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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
192/220

第160話 ランクアップ?

 本日2本目の投稿です。


 「……は? ら、ランクアップ?」


 突如、目の前に現れたウインドウ画面に記されたその文字を見て、春風はポカンとなった。


 そんな様子の春風を見て、


 「は、春風、どうしたの?」


 と、レナが恐る恐る尋ねると、春風はハッとなって、


 「いや、なんか俺の職能が『ランクアップ』っていうのが出来るようになったみたい」


 と、ゆっくりとレナに視線を向けながら答えた。


 その瞬間、


 「「なぁにぃいいいいいいい!?」」


 と、驚いた表情をしたウィルフレッドとヴィンセントが、もの凄い勢いで春風に詰め寄ってきたので、


 「うわ! ちょ、どうしたんですかウィルフレッド陛下にヴィンセント陛下!?」


 と、春風は突然の事に戸惑いながらも、2人に向かってそう尋ねると、


 「は、は、春風殿! 今、其方が申したのは真の話なのか!? それはつまり、其方の職能が()()するという事なのか!?」


 「どうなんだ春風!? ユニークか!? 固有職保持者故のイベントみたいなものなのか!?」


 と、ウィルフレッドもヴィンセントも、鼻息を荒くしながらそう尋ね返した。


 大国のトップ達の尋常じゃない様子に、


 「あ、あのぉ、一体どうしたのですか? 雪村の身に起きた事は、そんなに珍しい事なのですか?」


 と、爽子が恐る恐る「はい」と手を上げながらそう尋ねると、2人は「むむ!」と爽子の質問に反応して、


 「当然だ! 何せ進化する職能など聞いた事がないからな!」


 「おうよ! 帝国(うち)も長い事職能について研究していた事があるが、『ランクアップ』なんて生まれて初めて聞いたんだからな! これが興奮せずにいられるかってんだ!」


 と、興奮した様子でそう答えた。


 その答えを聞いて、爽子だけでなく、春風達までもが「え? え?」と困惑していると、


 「2人共、落ち着いて」


 と、いきなり現れたキャロラインが、2人の頭をガシッと鷲掴みにした。


 そして、頭を掴む力が徐々に増していったのか、


 「「ぎゃあああああ! 痛い痛い痛いいいいいいい!」」


 と、ウィルフレッドとヴィンセントは同時に悲鳴をあげた。


 当然、それを見た春風達は「あわわ……」と皆、顔を真っ青にしながらブルブルと体を震わせていた。


 その後、キャロラインは大人しくなった2人を見て、「よしよし……」と小さな声でそう呟くと、未だに困惑している春風達に向かって、


 「あのね、みんなが持ってる『職能』って、レベルが上がると色んな『恩恵』が与えられるって話は知ってるわよねぇ?」


 と、尋ねてきたので、その質問を聞いた春風達はハッと我に返ってコクリと頷いた。それを見た後、キャロラインは話を続ける。


 「まぁ、『色んな恩恵』って言っても、ようはレベルアップする事で身体能力が強化されたり、持っている『職能』にちなんだスキルが与えられるってだけで、『職能』そのものが進化するなんて、聞いた事がないのよぉ」


 おっとりとした口調でそう説明したキャロラインに、春風達は「え、マジで!?」と言わんばかりに大きく目を見開いていると、


 「……その通りです。私も教主になってからも、人が『職能』が与えられるところを見た事があります。しかし、その誰もがキャロライン様が言うように、レベルが上がると身体が強化されるか、新たなスキルを覚えるくらいで、『ランクアップ』が出来るなど聞いた事もないのです」


 と、暗い表情をしたジェフリーがそう説明すると、


 (えぇ? 教主殿も知らなかった事なのこれ? 大丈夫なのかなぁ)


 と、春風はちょっと……いや、かなり不安そうな表情になった。


 その時だ。


 「さて、春風ちゃん」


 「ふあ!? は、はい!」


 いきなりキャロラインに名前を呼ばれたので、春風は思わず背筋をピンと伸ばしながらそう返事すると、


 「春風ちゃんは、どうしたいのかな?」


 と、キャロラインは真剣な表情でそう尋ねてきたので、春風は思わず「あ……」と声をもらした。


 その後、春風は再びウインドウ画面をジッと見つめると、ニヤリと笑いながら、


 「そんなの……決まってるじゃないですか」


 と返事した後、


 「勿論、2つの世界を……俺の大切なものを守る為に!」


 と、春風はそう言うと、


 「俺は、ランクアップします!」


 ウインドウ画面に記された、「はい」の部分に触れた。


 次の瞬間、春風の視界が真っ黒に染まった。


 

 

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