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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会

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第17話 そして、開幕の時・4

 今回も、いつもより短めの話になります。


 「そんじゃ、ここは俺が動きますか」


 そう言うと、ヴィンセントは懐に手を入れて、そこから何かを取り出したのが見えたので、


 (ん? なんだあれ? マイクか?)


 と、春風は首を傾げた。


 見たところ、それはマイクのようにも見えたので、


 「ねぇ、水音。あれって……」


 と、気になった春風が、隣の水音に小さく声をかけると、


 「ああ、あれも魔導具で、春風が考えてる通り、マイクだよ」


 と、水音はコクリと頷きながらそう答えたので、


 (ああ、やっぱりマイクなんだ)


 と、春風は納得の表情を浮かべた。


 そんな春風を他所に、ヴィンセントはそのマイク型の魔導具に自身の魔力を込めると、


 「あー、テステス……」


 と、それに向かって呟いて、


 「どーも、お集まりの皆様」


 と、周囲の人達に向かってそう言った。


 その言葉に反応したのか、周囲の人達が一斉にヴィンセントに視線を向けてきたので、それを見たヴィンセントは小さな声で「よし」と言うと、


 「あー、ストロザイア帝国皇帝のヴィンセントだ。忙しい中、今日は集まってくれてありがとうな。で、何で今日はこんな宴を開いたかというと、みんなも知ってる通り、中立都市フロントラルに邪神が現れ、その邪神を異世界から召喚された『勇者』達が打ち破ったっつう事で、その祝いってな訳だ」


 と、周囲に向かってそう説明した。


 勿論、本当の理由は違うもので、その邪神ーーループスは今も生きてこのホールにいるのだが、この場には一部を除いて事情を知らない者が多く、彼らはヴィンセントの説明を聞いて、皆、「おお!」と声をあげた。


 当然、春風をはじめとした事情を知っている者達はというと、


 『は、ははは……』


 と、ヴィンセントの説明に、皆、苦笑いを浮かべていた。


 (ま、ある意味、嘘は言ってないんだけどねぇ)


 そんな春風達を他所に、ヴィンセントは更に話を続ける。


 「という訳で、説明は以上で終わり。堅苦しい話はこれくらいにして、それじゃあ各自、飲み物を手に取ってくれ」


 と、ヴィンセントがそう言い終わってすぐ、会場内に複数人のメイド(?)達が現れて、客人達に飲み物が配られた。


 当然、春風達にも配られて、


 「これ、お酒じゃないよな?」


 と、春風がそう疑問を口にすると、


 「大丈夫。普通のジュースだよ」


 と、水音はニコッと笑いながらそう言ったので、


 「そ、そうなのか」


 と、春風は若干疑いつつ、苦笑いを浮かべながらそう返事した。


 その後、


 「それじゃあ、邪神対勇者達の戦いの終わりを祝して……乾杯!」


 と、ヴィンセントがそう宣言すると、


 『乾杯!』


 と、春風達もそれに続くようにそう言った。


 そして、春風は配られた飲み物を一口飲むと、


 「はは、美味しいや」


 と、一言そう呟いた。


 それから暫く、各々がご馳走を食べたり周りの人達と楽しげに会話していると、


 「ん? なんだ?」


 会場内に複数人の楽器を抱えた人達が入ってきたので、


 「一体、何が起きてるんだ?」


 と、春風がそう疑問を口にすると、


 「ああ、そろそろダンスの時間だよ」


 と、水音がそう口にしたので、


 「……え?」


 と、それを聞いた春風は小さくそう声をもらした。

 


 

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