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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会
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第4話 ジェフリー、「神の裁き」を受ける


 「アマテラス」こと「天照大神」。


 「ツクヨミ」こと「月読命」。


 「スサノオ」こと「須佐之男命」。


 日本神話を代表する3柱の神々は今、1人の男に対してもの凄いプレッシャーを放っていた。


 そしてアマテラス達を前に、その男ーー五神教会教主のジェフリーはというと、


 「あわわわわわ……」


 と、自身の目の前にいるアマテラス達を見て、今にも腰が抜けるんじゃないかと思われるくらいガタガタと震えていた。


 そんなジェフリー達の状況を、春風達がゴクリと唾を飲みながら見ていると、


 「さて、ジェフリー・クラーク」


 と、アマテラスが静かにそう口を開いたので、それにジェフリーがビクッとなると、


 「あなたが犯した「過ち」は、春風君の目を通して()()見させてもらったわ」


 と、アマテラスは少し強めの口調でそう言ったので、


 「あ、過ち? す……全て……とは?」


 と、ジェフリーは体を震わせたまま恐る恐るそう尋ねた。

 

 その質問に対して、


 「わかっている筈よ?」


 と、アマテラスは強めの口調のままそう呟くと、


 「()()、水音君達を『人間爆弾』にしようとしただろ?」


 と、目を細めながらジェフリーに向かってそう尋ねた。


 その質問を聞いて、ジェフリーは「ひぃい!」と悲鳴をあげながら更に震え上がり、


 (あ、『爆散の腕輪』の件か)


 と、春風はループスと戦う直前での事を思い出して、納得の表情を浮かべた。


 まぁ、それはさておき、アマテラスの質問を聞いて、


 「そ……それは……そのぉ……」


 と、ジェフリーは何か言い訳をしようとしたが、それを遮るかのように、


 「それだけでもかなり許せないが、君が犯した「過ち」はもう1つある」


 と、今度はツクヨミが静かに口を開いたので、


 「も……もう……1つ?」


 と、ジェフリーが体をブルブル震わせた状態のまま再びそう尋ねると、


 「あぁ? 覚えてねぇのか?」


 と、今度はスサノオが乱暴な口調でそう尋ね返すと、


 「『勇者召喚』が行われたあの日、お前、騎士や神官達に『春風を殺せ』と命令しただろが!?」


 と、ジェフリーに向かって怒鳴るようにそう続けた。


 その言葉を聞いて、


 「ひ、ひぃいいい! そ、それは……それはぁあ!」


 と、ジェフリーはその時の事を思い出し、それがキッカケになったのか体のバランスを崩して、とうとう腰を抜かしてしまった。


 一方、春風の方はというと、


 「ああ、そういえばそんな事もあったなぁ」


 と、ジェフリーと同じようにその時の事を思い出して、「ああ、懐かしいなぁ」と言わんばかりにホッコリした表情になったので、


 「いや春風! そこでホッコリしないで! 君、殺されそうになったんだから!」


 と、隣りに立っていた水音にそう突っ込まれてしまった。


 まぁ、それはさておき、スサノオからもう1つの「過ち」を指摘されたジェフリーはというと、


 「あ、あ、あれの事でしたらそのぉ、なんと申しますか……」


 と、アマテラス達を前に再び何か言い訳をしようとしたが、またそれを遮るかのように、


 「ああ、そうそう。因みにこれらの事で怒ってるの、私達だけじゃあないんだよねぇ」


 と、アマテラスが意地の悪そうな笑みを浮かべながらそう言うと、パチンと自分の指を鳴らした。


 次の瞬間、周囲の景色が一瞬で変わり、先ほどまでいたフロントラルの外ではなく、見渡す限りの何もない真っ白な空間になっていたので、


 『え、何!? 何事!?』


 と、春風を除いた周囲の人々が驚きのあまり周りをキョロキョロと見回し始めた。


 その時だ。


 春風達の上空(?)に、1人、また1人と、アマテラス達と同じようなワイシャツとジーンズ姿をした老若男女が現れたのだ。


 その数、ざっと数百……いや、もしかしたら数千いるかもしれない。


 いきなり現れた大人数の老若男女達に、ジェフリーだけでなく、


 『な、なんじゃありゃあ!?』


 と、周囲の人達が驚いていると、


 「あー、皆さん紹介します、アマテラス様達と同じ『地球の神々』です」


 と、ただ1人、落ち着いた様子の春風がそう紹介したので、


 『ま、マジで!?』


 と、皆、驚きのあまり目玉が飛び出そうなくらい大きく目を見開いたので、


 (うん、まぁそんな反応するよな)


 と、春風は「はは」と苦笑いした。


 そんな春風達を前に、


 「そう、今春風君が言ったように、彼、彼女達は私達と同じ『地球の神々』よ」


 と、アマテラスが上空にいる他の『地球の神々』を見ながらジェフリーに向かってそう紹介すると、


 「ひ、ひぃいいいいいいい!」


 と、ジェフリーは腰を抜かしたままそう悲鳴をあげた。


 そして、


 「でもって、お前が犯した『過ち』は、もう全員が知ってるんだぜぇ」


 と、スサノオが悪そうな笑顔でそう言うと、


 「お、お……お許し……く、くださ……」


 と、ジェフリーは恐怖のあまりアマテラス達に許しを乞おうとしたが、


 『許さん! 貴様に裁きを与える!』


 と、アマテラス、ツクヨミ、スサノオだけでなく『地球の神々』全員にそう言われてしまい、


 「ひ……ひ……ひぃああああああああ! 許してぇえええええええ!」


 と、ジェフリーがそう悲鳴をあげると、最後に白目をむいて口からブクブクさせて、


 「う〜ん……」


 そのまま気絶するのだった。


 

 

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