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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
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第130話 彼女達との出会い・4

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 そして、春風は爽子達に、自身と凛咲との出会いについて話し始めた。


 勿論その前に、


 「あー、すみません師匠。みんなに師匠との出会い、話しても良いですか?」


 「良いよぉ」


 凛咲の許可を貰ってからである。


 まぁそれは置いといて、


 「師匠との出会いも、俺がまだ『光国春風』だった時の事なんです」


 と、そう話し始めた春風の言葉に、


 「そうなのか?」


 と、爽子はそう尋ねると、春風はそれに「はい」と返事し、その後チラッと凛咲を見ると、凛咲もコクリ頷いたので、爽子は「そうか」と納得した。


 それを見届けた後、春風は説明を続ける。


 「あれは、俺がユメちゃんと友達になってから、2年が経った時でした」


 それは、春風と歩夢が小学生になった、ある夏の日の事だった。


 その日は怪我で入院していた歩夢の母親が退院する日で、2人が彼女と共に病院を出ようとすると、そこで1人の人物とすれ違った。


 それは、学生服を着た中学生又は高校生くらいの少女なのだが、その表情は今にも死ぬんじゃないかと思うくらい酷いものだったので、その時の幼い春風は、


 (ん? あのお姉さん、何であんなに顔色が悪いんだろう?)


 と、何故かその少女の事がどうも気になっていた。


 しかし、気になったからといって小学生になったばかりの自分に何が出来るかわかる訳もなく、今は歩夢と歩夢の母親と共に家に帰ろうと、彼女達と共に病院を出た。


 その瞬間、病院で大きな爆発音がした。


 「あ! それってもしかして、10年前の爆弾魔事件か!?」


 春風の話を聞いて、爽子がハッと思い出したかのようにそう尋ねると、


 「ん? 何だいそいつは?」


 と、ヴィンセントもそう尋ねてきたので、


 「10年前、私達の故郷『地球』で、大型施設を標的にした連続爆破事件があったんです。当時はかなりの犠牲者が出まして、犯人は逮捕されたんですが、あまりにも精神的に異常でしたので、刑が決まった今も精神病棟で入院している状態なんです」


 と、爽子はヴィンセントに向かってそう答え、それを聞いて、


 「うへぇ、マジかよおっかねぇな」


 「なんと、そのような事件が!?」


 と、ヴィンセントだけでなくウィルフレッドも戦慄した。


 そして、そんな2人に続くように、


 「……そう。その時、当時中学生だった私は、まぁかなり言い辛い話ですが()()()()()()に逢いまして、その為に生きる気力を失っていたんですけど、それでも私が生きる事を望んでいる人達に助けられて、それ以来病院に通うようになったんですよねぇ」


 と、凛咲は頭を掻いて「はは」と苦笑いしながら言った。


 「その時に、あの事件に遭遇したんですね?」


 と、爽子に尋ねられると、


 「ええ。爆発の後、気付いた時には病院は今にも崩れそうな状態になってね、『ああ、私はもう死ぬんだ』って、諦めかけたんだけど……」


 と、凛咲はそう答えて、当時の事を思い出す。


 遡る事10年前。


 (うぅ。私、もう駄目なのね……)


 突然の爆発によって崩れ落ちる病院の中、当時中学生だった凛咲は心の中でそう呟いた後、全てを諦めようとし目を閉じたその時、


 「あ、いたぁ!」


 という声と共に足音が聞こえたので、思わず目を開けた凛咲が「え?」とその音がした方へと向くと、そこには自身のもとへと駆け寄る1人の子供がいた。


 子供は凛咲の傍に立つと、


 「大丈夫ですか!?」


 と、凛咲に向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、凛咲はハッとなった後、


 「な、何をしてるの!? ここは危ないから、早く逃げて!」


 と、子供に向かって逃げろと言った。


 しかし、


 「だ、駄目です! お姉さんも一緒に逃げましょう!」


 と、子供はそう言って凛咲の頼みを断ったので、


 「わ、私の事は良いから逃げて!」


 と、凛咲は更に子供に向かってそう言った。


 しかし、


 「だから駄目ですってば! さぁ、一緒に……!」


 と、それでも子供は諦めずに、凛咲を連れ出そうとして、彼女を起こそうとした。


 だが、既に生きる事を諦めていたのか、もしくは子供を巻き込みたくなかったのか、


 「お願いだから言う事聞いて! ここは……あなたみたいな子供が来るところじゃないでしょう!?」


 と、凛咲は子供に向かってそう怒鳴ったので、子供は「うぐ、それは……」と怯んだ。


 そして、そんな子供に追い討ちをかけるように、


 「ましてや、あなた()()()なんだから!」

 

 と、凛咲は更にそう怒鳴った。何故、この時子供を「女の子」と呼んだかというと、その子供があまりにも可愛い女の子の顔付きをしていたので、凛咲はその子供が女の子だと思ったからだ。


 ところが、凛咲がそう怒鳴った次の瞬間、子供は一瞬凛咲を起こそうとする手を止めて、


 「……あ?」


 と、とても女の子のものとは思えないくらい低い声を出した。


 その声を聞いて、凛咲が「え、な、何?」と戸惑っていると、


 「僕は()です! 顔は()()()ですが、()なんです!」


 と、子供は顔を真っ赤にしながら、凛咲に向かってそう怒鳴った。


 それを聞いて、凛咲は一瞬ポカンとなった後、


 「……え? 嘘。男の子なの?」


 と、その子供……否、少年に向かってそう尋ねて、


 「そうです! 僕は男の子なんです!」


 と、少年は怒鳴りながらそう答えた。


 そして、少年は戸惑っている様子の凛咲に向かって更に言う。


 「という訳で、お姉さん!」


 「は、はい」


 「黙って僕に、救われてください!」


 真っ直ぐ凛咲を見つめながらそう言ってきた少年。


 そんな彼の言葉が心に響いたのか、凛咲はポッと顔を赤くして、


 「……うん。わかった」


 と、彼に従った。


 そして、時は現在に戻り、


 「……その後、私は春風と一緒に病院から脱出したってわけ」


 「まぁ、正確に言いますと、実際に師匠を運んだのは、あの時俺と一緒に入ってきたユメちゃんの家族なんですけどね」


 と、凛咲と春風が「あはは……」と笑っていると、


 『……そ』


 「「ん?」」


 『それもう思いっきり惚れとるやないかぁあああああいっ!』


 「「え、えぇ!?」」


 爽子とクラスメイト達(歩夢、美羽、水音を除く)のツッコミが響き渡った。


 


 


 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ず、1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。

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