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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第3章 そして、「世界」は動き出す

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第50話 激闘後の「裏」では……

 お待たせしました。久しぶりの本編新章、開始です。


 春風達対ギデオンら「断罪官」の戦いが終わった、丁度その頃。


 「そ、そんな……」


 見渡す限りの真っ暗な「闇」の中で、今、1人の少年が、呆然とした表情で目の前に浮かぶ大型画面を見つめていた。


 「な……な……」


 緑色のシャツの上に黒いフード付きの上着、そして黒い長ズボン姿をした緑色の髪を持つ10代後半くらいのその少年は、大型画面に映し出されたものを見て、ワナワナと体を震わせると、


 「何なんだよこれぇえええええええっ!?」


 と、頭を抱えて絶叫した。


 その時、


 「どうしたの()()()!?」


 という声と共に、緑髪の少年の背後に、長い青髪に眼鏡をかけた、白い半袖シャツに青いロングスカート姿をした20代前半くらいの若い女性が現れた。


 その声に気付いて、


 「あ、()()()()!」


 と、「ワポル」と呼ばれた緑髪の少年は、背後に現れたその青髪の女性をそう呼ぶと、


 「た、大変だよぉ」


 と、今にも泣き出しそうなくらいに目をうるうるとさせたので、「アムニス」と呼ばれた女性はそれを見て、


 「え、ほ、本当にどうしたの?」


 と、ワポルに向かって恐る恐る尋ねると、ワポルは素早くアムニスに近づいて、


 「ぎ、ギデオンが……ギデオンがやらちゃったんだよぉ!」


 と、絶叫するかのようにそう答えた。


 その答えを聞いて、アムニスは「え?」と数秒くらい固まっていると、


 「な、何ですってぇえええええっ!?」


 と、ワポルに負けないくらい絶叫した。


 その後、アムニスはワポルの両肩を掴んで、


 「そ、それは本当なの!? いつ!? 何処で!? 相手は誰!?」


 と、ユッサユッサと揺すりながら問い詰めると、ワポルは全身を震わせながら、


 「は……春風だよ。雪村……春風」


 と答えたので、


 「……何ですって?」


 と、アムニスはショックを受けながら、ワポルの両肩から手を離すと、


 「あ、アイツが? どうして?」


 と、顔を真っ青にしながら呟いた。


 そんなアムニスを前に、


 「あ、アイツ……固有職保持者……()()()()()()だったんだ!」


 と、ワポルは話を続けたので、


 「な!? そ、それは、本当なの!?」


 と、ハッと我に返ったアムニスは再びワポルに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「ああ、本当だよ。あいつ自身がそう名乗ったんだ」


 と、ワポルは顔を下に向けてそう答えたので、アムニスは右手の親指の爪を噛みながら、


 「そんな馬鹿な。人間に『職能』を授けられるのは私達だけ。でも『勇者召喚』の時にアイツはいなかった。ならそれが出来るのは……」


 と、ぶつくさと呟きながら考え込んでいると、


 「『異世界の神』! 奴らしかいない!」


 という結論(?)に至り、


 「あ……アイツらぁ! 余計な事をしやがってぇ!」


 と、まるで癇癪を起こしたかのようにヒステリックに叫んだ。そんな彼女を見て、


 「あ、アムニスゥ……」


 と、ワポルは情けなく震えていた。


 それから暫くして、


 「はぁ……はぁ……」


 と、漸くアムニスが落ち着きを取り戻すと、


 「ごめんねワポル。取り乱しちゃって……」


 と、ワポルに向かって頭を下げながら謝罪した。


 それを見て、


 「い、いいよ、気にしないで! 僕だってまだ信じられないって思ってるんだからさ!」


 と、ワポルは「大丈夫!」と言わんばかりに大袈裟に両手を振るった。


 その後、アムニスは落ち着いた表情で再び右手の親指の爪を噛むと、


 「()()()()()達と相談しましょ。これは、由々しき事態だわ」


 と、ワポルに向かってそう言ったので、


 「う、うん、そうだね。()()()と相談しなきゃ」


 と、ワポルもコクリと頷きながらそう返した。


 その後、


 「じゃ、行くわよ」


 と、アムニスはワポルに向かって左手を差し出し、


 「うん」


 と、ワポルはアムニスに従うようにその手を取った。


 そして、2人の姿がスゥッと静かに消えて、残されたのは未だに消えていない大型画面だけだった。


 

 

 どうもハヤテです。


 最後の投稿から暫くの間、本編と派生作品の修正(主に文章の追加やサブタイトルの変更など)をしていましたが、前書きに書きましたとおり、今日から本編新章の開始です。


 断罪官達との戦いを終えた春風君達に、一体どのような展開が待っているのか。


 彼らの今後の活躍(?)に、ご期待ください。

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