表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第5章 「邪神」との戦い
150/220

第118話 新たな再会・2

 今回はいつもより短めの話です。


 (う、うわぁ。先生達まで来たのかよ)


 もう1隻の魔導飛空船から現れたもの。


 その正体は、担任教師の爽子と、残りのクラスメイト達だった。


 その存在を確認すると、春風は1歩後ろに下がったが、


 『先生ぇ!』


 と、歩夢や水音達は、一斉に爽子達のもとへと駆け出した。


 そんな歩夢達の存在に気付いたのか、


 「わ、海神! それに桜庭達も!」


 と、爽子と残りのクラスメイト達も、魔導飛空船を降りて歩夢達のもとへと駆け出した。


 その後、両者がある程度近くまで来たところで、


 「ああ、良かった! みんな元気そうだな!」


 と、爽子が歩夢達に向かってそう言うと、


 「はい!」


 「みんな無事ですよ!」


 と、歩夢と美羽が笑顔でそう答えた。勿論、鉄雄、恵樹、詩織も笑顔で頷いたので、爽子が「うぅ、良かったぁ」と泣きそうになると、


 「先生、お久しぶりです」


 と、今度は水音が爽子に向かってそう挨拶し、


 「と言っても、帝城での通信からそこまで経ってないかもだけど!」


 と、進が「へへ!」と笑いながらそう言った。その後、進に続くように、耕、祭、絆、祈も、笑顔で「お久しぶりです!」と挨拶した。


 歩夢達の言葉を聞き終えた爽子は、改めてとても元気そうな彼女達を見回すと、


 「うぅ。みんな、本当に無事で良かった」


 と、爽子は目に涙を浮かべた。そんな爽子を見て、


 『せ、先生ぇ……』


 と、歩夢達も再会が嬉しかったのか、皆、目をウルウルとさせた。


 するとその時、


 「……ん?」


 と、爽子は何かに気付いたのかのようにハッとなって歩夢達を見回した後、


 「ところでみんな、雪村には会えたのか?」


 と、歩夢達に向かってそう尋ねると、


 『……あ』


 と、歩夢達は一斉にハッとなった。


 そして、そんな爽子の質問が聞こえたのか、


 (う、やばい逃げないと!)


 と、春風は急いでその場から去ろうとした。


 ところが、


 「あらあらぁ、春風ちゃん。何処に行く気かしらぁ?」


 と、いつの間にか傍に来ていたキャロラインが、ガッシリと春風の肩を掴んできたので、


 「は、離してくださいキャロライン様」


 と、春風はそう頼んだが、


 「うふふ、逃げちゃ駄目よぉ。折角の再会なんだからぁ」


 と、キャロラインは笑顔でそう断ると、


 「ほらほらぁ……」


 と言って、「い、嫌ですぅ! 離してくださいぃ!」と嫌がる春風を無視して、ズルズルと彼を引きずった。


 そして、


 「オーイ、みなさーん!」


 と、キャロラインは爽子達に向かって笑顔でそう叫ぶと、


 「えい!」


 と言って、春風をポイッと爽子や歩夢達の前に差し出し、


 「うわぁ!」


 と、春風は小さく悲鳴をあげた。


 そんな春風の姿を見て、


 「あ、雪村……」


 と、爽子はそう呟き、


 「お、お久しぶりです……先生」


 と、春風は怯えながらも爽子に向かってそう言った。


 すると、爽子はカッと目を大きく見開き、


 「ゆぅきぃむぅらぁあああああああっ! 今まで何してたぁあああああああっ!?」


 と叫びながら、春風に向かって迫ろうとしたので、


 「う、うわぁあああああ! す、すみません! すみませんんんんんんん!」


 と、春風は悲鳴をあげて両腕で顔を覆いながらそう謝罪した。


 だが、次の瞬間……。


 ーーガバッ!


 「……え?」


 と、何やら抱き締められたかのような感触に襲われたので、春風はゆっくりと両腕を退けると、


 「せ、先生?」


 自分を抱き締める爽子の姿があったので、


 「あ、あの、先生?」


 と、春風は困惑しながら爽子に向かってそう話しかけると、


 「無事で良かった。本当に。本当に……」


 と、爽子は声を震わせながらそう答えて、春風を抱き締める力を強くした。


 しかも爽子の顔をよく見ると、その目からツーッとひと筋の涙が流れているのが見えたので、


 「……ご、ごめんなさい、先生」


 と、春風は泣きそうになりながらも、ソッと爽子を抱き締めた。


 そして、そんな春風と爽子の姿を見て、歩夢達は「良かった」と言わんばかりに表情を緩ませた。


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ