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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第2章 対決、「断罪官」

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第24話 バレちゃいました!

 今回は、いつもより短めの話かもしれません。


 「あの男は……私を殺した男です」


 そう言ったグラシアからの言葉の意味を、


 「……え?」


 春風は、理解出来ないでいた。


 その後すぐに、


 「そ、それは……どういう事ですか……?」


 と、ハッとなった春風が、恐る恐るグラシアに尋ねようとしたが、まさにその時、


 「その話、私にも詳しく教えてもらおうか」


 「「っ!」」


 突然のその声に、春風とグラシアが驚いていると、部屋の扉がギィッと開かれて、真剣な表情をしたレベッカが部屋の中へと入ってきた。


 それを見て、春風とグラシアは一瞬凍りついたように固まったが、すぐに2人ともハッとなって、


 「あ、いや、レベッカさん! これは、その……」


 「あ、あの! あのあのぉ……!」


 と、大慌てで何か言おうとしたが、思うように言葉が出ず、2人ともアワアワするだけだった。


 そんな様子の2人を見て、レベッカは「はぁ」と溜め息を吐くと、


 「落ち着きなハル。前々からアンタが()()()()()()じゃないって事は、なんとなくわかってたさ」


 と春風に向かってそう言ってきたので、春風とグラシアは大きく目を見開いて「え、マジで!?」と言わんばかりの驚きに満ちた表情になり、その後すぐに、


 「ど、どうしようグラシアさん!」


 「ど、どうしましょう春風様!」


 と、2人はお互い顔を見合わせてそう言い合うと、ガタガタと体を震わせた。


 そんな2人の姿を見て、レベッカは「やれやれ……」と小さく呟くと、


 「安心しな、アンタが()()()だって事はわかってるし、別にアンタ達をどうこうする気もないよ」


 と、2人を安心させるように優しくそう言った。


 その言葉を聞いて、春風とグラシアは「ぐぬぬ……」と最初は警戒したが、すぐに深呼吸して気持ちを落ち着かせると、


 「黙ってて、すみませんでした」


 「私も、大変申し訳ありませんでした」


 と、レベッカに向かって深々と頭を下げて謝罪した。


 レベッカはそんな2人を見て「気にするんじゃないよ」と再び優しく言うと、


 「で、さっきの続きなんだけど、グラシアさんだったかい? 断罪官に殺されたって事は、アンタ『異端者』って事でいいんだな?」


 と、グラシアに向かってそう尋ねてきたので、


 「……そうです、私はグラシア・ブルーム。生前は、連中の言う『異端者』……固有職能『時読み師』の固有職保持者でした」


 と、グラシアはレベッカに向かってそう自己紹介した。


 その紹介を聞いて、レベッカは「ほぉ」と大きく目を見開きながら


 「固有職保持者。『神々』の加護を持たない異端の職能保持者だったな。噂だけの存在と思ってたけど、本当にいたんだねぇ。で、『時読み師』って事は、もしかして『過去』も『未来』見えちまう……とか?」


 と、再びそう尋ねた。


 その質問に対して、グラシアはコクリと頷きながら、


 「そうです。死んでこうして幽霊となった今ではもうその力はありませんが、『時読み師』とはその名の通り、時間の流れを読み取る者の事で、主に物や人が持つ『過去の記憶』を読み取ったり、ほんの僅かではありますが、その人がどのような『未来』を迎えるのかを視る事が出来るのです」


 と、自身がかつて持っていた「時読み師」の固有職能について説明した。


 その説明を聞いて、


 「ほほう、そりゃ凄いね! それが本当なら、まさに『異端』の力じゃないか!」


 と、レベッカが驚きながらそう言うと、


 「……そうですね。この『力』はまさに異端……『悪魔』の力ですよ。実際、この力の所為で……私は家族を失ってしまいましたから」


 と、グラシアは悲しみに満ちた表情でそう返した。


 それを聞いて、レベッカだけでなく春風までもが、


 「「……え?」」


 と、驚いたように大きく目を見開きながら固まっていると、グラシアは「ふふ」と小さく笑って、


 「少し、生前()の話をしてもよろしいでしょうか? と言いましても、あまり良い話ではありませんし、レベッカさん、()()()にとって、凄く辛い話になってしまいますが……」


 と、レベッカを見ながら尋ねるように言うと、


 「……ああ、構わないよ。全部話してくれ」


 と、レベッカは真剣な表情でそう答えた。そんな彼女の横で、春風も「うんうん」と激しく頷いた。


 それを見たグラシアは、再び深呼吸すると、


 「わかりました。()()をお話しします」


 そう言って、自身の「過去」を話し始めた。




 


 


 


 

 

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