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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会

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第21話 ダンス(?)が終わって・2

 今回は、いつもより短めの話になります。


 イヴリーヌとクラリッサ、2人の王女からの告白(?)を受け、彼女達の父親であるウィルフレッドのボケ(?)にツッコミを入れた春風は、


 「すみません、ちょっと外の空気を吸ってきます」


 と言うと、1人、会場の外に出た。因みにその際、


 「会場の近くまでだぞ」


 と、爽子にビシッとそう言われてしまい、


 「あ、はい。ありがとうございます」


 と、春風は「は、はは」と苦笑いを浮かべた。


 そして現在、


 「……」


 春風は会場の外で、1人夜空に浮かぶ月を眺めながら、物思いに耽っていた。


 (ほんと、何やってるんだろうな、俺……)


 と、「とほほ……」と呟きながらそう思っていた春風が、ふと視線を月から会場に向けると、ダンスが続いているのか音楽はまだ聞こえたので、それを聞いた春風は「ふ……」と鼻で笑うと、再び月を見上げた。


 その時だ。


 「はーるか」


 という声が聞こえたので、「ん?」と反応した春風がその声がした方へと振り向くと、


 「師匠……」


 そこにいたのは凛咲だった。


 凛咲は笑顔で春風に近づくと、


 「さっきの()()、凄く良かったわよ」


 と言ってきたので、春風はそれが歩夢酔っ払い男性から助けた時の事だという考えに至り、


 「あー、ありがとうございます」


 と、春風は「はは」と苦笑いを浮かべながらそう言った。


 その後、凛咲は再び春風に近づくと、


 「ん」


 「ん?」


 凛咲は春風に向かってスッと自分の右手を差し出した。


 それを見て、


 「あのー。その手は何ですか?」


 と、春風が恐る恐るそう尋ねると、


 「決まってるでしょ? 一曲、踊ってほしいの」


 と、凛咲はニコッと笑いながらそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「……俺、こんなカッコですが?」


 と、春風は自身の姿を指差しながらそう尋ねると、


 「大丈夫よ。私だっておんなじ格好しているんだから」


 と、凛咲は笑顔のままそう答えたので、その答えに春風が「うぐ」と呻くと、


 「それじゃあ……春風、師匠命令よ。私と踊りなさい」


 と、凛咲はキリッとした表情でそう言ってきた。


 その答えを聞いて、


 「んが! 師匠、狡いですよ!」


 と、春風は文句を言ったが、


 「……」


 と、凛咲に無言で見つめられてしまい、それに耐えられなかったのか、春風は「はぁ」と溜め息を吐くと、


 「……わかりました」


 と、諦めたかのようにそう言って、凛咲の手を取った。


 それから始まる2人のダンス。


 お互いドレス姿であるにも関わらず、会場から流れる曲に合わせて、2人は踊り続けた。


 そして、暫く踊っていると、


 「フーちゃん!」


 という声がしたので、春風は「う!」と呻きながらその声がした方へと振り向くと、


 「……あ」


 そこには、「むー!」と頬を膨らませている、歩夢、美羽、そしてレナがいた。


 彼女達の様子を見て、


 「えっとぉ、3人共……」


 と、春風はタラリと汗を流しながら、「何してるの?」と尋ねようとしたが、それを遮るかのように、


 「「「一緒に踊ってください!」」」


 と、3人からそう言われてしまったので、


 「……俺でよろしければ」


 と、その後、春風は歩夢、美羽、そして、レナの順に一緒に踊った。


 ただ、レナと踊ってた時に、


 (……ん?)


 「「ジー」」


 彼女の()()の視線が、春風に思いっきり突き刺さっていたが。


 そして、


 「ふぅ。なんか色々と疲れた」


 と、全員と踊り終えた春風がそう呟いた、まさにその時、


 「雪村君」


 という声が聞こえたので、春風は内心、


 (もう、今度は何だよ!?)


 と思いつつ、声がした方へと視線を向けると、


 「あれ? 正中君?」


 そこにいたのは、純輝だった。


 

 

 


 

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