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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
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第161話 ランクアップ、「〇〇賢者」

 遅れてすみません。


 「俺は、ランクアップします!」


 そう言って、ウインドウ画面に記された「はい」の部分に触れた春風。


 次の瞬間……。


 ーーブワッ!


 「うわぁ!」


 その「はい」から黒いエネルギーのようなものが噴き出てきて、春風の全身を包み始めた。


 「な、な、何だよこれぇ!?」


 突然の事に戸惑う春風。


 そんな春風の様子を見て、


 「「春風ぁ!」」


 「フーちゃん!」


 と、驚いたレナ、水音、歩夢はすぐに春風の傍へと駆け寄ろうとしたが、何か強い力が働いているのか、3人はその場から動く事が出来ずにいた。


 勿論、

 

 「く! う、動けない!」


 「オイオイオイ! 一体何だってんだよぉ!?」


 「な、何で動けないのぉ!?」


 それは他の人達も同様だった。


 このままでは春風に何が起きるかわからないと誰もがそう思ったその時、


 「私が行きます!」


 「あ、グラシアさん!」


 戦いの前に予め外へと出されていたグラシアが、春風のもとへと飛び立った。


 そして、春風が黒いエネルギーに完全に包まれるまでもう少しというところで、


 「春風様!」


 グラシアは見事に間に合い、春風と共に黒いエネルギーに包まれた。


 それから少しして、


 「春風様。春風様」


 「……あ、グラシアさん」


 名前を呼ぶグラシアの声を聞いて、春風は目を覚ました。といっても、周囲は見渡す限り真っ暗なので、その姿は見えないが。


 「春風様、大丈夫ですか?」


 「あ、はい。俺は大丈夫ですが、グラシアさんは?」


 「私も大丈夫です。どうやらお互い特に問題はないですね」


 と、グラシアがそう言った瞬間、春風は自身のランクアップにグラシアを巻き込んでしまったという事に気付き、


 「すみませんグラシアさん。こっちの事に巻き込んでしまって」


 と、申し訳なさそうに謝罪すると、


 「いいえ、こちらに来たのは私自身の意志です。春風様は、何も気にする事はありませんよ。ですから、安心してください」


 と、グラシアは優しくそう言ってきたので、


 「……ありがとうございます」


 と、春風は穏やかな笑みを浮かべながらお礼を言った。


 その時だ。


 春風の全身が、白い光に包まれ始めたのだ。


 最初は「う! な、何!?」と不安になった春風とグラシアだったが、光が全身にまで達した時にはその不安はなく、寧ろ「気持ちいい」と感じるようになった。


 (ああ、何だか妙な感じだ。でも、悪くないな……)


 そう思った春風は、まるで眠るようにゆっくりと目を閉じた。


 すると、


 「春風! 春風ぁ!」


 「ふえ!?」


 必死になって自分の名前を呼ぶ声がしたので、春風は思わずハッとなった。


 頭がボーッとしているのか、最初はその声が誰のものかわからなかった春風。


 しかし、意識が次第にハッキリしたのか、春風は目の前にいる人影をジッと見つめた。


 「……あ、レナ」


 その正体は、目に大粒の涙を浮かべているレナだった。


 いや、レナだけではない。


 「ふ、フーちゃん」


 「春風君」


 「あれ? ユメちゃんに美羽さん?」

 

 彼女のすぐ横には、同じく目に涙を浮かべている歩夢と美羽の姿もあった。


 そんな彼女達を見て、


 (……あれ? 何で3人共泣いているんだ?)


 と、春風は頭上に「?」を浮かべていると、


 「ハニー!」


 という声と共に、背後からいきなり誰かが抱きついてきたので、春風は思わず「ぐえ!」と呻いた後、すぐに後ろを振り向くと、


 「し、師匠!?」


 そこには、まるで心配そうに春風を見つめてくる凛咲がいた。


 あまりの事態に、


 (え、何!? 何なの一体!?)


 と、春風は混乱しながらも周囲を見回すと、そこには凛咲と同じように心配そうな表情で春風を見つめてくるアメリアら春風の仲間達と、爽子やクラスメイト達に、ウィルフレッドとイヴリーヌ、ヴィンセントら皇族達に、フロントラルの住人達の姿もあったので、


 「あのー……どうしたんですか皆さん?」


 と、春風は恐る恐るそう尋ねると、


 「『どうしたんですか?』じゃないだろ! 春風がいきなり変な黒いものに包まれたんだから、みんな心配してたんだよ!」


 と、近くにいた水音が怒鳴るようにそう答えた。そして彼に続くように、他の人達も「うんうん!」と力強く頷いた。


 春風はその瞬間、みんなが自分の事を心配してくれたんだと理解して、


 「あ、ああそうだったんだ。皆さん、心配かけてすみませんでした!」


 と、春風は周囲に向かって深々と頭を下げて謝罪した。


 すると……。


 ーーブオン!


 「わ! 今度は何……って、あ」


 いきなり自身の目の前に、先程のものと同じウインドウ画面が現れたので、春風だけでなく周囲の人達までもが、「何だ何だ!?」と春風と一緒になってその画面を見た。


 春風はそれに多少の鬱陶しさを感じたが、


 (『ランクアップ』か。もしかして、俺、ついに『賢者』に!?)


 と、ワクワクしながら、そのウインドウ画面に記された文章を読み始めると、そこには、こう記されていた。


 ーー職能のランクアップが完了しました。


 ーー固有職能「見習い賢者」は……。


 『(ドキドキ)』


 ーー固有職能「()()()()」へとランクアップしました。


 その文章を見た瞬間、


 『……は?』


 皆、一斉にそう声をもらした。

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ませんでした。


 本当にすみません。

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