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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第4章 そして、「再会」の時へ
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第110話 懐かしい味

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 「みんなに『日本食』、ご馳走するよ」


 『や、やったぁ!』


 春風の言葉に大喜びするクラスメイト達。


 その後、


 「師匠、すみませんが手伝ってください」


 「オッケー!」


 そう言って、春風は凛咲と共に拠点内にある台所で、仲間達に出す『日本食』作りに入った。


 それから暫くして、


 「お待たせぇ……って、あれ?」


 出来上がったその「日本食」を持って、春風と凛咲が食堂に入ると、


 「何この状況?」


 中は何やらとても重苦しい雰囲気になっていたので、2人は頭上に幾つもの「?」を浮かべた。


 すると、


 「あ、雪村!」


 と、鉄雄が春風の存在に気が付き、それに春風が「ん?」と首を傾げていると、


 「うぉおおおおお! 雪村ぁあああ! お前ぇえええ! 大丈夫だったかぁ!?」


 「頭! 頭っていうか、顔! 傷とかついてない!? ていうか、全身怪我とかない!?」


 と、歩夢、美羽、水音を除いたクラスメイト達が、一斉に春風に駆け寄り、体中を触りながら尋ねてきた。


 「え!? 何!? どうしたのみんな!? ああ、危ない落ちる落ちる!」


 突然の事に驚いた春風は、持っている「日本食」を落とさないようにしながら鉄雄達に向かってそう尋ね返すと、


 「春風様……」


 と、今度はイヴリーヌが話しかけてきたので、


 「あ、はい。何でしょうかイヴリーヌ様?」


 と、春風はイヴリーヌに向かってそう言うと、


 「春風様。アメリア様達から全て聞かせてもらいました。アメリア様達の事情から、あなたと『断罪官』の戦いまで」


 と、イヴリーヌは申し訳なさそうな表情でそう答えた。


 その答えに春風が「え?」となると、


 「そして、アマテラス様がその時の様子をわたくし達に見せてくださったのです」


 と、イヴリーヌは更にそう答え、アマテラスもグッと真顔で親指を立てた。


 そんな1人と1柱を見て、


 (あ、ああ。それでか)


 と、春風は未だに体中を触ってくる鉄雄達を見ながら、納得の表情を浮かべた。


 するとそこで、


 「……ん? ユメちゃんに美羽さんに水音、どうしたの?」


 と、何やら暗い表情で静かにしている歩夢、美羽、水音に気付いた春風が、3人に向かって声をかけると、


 「……フーちゃん」


 「ん?」


 「あのギデオンって()()()()……ちょっとぶっ殺してくる!」


 と、歩夢が物騒な事を言い始めたので、春風は一瞬ポカンとなったが、


 「ちょ、ユメちゃん!? 何言ってんの!?」


 と、春風は目を大きく見開いた。


 更に、


 「待って歩夢ちゃん。ぶっ殺しに行くなら……私も一緒だからね」


 と、美羽もノリノリでそう言ったので、


 「ちょっとぉおおおおお! 美羽さんんんんん!?」


 と、春風は更に大きく目を見開いた。


 また更に、


 「待って2人とも」


 と、水音がそう口を開いたので、


 (おお、水音! ユメちゃん達を止めてくれるのかな!?)


 と、春風はそう期待したが、


 「前衛(まえ)は任せてくれ。いざとなったら、僕が盾役になるから」


 水音も、ノリノリの様子だったので、


 「水音ぉ! お前もかよぉおおおおおっ!?」


 と、春風はショックで絶叫した。


 その後、春風はどうにか3人を説得し、なんとかその場を納める事に成功すると、


 「おーい。じゃあ、落ち着いたところで、()()といこうじゃない」


 と、凛咲がそう言ったので、


 「そ、そうそう! ご飯にしよう! ご飯に!」


 と、春風もそそくさと持ってきた「日本食」を歩夢達に見せた。


 持ってきた()()を見て、


 『お、おにぎりだぁ!』


 と、鉄雄や進達は目をキラキラと輝かせた。


 そう、春風が持ってきたのは、凛咲が持ってきたというお米で作った「おにぎり」だった。しかもかなり大量の、だ。


 更に、


 「で、()()1()()はこれね。ああ、因みに、これも春風が作ったものよ」


 と、凛咲も持ってきたものを鉄雄達に見せた。


 それは、一見肉と野菜を入れたスープが入った大鍋なのだが、


 『こ、この匂いは!』


 そこから発せられた匂いを嗅いで、何かに気付いたかのように一斉に春風に視線を向けると、春風はにこっと笑って、


 「今よそるから」


 と言って、用意していた木製の()()にそのスープをよそると、それを全員に配った。


 鉄雄達は配られたそのおにぎりとスープの入ったお椀をジィッと見つめると、


 『いただきます』


 と言って、まずはおにぎりを食べた。


 すると、鉄雄達は「ほぉ……」と息を吐いて、


 『塩加減が丁度良い……』


 と、皆一斉に感想述べた後、次にスープ一口啜った。


 そして、


 「……春風。もしかしてだけど、()()って……?」


 と、水音が春風に向かって静かにそう尋ねると、


 「ああ。師匠は米だけじゃなく()()まで持ってきてたんだ。そして、そいつはその味噌とこの世界で手に入れた肉と野菜で作った、名付けて、春風特製『異世界()()』だ!」


 と、春風は堂々とした態度でそう答えた。


 そう、春風が作ったおにぎりの他に作ったのは、凛咲が米の他に持ってきた「味噌」と、このエルードで手に入れた肉と野菜を使った、春風特製の「豚汁」だったのだ。


 その言葉の後、鉄雄達はもの凄い勢いでおにぎりを食べ、豚汁の汁を飲み、中の具も食べ尽くすと、再び「ほぉ……」と息を吐いた。


 そして、次の瞬間……。


 ーーブワッ!


 「わぁっ!」


 と、春風が驚いたように、鉄雄達の目から滝のように涙が出てきた。当然、歩夢と美羽、水音も含まれている。


 その様子を見て、


 「ど、どうしたのみんな!? もしかして、美味しくなかった!?」


 と、春風がそう尋ねると、鉄雄達は「違う!」と叫んで、


 『美味しすぎて……故郷が見えた』


 と、泣きながらそう答えたので、


 「え、マジかよぉ!?」


 と、春風は衝撃を受けた。


 そんな彼らを見て、


 「あはは! どうやら大成功のようねぇ!」


 と、アマテラスは笑いながらそう言った。


 


 


 


 




 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流を考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ずに、結局1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。

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