表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
174/220

第142話 春風と勇者達vsループス

 今回はいつもより短めの話になります。


 ループスとの対決前に、五神教会教主ジェフリーと再会するという()()()()()()()()()()があったが、今、中立都市フロントラルから少し離れた平原で、「見習い賢者」の春風と、爽子ら24人の勇者達が、王族、皇族、そしてフロントラルの住人達に見守られる中、そのループスと対峙していた。


 「フッフッフ。どうやら、そっちも準備は出来ているみてぇだな」


 と、ループスが不敵に笑いながらそう口を開いたが、


 『……』


 春風と勇者達は、無言で真っ直ぐループスを見つめるだけだった。それを見て、


 「オイオイ、無視かよ」


 と、ループスがガックリと肩を落としながら呟いたそんな時、


 「みんな、駄目な教師で本当にごめんなさい。でも安心して。いざとなったら、私がみんなを守るから」


 と、爽子がループスを見つめながらそう言ったが、


 「大丈夫です、先生」


 と、春風もループスを見つめながらそう返事をして、それに続くように、


 「ええ、先生1人に押し付けたりなんてしません」


 「そうだぜ先生! 俺らだって『勇者』なんだしさ!」


 「うんうん、ここで逃げる訳にはいかないもんね!」


 と、他の勇者ことクラスメイト達も、ループスを見つめながらそう言った。その言葉を聞いて、


 「……私って、本当に駄目な教師だなぁ」


 と、爽子は申し訳なさそうに顔を下に向けたが、


 「ありがとう」


 と、すぐに再び真っ直ぐループスを見つめながらお礼を言うと、


 「じゃあ、いくよ」


 と、爽子が腰のベルトに挿した自身の武器である長剣を、ゆっくりと鞘から引き抜き、それを構えた。


 そして、爽子に続くように、春風と他の勇者達も、それぞれ自身の武器を構えた。


 ループスはそんな春風達を見て、


 「お、みんな良い目をしてるなぁ。若干震えている奴もいるけど」


 と、ニヤリと笑いながら言うと、


 「そんじゃ、こっちも戦闘態勢に入りますか」


 と言って、スーッと息を吸うと、空に向かって、


 「ワオオオオオオオオン!」


 と、大きな声で吠えた。


 その声に春風達がビクッとなった次の瞬間、ループスの周りに、4体の黒い獣が現れた。


 見た目は熊、蛇、大鷲、そして虎なのだが、どの獣も春風達より2回り程大きく、とても強そうだった。


 その獣達を見てタラリと冷や汗を流す春風達に向かって、


 「どうだ、スゲェだろ?」


 と、ループスが挑発するかのようにそう尋ねると、


 「あ、あの、ループス様。コイツらは一体……?」


 と、爽子が恐る恐るそう尋ね返してきたので、


 「俺が作った分身体だ。世間じゃ確か『邪神の眷属』って呼ばれてたな。他にも数体程いるが、コイツらは俺が作った中でも最高の出来映えなんだわ」


 と、ループスは周囲にいる4体の獣……自身の分身体を見回しながらそう説明した。


 その説明を聞いて、春風達がゴクリと唾を飲んでいると、


 「さて、春風。そして、勇者さん達や。怖かったら『怖い』って言って良いんだし、逃げたいなら逃げ出したって良いんだぞぉ? 別に責めたりしねぇし」


 と、ループスが再び挑発するかのように言った。


 その言葉に「ムム!」となったのか、春風達は戦闘態勢を解いたりせず、寧ろ、


 『かかってこいやぁ!』


 と、全員がそう言わんばかりにそれぞれ武器を握る力を強くした。


 それを見て、


 「ほほう。どうやら根性はあるみてぇだな」


 と、ループスは小さな声でそう呟くと、


 「お前達! 戦闘開始だ!」


 と、周囲にいる自分の分身体に向かってそう命令した。


 そして、その命令を受け入れたのか、


 『グオオオオオオオ!』


 と、4体の分身体達が一斉に叫び出し、春風達に向かってもの凄い勢いで突撃してきた。


 それを見た爽子は、


 「来たぞ! みんな、こっちも戦闘開始だ!」


 と、叫び、それに応えるかのように、


 『おおおおおっ!』


 と、春風と他の勇者達も叫んだ。


 そして、


 「行くぞ!」


 と、爽子が再びそう叫ぶと、春風達と共にループスの分身体に突撃した。


 そう、今まさに、世間から見たら「勇者と邪神の戦い」が始まったのだ。


 


 


 


 


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ