聞き覚えのある声がしたので、春風はすぐにその方向を見ると、
「あ、ヴァレリーさんにタイラーさん! それにフレデリック総本部長も!」
そこは食堂内のカウンター席で、そこには春風に向かって手を振るヴァレリーとタイラー、そしてフレデリックの姿があった。
そんなヴァレリー達に向かって、
「あのぉ、これってどういう状況なのでしょうか?」
と、春風は先輩ハンター達をちらりと見ながらそう尋ねると、
「君達と断罪官達の戦いを見てたのは、僕達だけじゃないって事さ」
と、タイラーが穏やかな笑みを浮かべながらそう答えた。
その答えを聞いた時、春風は顔を真っ青にして、
「え、それって……まさか?」
と、タイラーに向かって恐る恐る尋ねると、
「勿論、ここにいるハンター達全員も見ていた、というわけです」
と、タイラーの代わりにフレデリックがそう答えた。
その答えを聞いて、春風はゆっくりと先輩ハンター達に向き直ると、
『(にやり)』
と、先輩ハンター達は男女問わずにこりと笑ってぐっと親指を立てた。
それを見た瞬間、
「……」
春風はあんぐりと口を開けて呆然とした後、
「お、終わった。俺のハンター生活が」
と言って、その場にガクリと膝から崩れ落ちた。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ず、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




