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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
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第131話 春風が「弟子」になった理由


 春風と凛咲の「運命の出会い」を聞いて、爽子とクラスメイト達からツッコミを入れられる一方、エルード勢はというと、


 「ブワッハッハッハァ! おもしれーなあいつ! なぁ、ウィルフよぉ!」


 「はは。そうだなヴィンス……」


 「さ、流石です、春風様……」


 「あらあらぁ、春風ちゃんったらやるじゃない!」


 「は、はは。そうですね母上」


 「……」


 と、王族&皇族達は春風のやった事を褒めた。特にイヴリーヌは春風の行動に、「素敵です!」と言わんばかりに表情を明るくし、何故かアデレードも頬を赤くしていた。


 そして、レナをはじめとした春風の仲間達も、


 「は、春風……」


 「春風様、年上相手になんて凄いセリフを……」


 「た、確かに凄かったな」


 「う、うん……」


 「アニキ、小さい頃から凄かったんだな……」


 「ハル兄、かっこいい」


 と、春風のやった事を聞いて、皆、顔を赤くしていた。特にピートはというと、まるでヒーローを見るかのように目をキラキラとさせながら春風を見た。


 さて、そんな状況の中、


 「あ、あのぉ、もうよろしいでしょうか?」


 と、流石に恥ずかしくなったのか、春風が顔を真っ赤にしながら、爽子に向かってそう尋ねると、


 「いいや駄目だ。まだ、()()1()()()()()()を聞いてない」


 と、爽子はギロリと春風を睨みながらそう断ってきたので、


 「え、えぇ何ですか? もう勘弁してほしいんですけど……」


 と、春風は「冗談だろ?」と言わんばかりの表情で再びそう尋ねた。


 その質問に、爽子は答える。


 「決まってるだろ、ここまで来たら話してもらうぞ。お前が陸島さんの『弟子』になった経緯を!」


 その答えを聞いて、


 「あー、それも話さなきゃ駄目ですか?」


 と、春風がタラリと汗を流すと、


 「当然だ」


 と、爽子にそう返されてしまった。そんな爽子に続くように、周りの人達も皆、「うんうん」と頷いていたので、春風は「はぁ……」と溜め息を吐くと、チラリと凛咲を見た。その視線を受けた凛咲は、「はは……」と苦笑いして、


 「わかってる。私も説明するから」


 と、春風向かってそう言った。


 春風はそれを聞いて、「はぁ……」と再び溜め息を吐くと、爽子に視線を戻して説明を始めた。


 「あの事件以来、俺と師匠はちょくちょく会うようになりました。本当ならもう会う事はないだろうって思ってたんですけど、別れ際に……」


 ーーまた、私と会ってくれるかな?


 「なんて事を言われてしまいまして……」


 「いやん、恥ずかしい」


 と、春風と凛咲がそう言うと、


 『なぁにぃいいいいいっ!?』


 『キャアアアアアッ!』


 と、周囲からそう叫び声があがったので、春風はギョッとなったが、それをスルーして説明を再開した。


 「も、勿論、その場にはユメちゃん達もいましたので、師匠に会う際は必ずユメちゃんも一緒にという事になりました。で、そんな流れで、師匠は俺の両親やユメちゃんの家族とも交流するようになったんです。ああ、因みにその頃はまだ『師匠』と『弟子』の関係ではなくて、年の離れた『友人』が出来た感じなんです」


 その説明を聞いて、爽子が「そうなんですか?」と凛咲を見ると、凛咲はコクリと頷きながら、


 「言ったわよね? あの頃私は『悲しい出来事に遭った』って。で、その悲しい出来事っていうのが……()()()()()()()()()()()っていう話なの」


 と、僅かに「悲しみ」が込められた表情で言った。その言葉に爽子だけでなく周囲までもが「え?」となると、


 「ああ、そんな顔しないでよ。家族を亡くした時は本当に悲しくって、その所為で生きる気力を失いかけたけど、春風や春風のご両親に、ユメちゃんとユメちゃんの家族、それと色んな人達のおかげで、こうして前向きに生きられるようになったんだから」


 と、凛咲は「気にすんなって」と言わんばかりに両手をブンブンと振りながら言った。


 そんな凛咲の様子を見て周囲が「うぐ」と呻くと、凛咲は更に話を続ける。


 「で、それから私は必死になって勉強したりスポーツなんかもやってたんだけど、なんかもう勢い余って祖国日本を飛び出して世界中を飛び回る事になっちゃって、気が付いたら……世間から『少女冒険家』なんて呼ばれるようになっちゃったの」


 と、最後に「てへ!」と付け加えると、


 『何処をどうやったらそんな事に!?』


 と、周囲からツッコミを入れられた。


 しかし、凛咲の話はそこで終わらなかった。


 「ま、まぁでも、その頃の私はまだ学生だったから、勿論学業を優先してたわよ。でも……」


 『?』


 「その学業をしている時に、まさかの『異世界召喚』って事態に遭遇しちゃってね」


 『えええええええっ!?』


 「で、無事にその世界の冒険を終えて、漸く帰ってきたと思ったら……暫くして別の『異世界召喚』をされちゃって」


 『はぁあああああああっ!?』


 「いやもう、ほんと『なんで私こんな事になってんの?』って思いながらもその世界の冒険も終わらせる事が出来たんだけど、その時の活躍ぶり気に入った地球の神々が……」


 ーーねぇ、もし良かったら、『異界渡り』の試練を受けてみない? 


 ーー異界渡り?


 ーーそう! その試練に合格できたら、色んな異世界を冒険出来るんだ!


 「……なんて事を言われて、面白そうだなって受けてみたら……」


 『受けてみたら?』


 「見事、合格しちゃいました!」


 『オオオオオオオッ!』


 親指を立てながらそう言った凛咲に、周囲から歓声があがる。


 それを見て、凛咲は「いやぁ、それほどでも……」と恥ずかしそうに顔を赤くしたが、すぐに「でもね……」と表情を曇らせて、


 「その試練を終えて日本に帰ってきた時に……春風が両親を亡くしたって話を聞いたの」


 と言った。


 


 

謝罪)


 遅くなって、大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、またその日のうちに終わらせる事が出来ませんでした。


 本当にすみません。

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