表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第2部第4章 そして、「再会」の時へ
120/220

第88話 「再会」の時・4


 「お久しぶりです、雪村春風様」


 と、春風に向かってそう挨拶した、白いドレス姿の少女。


 そんな少女を見て、


 「あ……あなたは……」


 と、春風がそう呟いた瞬間、歩夢、美羽、水音、そして、クラスメイト達は一斉にごくりと唾を飲みながら身構え始めた。


 そう……。


 ーー『誰だっけ?』って言う気か!?


 ーー『誰だっけ?』って言う気ね!?


 要するに、()()が来るのを待っているのだ。


 そんな彼らの心境を知らない春風は、ゆっくり口を開く。


 「あなたは……ルーセンティア王国第2王女の、イヴリーヌ・ヘレナ・ルーセンティア様ですね?」


 次の瞬間、


 『覚えてんのかいいいいいいいっ!』


 クラスメイト達は春風に向かってツッコミを入れて、


 「まぁ! わたくしの事を覚えてたのですね!? 凄く嬉しいです!」


 と、少女は自分を覚えていた事が嬉しかったのか、目をキラキラと輝かせながら感激した。


 それから数秒後。


 「……は! す、すみません! わたくしとした事が、嬉しさのあまりなんとはしたない事を!」


 と、我に返った少女は「いやんいやん!」と恥ずかしそうに顔を真っ赤にした。


 そんな状態の少女に、


 「あ、あのぉ……」


 と、春風が話しかけると、少女は再び我に返り、「コホン」と咳き込んだ後、


 「覚えててくださってありがとうございます。ですが、こうしてちゃんとお話ししたのは今日が初めてですので、改めて自己紹介させてください」


 と、丁寧な姿勢で春風に向かってそう言ったので、


 「はい。わかりました」


 と、春風も丁寧な姿勢でそう返事した。


 そして、「では」と少女がペコリと頭を下げると、2人の騎士を呼んで自分の傍に立たせて、


 「改めて、はじめまして。あなたの言う通り、わたくしはルーセンティア王国第2王女の、イヴリーヌ・ヘレナ・ルーセンティアと申します。そして、こちらはわたくしの騎士であるヘクターとルイーズです」


 と、春風に向かってそう自己紹介した後、最後に丁寧なお辞儀をしながら、


 「以後、お見知り置きを」


 と付け加えた。


 その後、その少女……イヴリーヌに続くように、まずは男性の騎士が、


 「ルーセンティア王国騎士の、ヘクター・ベネットだ。これでも、騎士の小隊の隊長を務めている」


 と春風に向かってそう名乗り、続けて女性の騎士も、


 「同じく、ルーセンティア王国騎士、ルイーズ・クルーニーだ。ベネット小隊長の副官を務めている」


 と、同じように春風に向かってそう名乗った。


 そんなイヴリーヌ達の自己紹介を聞いた春風は、「うん」と小さく頷くと、その場に片膝をついて、


 「お初にお目にかかります。自分は雪村春風と申します。今はこのフロントラルで、レギオン『紅蓮の猛牛』と、レギオン『黄金の両手』所属のハンターとして活動しています」


 と、顔を下に向けながら、彼女達を前にそう自己紹介した。


 その瞬間、周囲が沈黙していると、


 「ま、まぁ、なんとご丁寧な姿勢を! あの、そんなにかしこまる必要はありません! どうかお顔を上げてください! それと、跪く必要もありませんので……!」


 と、ハッとなったイヴリーヌが、春風に向かって立つように促した。


 するとその時、


 「そうよぉ。()()()()()()()()言う通り、そんなにかしこまる必要はないわぁ」


 という声が聞こえたので、春風は「ん?」となった後、


 「イヴリーヌ様、ちょっと失礼をお許しください」


 と、イヴリーヌに向かってそう言い、それにイヴリーヌが「は、はい」と返事すると、春風はすぐに顔を上げて声が聞こえた方向に視線を向けた。


 その視線の先には、


 「うふふ」


 と、2人の若い男女と共にいる1人の女性が、春風に向かって手を小さく振りながら、穏やかな笑みを浮かべていたので、


 「あの……あなたは?」


 と、春風が恐る恐るそう尋ねると、女性は2人の若い男女と共に春風に近づいた。


 そして、春風の目の前に立つと、


 「初めまして、雪村春風さん。私の名前は、キャロライン・ハンナ・ストロザイア。『ストロザイア帝国』で、皇妃を務めているの」


 と、女性は春風に向かってそう自己紹介した。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ