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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第1章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第5話 女リーダー、ヴァレリー登場


 春風のハンターの登録が終わった後、突如、背後に現れた1人の女性。


 その登場の所為なのか、周囲の人達が何やらざわめき出す中、


 (え、な、何? この人どちらさん?)


 と、戸惑っている春風がチラッと隣りのレナを見ると、


 「うわぁ、()()()()()()()が来ちゃったよ」


 と、レナは女性を見て、もの凄く嫌そうな表情をしていた。


 そんなレナを見て、


 「おいおい、レナ。久しぶりに会ったっていうのに酷い言い草だな」


 と、女性は「はっはっは」と美しい見た目に似合わず豪快に笑いながら言った。


 (え、レナ、知り合いなの?)


 2人の間に流れる空気に、春風は「うーん」と考え込んだ後、意を決したかのようにズイッと1歩前に出て、


 「あの、自分は今日ハンターになりました、ハルと申します。失礼を承知でお尋ねしますが、どちら様でしょうか?」


 と、女性に向かって丁寧な口調でそう名乗った。


 そんな春風の姿に、女性は一瞬目を大きく見開いたが、すぐに元の表情に戻って、


 「ああ、すまない、まだ名乗ってなかったな。私はハンターレギオン『紅蓮の猛牛』のリーダーをしている、ヴァレリー・マルティネスだ。今、長期の遠征から戻ってきたところに、お前達の姿が見えたって訳さ」


 と、謝罪しながら自己紹介した後、


 「なぁ、レナ」


 と、チラッとレナを見た。


 すると、レナは「ふん」と鼻を鳴らしながらそっぽを向いたので、春風は頭上に「?」を浮かべながら、


 (レギオン。それって確か、複数のハンター達が組む『チーム』の事だよな)


 と、心の中で思い出しながらそう呟いた。


 実はレナと別れてから、春風はこの世界の常識の他にも、自分がこれからなる「ハンター」というものについても勉強していたのだ。当然、その中には複数のハンターが組むチームを意味する「レギオン」についても含まれていた。


 とまぁ、それはさておき、春風は「レギオン」について思い出した後、


 「あー、レナさん。もしかして、知り合いか何かですか?」


 と、レナに近づいて小声でそう尋ねると、レナはそっぽを向いたまま答える。


 「……前にあの人の仲間を何人か()()()()()()、以来ずっとレギオンに入らないかって勧誘されてるの。こっちは嫌だって言ってるのに」


 その答えが聞こえたのか、


 「いやぁ、だからあの時はすまなかったって。それにいつも言ってるが……って、自分で言うのもなんだが、うちは結構()()のレギオンなんだ。名を上げたいなら入って損はないと思うが?」

 

 と、女性ーーヴァレリーはレナに向かってそう言うと、


 「言った筈よ。私はレギオンにはこれっぽっちも興味ないから。だから、何度勧誘したって無駄だからね」


 と、レナは嫌悪感剥き出しな態度でそう言い返した。


 その後、


 「ほら、もう行こう」


 と言って、レナは春風の手を引いてその場から歩き出そうとすると、


 「ちょっと待て」


 と、一瞬で近づいてきたヴァレリーに阻まれてしまい、


 「何?」


 と、レナは更に嫌悪感を募らせた眼差しでヴァレリーを見ると、


 「……」


 何故か、ヴァレリーはジッと春風を見つめてきたので、


 「えっと、何でしょうか?」


 と、春風は冷や汗を流しながら、ヴァレリーに向かってそう尋ねた。


 そんな春風を、ヴァレリーは更にジッと見つめながら、


 「いや、随分と()()()()()()()だなって思ってな」


 と言ってきたので、


 「俺、男です」


 と、春風はレナ以上に嫌悪感剥き出しな態度でそう言った。


 それに対して、


 「……え、嘘だろ?」


 と、ヴァレリーは目を大きく見開いたが、


 「()()()顔付きですが、俺、男です」


 と、そんな彼女に構わず、春風ははっきりとそう言った。


 その言葉を聞いて、ヴァレリーは「そ、そうなのか」と呟いた後、再び春風をジィッと見つめて、「うん」と頷き、


 「ちょっと失礼!」


 「え……って、うわ!」


 と、いきなり春風の手を掴んで、すたすたとその場から歩き出した。


 「ちょっと、どこ行くのよ!」


 勿論、春風と手を繋いでいたレナ諸共だ。


 それから暫くの間、3人は総本部内を歩いていると、とある場所に着いた。


 その際、


 「あぁ、レナはここで待ってもらおうか」


 と言って、ヴァレリーはレナを春風から引き剥がすと、春風と共にその場所の中心に立った。


 あまりの事に「訳がわからない」と言わんばかりの表情になった春風は、


 「……あの、ここって何処なんですか?」


 と、恐る恐るヴァレリーに向かってそう尋ねると、


 「ここは総本部内にある『小闘技場』って言ってな、主にハンター同士の戦いっていうか、模擬試合っていうか、腕試し的な事をする為の場所だ」


 と、ヴァレリーは大袈裟に両腕を広げながら、今自分達が立っている場所について説明した。


 春風はその説明を聞いて、


 「はぁ、そうなんですか……って、え、何でそんな場所に俺を連れてきたんですか?」


 と、再び恐る恐るそう尋ねると、


 「決まってるだろ……」


 と、ヴァレリーはそう言って、背中に背負っている大剣を手に取り、


 「私と()()()()()()()()だよ」


 と、その切先を春風に向けた。


 それに対して、


 「はぁ……」


 と、春風は呆けた表情になった後、


 「はぁあああああああっ!?」


 と、驚きに満ちた叫びをあげた。


 

謝罪)


 大変申し訳ありません。前回の話を一部修正しました。

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