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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
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第144話 春風と勇者達vsループス・3


 ループスの分身達によって、それぞれ分断されてしまった春風と勇者達。


 今、その4体の分身達の前に、勇者ことクラスメイト達が5人づつ配置されている形となっている。


 そして、春風の前にはというと、


 「る、ループス様……」


 「フッフッフ……」


 ループス本人が目の前にいる状態で、そんな春風と共にいるのは、水音、爽子、正中、そして「力石君」と呼ばれていたクールそうな印象の少年の4人だ。彼らも今、目の前にいるループスを見て、緊張のあまりタラリと冷や汗を流していた。


 そんな春風達を前に、ループスはキラリと目を輝かせると、


 「ええっと。俺の前にいるのは、雪村春風と桜庭水音。そして、朝霧爽子に、正中(まさなか)純輝(じゅんき)力石(りきいし)煌良(あきら)、か」


 と言ってきたので、


 「ど、どうして、僕達の名前を……!?」


 と、正中は自身の名前を呼ばれた事に思わずビクッとなった。


 そんな正中……いや、以降は純輝と呼ぶ事にしよう。そんな純輝とは対照的に、


 「流石は『神』……といったところか」


 と、同じく名前を呼ばれた「力石煌良」という少年……こちらも以降は煌良と呼ぶ事にしよう。とにかく、驚く純輝とは対照的に、煌良はタラリと汗を流しながらも、落ち着いた口調でそう呟いた。


 そんな煌良や純輝、そして春風、水音、爽子を前に、


 「ほほう、勇者達の中でもかなり高い能力を持った者達か。まさにこの俺の相手に相応しいって訳だな」


 と、ループスはまるで分析するかのような表情でそう言うと、


 「あ、あれ? 俺は? 勇者じゃないですけど俺は?」


 と、春風が「ちょっと待って」と言わんばかりにそう尋ねてきたので、それにループスは「ん?」と反応すると、


 「お前か? お前は……ノーコメントで」


 と、申し訳なさそうにそう答えた。


 それに春風が「え、ちょっと!?」1歩前に出ようとしたが、


 「春風、取り敢えず落ち着いて」


 と、水音にガシッと肩を掴まれてしまい、春風はその場に踏みとどまった。


 その後、春風は水音が言うように気持ちを落ち着かせようと深呼吸すると、


 「先生、この状況どうしますか? 俺と違って先生達は『勇者』ですから、簡単にやられたりはしないでしょうけど……」


 と、爽子に向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、爽子は「それは……」と呟くと、手に持ってる長剣を翳して、


 「みんな、『神器』を使うぞ!」


 と、叫んだ。


 その叫びを聞いて、水音、純輝、煌良だけじゃなく、分身達の前にいるクラスメイト達が、


 『はい!』


 と、返事すると、爽子と同じように自分達の武器を翳して、


 『[神器召喚]!』


 と、爽子と一緒になってそう叫んだ。


 次の瞬間、持っている武器が白い光に包まれて、別の形へと姿を変えた。


 それは、「天使の翼」を思わせる装飾が施された、何処か神々しいものを感じさせる純白の武器だった。


 爽子達のその武器を見て、


 「おお、()()()()の力を感じるな。全く、腹立たしい事このうえないぜ」


 と、ループスは忌々しいものを見るかのような表情になった。


 そんなループスを前に、


 「雪村」


 と、爽子が声をかけてきたので、


 「何ですか先生?」


 と、春風がそう返事すると、


 「強化系の魔術は持ってるか?」


 と、爽子はそう尋ねてきた。


 その質問に春風は、


 「はい。風、炎、土の強化魔術を持ってます」


 と、真面目な表情でそう答えると、爽子は「そうか」と言って、


 「私が合図したら、すぐにそれをかけてくれ」


 と、真っ直ぐループスを見つめたままそう言ったので、


 「わかりました」


 と、春風はそれを了承した。


 すると、


 「春風、それなら僕にもかけてくれ」


 と、水音も爽子と同じようにそう言い、更に、


 「ぼ、僕にも頼む!」


 「俺にもだ」


 と、純輝や煌良までもがそう言ったので、


 「オッケー。それじゃあ全員にかけるよ」


 と言って、春風は持っている愛用の杖をグッと握り締めた。


 それと同時に、爽子達は神器を構え直して戦闘準備に入り、ループスまでも、


 「フン。来るなら来い。返り討ちにしてやるぜ」


 と、爽子達と同じように戦闘準備に入った。


 そして、お互い睨み合う両者の間をヒュウッと風が吹き抜けると、


 「雪村、頼む!」


 と、爽子がそう叫んだので、


 「『アクセラレート』! 『ヒートアップ』! 『プロテクション』!」


 と、春風は爽子、水音、純輝、煌良の4人に、風、炎、土属性の強化魔術をかけた。


 その瞬間、4人の体が、緑、赤、オレンジの光に包まれた。


 その光を受けて、


 「す、凄い、力が漲ってくる!」


 と、純輝がそう感じていると、


 「みんな、行くぞ!」


 と、爽子がまたそう叫び、それを聞いて、


 「「「はい!」」」


 と、魔術を受けた3人が返事すると、一斉にループスに突撃した。


 


 

 


 

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