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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会
202/220

第5話 ジェフリー、「神の裁き」を受ける・2


 「ひ……ひ……ひぃあああああああ! 許してぇえええええええ!」


 そう悲鳴をあげると、ジェフリーは口からブクブクと泡を吹きながら気を失い、そんなジェフリーを、アマテラスら「地球の神々」は黙って見下ろしていた。


 その状況を見て、


 「す、スッゲェ。これぞ本当の『神の怒り』って奴か?」


 と、ヴィンセントはタラリと汗を流しながらそう呟き、それに続くように、


 「あ、ああ。そうみたいだな」


 と、ウィルフレッドもタラリと汗を流しながらそう呟いた。


 そして、春風はというと、


 (ああ、ジェフリー教主気を失っちゃったよ。まぁ、あんだけ沢山の神様に怒りを向けられたらそうなるよなぁ)


 と、ヴィンセントとウィルフレッドと同じようにタラリと汗を流しながら、心の中でそう呟いた。


 すると、アマテラスは1歩前に出て、


 「おい、何を勝手に気絶しているんだ? まだ『裁き』を与えてないぞ」


 と、気絶しているジェフリーに向かってそう言ったので、


 (ちょっと待てえぃ!)


 (ええ!? まだ続いてたのぉ!?)


 (もうやめたげて! 教主の生命力はもう0(ぜろ)よぉ!)


 と、春風だけでなくその場にいる者達の一部が心の中でそう叫んだので、


 「お、お、お待ちください地球の神様……!」


 と、ハッとなったウィルフレッドがアマテラス達を止めに入ろうとしたが、


 「ごめん、ちょっと黙ってて」


 と、アマテラスがチラッとウィルフレッドを見ながらそう言った次の瞬間、


 「うぐ!?」


 と、ウィルフレッドが何かに押しつぶされたかのように真っ白な地面に突っ伏したので、


 「え、お、おい大丈夫かウィルフゥ!?」


 と、ヴィンセントはすぐにウィルフレッドを立たせようとしたが、何故か全然動かす事が出来なかった為、すぐに春風達も手伝ったが、それでもウィルフレッドを起こす事が出来なかった。


 そんな彼らを他所に、アマテラスはジェフリーに向き直ると、


 「起きろジェフリー・クラーク」


 と、気を失ってるジェフリーにそう声をかけた。


 すると、ジェフリーは「う、うーん」と呻きながら目を覚まし、目の前のアマテラス達を見ると、


 「ひ、ひいい!」


 と、ジェフリーは大慌てでその場から少し離れて、


 「お、お、お許しください異世界の神々ぃ!」


 と、アマテラス達に向かって土下座したが、


 「悪いけどそうはいかないわ。自分達の都合で私達の世界の子供達を勝手に召喚しただけでなくその命までも奪おうとした。許す訳にはいかないのよ」


 と、アマテラスは冷たい口調でそう返したので、ジェフリーは「そんな!」と表情を絶望で染めた。


 そして、


 「よって、これよりお前に『神罰』を与える」


 と、アマテラスは冷たい口調のままそう言うと、近くにいたループスを拾い上げて、


 「この可愛らしい姿のループスをひたすらモフモフしなさい!」


 と、ジェフリーにズイッと差し出しながらそう言い放った。


 その言葉を聞いて、ジェフリーだけでなく春風達までもがポカンとなったが、


 『いや、それ神罰になりますかぁ!?』


 と、ハッとなった春風達はアマテラスに向かってそう尋ねたが、


 「そ、そ、そんなぁ! それはつまり、五神教会教主である私から、ラディウス様達への『信仰心』を奪うという事ですかぁ!?」


 と、ジェフリーはショックで顔を真っ青にしたので、


 「その通りよジェフリー。お前の中にあるアイツらへの『信仰心』を消す。それが、私達がお前に与える『神罰』よ」


 と、アマテラス真剣な表情でそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「あれ? なんか凄い話が進んでない?」


 「うーん。多分ここは笑ってはいけないところだろうね」


 「そうね。それこそこっちまでとばっちり受けるかも……」


 と、春風達が小声でそう話し合ってる中、


 「うおおおおお! そんなぁ! なんという恐ろしい『神罰』をぉおおおおお!」


 と、絶望に満ちた表情でジェフリーはそう叫んだが、


 「あ〜、このモフモフたまんねぇわぁ」


 と、もう既にジェフリーにモフモフされてるループスはというと、余程気持ち良いのか表情は凄く幸せそうだったので、それがなんとも言えない異様な雰囲気となっていた。


 その後、


 「さて、裁きはこんなところね」


 と、アマテラスはそう言うと、指をパチンと鳴らした。


 次の瞬間、それまでいた真っ白い空間から一変して、元のフロントラルの外に戻ったので、


 (ああ、良かったぁ。無事に戻れたみたいだな)


 と、春風はホッと胸を撫で下ろした。


 すると、


 「それじゃあ、コッチはこれで終わりとして……春風君」


 と、アマテラスが急に声をかけてきたので、


 「は、はい、何ですか!?」


 と、春風はビクッとしながらそう返事すると、


 「ランクアップ、おめでとう!」


 と、アマテラスは笑顔でそう言ったので、それに春風が「え?」と反応すると、少しの間フリーズした後で、


 「あ、ありがとう……御座います」


 と、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら言った。

 


 



 


 

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