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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第1章 誕生、ユニークな「ハンター」?

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第1話 「少女」と「少年」の再会

 お待たせしました、今日から第2部の始まりです。


 ルーセンティア王国による「勇者召喚」から、1週間が過ぎた。


 エルードのとある場所にある深い森の中で、1人の少女が、襲ってきた魔物を次々と容易く蹴散らしながら、ひたすら真っ直ぐ森の中を突き進んでいた。


 暫く進むと、木々のない広い場所に出られたので、少女はそこで足を止めた。


 「……」


 そして、無言でその広い場所の中心へとゆっくりと近づくと、眩い光と共に、少女の目の前に白い「扉」が現れた。


 突然現れたその白い「扉」を見て、


 「来た!」


 と、少女がそう呟くと、「扉」ギィッと音を立てながらゆっくりと開かれて、そこから1人の人物が出てきた。


 青いローブに身を包んだ、黒い髪に「美少女」を思わせる顔付きをしたその人物に向かって、少女は「待ってました!」と言わんばかりの笑顔で口を開く。


 「待ってたよ、春風」


 そう言った少女に向かって、


 「うん。待たせたね、レナ」


 と、その人物ーー雪村春風は、少女ーーレナ・ヒューズに向かって、笑顔でそう返した。


 その後、


 「そ、それはまた大変だったねぇ」


 「うん、本当に大変だったよ」


 と、春風とレナはこの1週間での事を楽しそうに語らいながら、先程までレナが進んできた道を戻る形で、すたすたと森の中を歩いていた。


 そんな時、


 「それにしても春風」


 「ん? 何?」


 「その装備もかっこいいけど、素顔の方も凄く素敵だと思うな」


 と、レナは春風の()()姿()をジッと見ながら、笑顔そう言ってきたが、


 「えー? そうかなぁ……」


 と、春風はなんとも微妙な……というより、もの凄く嫌そうな表情になった。


 因みに、春風の現在の格好については、後の話の中で語るので、今はこのまま進むとしよう。


 更に、春風は格好だけでなく、ヘリアテスとの生活の間にレベルが上がっただけでなく幾つかの新しいスキルも身につけているのだが、こちらについても後の話の中で語るとしよう。


 まぁそれはさておき、春風のその嫌そうな表情にレナは、


 「え、どうしたの?」


 と、頭上に「?」を浮かべながら尋ねると、


 「いや、俺、顔が()()()だからさ……」


 と、春風は自分の顔を指差しながら、暗い表情そう答えたので、


 「だ、大丈夫だよ! そりゃ私も最初に見た時は、『男ものの服を着た可愛い女の子』って思ってたけど、春風がれっきとした『男』だってのはわかってるし、もし誰かが何か言っても、私も『春風は男です』っていうから!」


 と、レナは大袈裟に手を振りながらそう言った。


 そんなレナを見て、春風は「不安だ」と言わんばかりの表情になり、


 「……実は昨日ヘリアテス様に、『俺、髪型変えた方がいいでしょうか?』と相談したら、『駄目です! 絶対に駄目です! そのままの方が良いです!』って、すっごい力強く言われたんだけど、レナはどう思ってる?」


 と、かなり不安そうにレナに向かってそう尋ねると、


 「駄目だよ! 春風はそのままの方がいいよ! だって可愛いんだもん!」


 と、レナはそう即答したので、


 「……」


 春風は無言でジト目になった。


 その瞬間、レナはハッとなって、「コホン」と咳き込むと、


 「と、とにかく、春風はそのままでいいの! 春風自身は『男』だってわかってるんだから、堂々としてれば良いんだよ!」


 と、親指を立てながら言った。


 そんなレナを見て、春風は「ふぅ」とひと息入れた後、


 「ああ、わかったよ。ま、先生とクラスのみんなと再会した時に、髪型変わってたらショックを受けるだろうしな」


 と、「やれやれ」と言わんばかりの表情でそう言った。

 

 それを聞いて、レナは「そうそう!」と何度も頷いたが、その後すぐに、


 「あのさぁ、私からも質問いいかな?」


 と、レナがそう言ってきたので、春風は「何?」と首を傾げた。


 「その……もしかしてだけど、春風、ルーセンティアに残してきた仲間に、『好きな子』っていうか『恋人』とかいるのかな?」


 と、恥ずかしそうにそう尋ねてきたレナ見て、春風は「ふ……」と不敵な笑みを浮かべて、


 「教えない!」


 と答えると、レナはムカッとなって、


 「こらぁ! ちゃんと教えなさい!」


 と、怒鳴ったが、


 「いつか教えるよぉ!」


 と、春風は「ごめんごめん」と軽く謝罪しながらその場から駆け出し、


 「あ、待ちなさい!」


 と、レナは怒った表情のまま、春風を追いかけた。


 その後、2人は漸く森を抜けて、そこから更に暫く歩くと、


 「ほら、()()()だよ春風!」


 と、レナがとある方向を指差した。


 それは、1週間前に見たルーセンティア王国王都に似たような、外壁と囲われた大きな「都市」のようだった。


 春風はその「都市」を見て、


 「もしかして、()()()が?」


 と、レナに尋ねると、


 「うん、そうだよ。あそこが私達の()()()、『中立都市フロントラル』だよ」


 と、レナは頷きながら答えた。


 そして、春風は「あそこが……」と言ってジッとその「フロントラル」という都市をジッと見つめると、


 (あそこ俺は……()()()()になるんだ)


 と、心の中でそう呟いた。

 


 

 どうも、ハヤテです。


 長らく派生作品を投稿していましたが、漸く一区切りがついたので、今日から本編第2部の始まりとなり、それに伴って、話も「第1話」と表記しました。


 第1部のラストから1週間後、準備を終えた主人公に、一体どのような出来事が待ち受けているのか?


 彼の今後の活躍に、ご期待ください。

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