表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第3部第1章 開幕、祝勝会
200/220

第3話 ジェフリー、異議を申し立てる?


 それは、遡る事数時間前、春風達が「ストロザイア帝国」に行く事が決まった時の事だった。


 「それじゃあみんな、早速魔導飛空船に……!」


 と、ヴィンセントがその場を仕切ろうとしたその時、


 「ちょっと待っていただきたい!」


 という怒鳴り声が聞こえたので、それを聞いた春風が「ん?」と声がした方へと振り向くと、


 (ジェフリー・クラーク教主?)


 そこには、如何にも「怒ってます!」と言わんばかりの表情をしているジェフリーがいた。


 そんなジェフリーに向かって、


 「ど、どうしたのだクラーク教主?」


 と、ウィルフレッドが恐る恐るそう尋ねると、


 「どうしたもこうしたもありませんぞ! つい状況に流されてしまいましたが、ヴィンセント皇帝陛下、帝国で祝杯をあげようなど、勝手な事は許しませんぞ!」


 と、ジェフリーはチラリとヴィンセントを見ながらそう答えたので、


 「え〜? 良いじゃねぇかよぉ。何処で祝おうが変わんねぇじゃねえかよぉ」


 と、ヴィンセントは不満そうな顔でそう返し、それに続くように、


 「そうよそうよぉ。良いじゃないのよぉ」


 と、キャロラインも不満そうな顔でジェフリーに向かってそう言った。


 2人のために言葉を聞いて、


 「な、何ですとぉ!?」


 と、ジェフリーが更に怒りに満ちた表情でそう言うと、


 「と、とにかくですウィルフレッド陛下! ストロザイア帝国で祝杯など、私は断固として反対ですぞ!」

 

 と、ウィルフレッドに向かって怒鳴るようにストロザイア帝国行きを反対した。


 するとその時、


 「ジェフリー・クラーク教主」


 と、ウィルフレッドが真剣な表情でジェフリーをフルネームで呼んだので、


 「な、何でしょうかウィルフレッド陛下?」


 と、それにジェフリーが警戒していると、


 「其方の気持ちはなんとなくだがわかるつもりだ。だが、私も言わせてもらう」


 と、ウィルフレッドが更に真剣な表情でそう言った。


 そして、その言葉に春風をはじめとした周囲の人達が、


 (な、なんだ? 何を言う気なんだ!?)


 と、緊張のあまりタラリと汗を流していると、ウィルフレッドはカッと目を見開いて、


 「()()()()でそんな言葉を吐かれても、なんの説得力もないぞ!」


 と、ジェフリーに向かってそう言うと、ジェフリーだけでなく春風達までもが、


 『……え?』


 と、首を傾げた。


 そんなウィルフレッドの言葉を聞いて、


 (『その状態』って……)


 『あ』


 と、春風達がジェフリーの今の状態を見てそう声をもらしたので、


 「え、な、何を見ているのですか?」


 と、ジェフリーが狼狽えていると、


 「……ん?」


 自身の右手が、とある方向に向かって伸びているのが見えたので、その手の先をよく見ると、


 「あああああ! じゃ、邪神ループス!」


 「ヤッホー」


 そこには「邪神」ことループスの姿があった。そして、そんなループスに向かってジェフリーの右腕が伸びようとしていたので、


 「うおおおおお! これは違う! 違うのですぞぉおおおおお!」


 と、ジェフリーは必死になってその伸びようとしている右腕を戻そうとした。


 そんな状態のジェフリーを見て、


 (ああ、そういえばこの人、さっきまでループス様をモフモフしてたっけなぁ)


 と、春風が心の中でそう呟いていると、


 「クックック。さぁジェフリー・クラークよ、遠慮する事はないぞ! 貴様の気の済むまで、この俺を好きなだけモフモフするがいい! そしてひと通りモフモフし終えた時、貴様は人類が崇める5柱の神々からこの俺とヘリアテスに信仰が変わるのだぁあああああ!」


 と、ループスは声高々にそう言い、最後に「アーッハッハッハァ!」と笑ったので、


 「グオオオオオオオ! ひ、卑怯だぞ邪神め! 五神教会の教主であるこの私にぃ! 偉大なる5柱の神々を裏切れと言うのかぁあああああ!?」


 と、ジェフリーは必死に抵抗しながら、ループスに向かってそう言った。


 そんな1人と1柱のやり取りを見て、


 (うわぁ、ループス様すっごい悪い顔してるなぁ)


 と、春風が若干ドン引きしていると、


 「それじゃあ、次は私達からも言わせてもらおうかしらねぇ」


 と、何やら不穏な声が聞こえたので、その言葉に春風だけでなく周囲の人間達、更にはジェフリーまでもが「う!」と呻いたので、


 (こ、この声は……まさか!?)


 と、春風はギギギという音を出しながら、ゆっくりと声がした方へと振り向くと、


 (あああああ! アマテラス様にツクヨミ様にスサノオ様ぁ!)


 そこには、日本神話を代表する神である、アマテラス、ツクヨミ、そしてスサノオの姿があった。

 


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ