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番外編 焼き芋

2024/10/22追記

誤字報告ありがとうございます。今回のはかなり情けない誤字で…申し訳ないです。

「なぁなぁメイ。そろそろ良いんじゃないか?」

「しょうだね。ちょっと確認ちてみゆ」


 私は軍手を装着してから用意していた竹串を手に取り、焚き火の灰に入れておいた熱々の芋を取り出しプスリとそれを刺しこむ。

 スッと抵抗なく竹串が通ったのを確認した私は満面の笑みで完成を告げた。


「あちゅいから気を付けて食べてね」

「おぅ!」


 熱々の焼き芋を半分に割り少し冷ましてから、待ち侘びていたギルバルト君へと差し出す。

 だけど嬉しそうに受け取ったギルバルト君は私の忠告なんて何のその。すぐに勢いよくかぶりついてしまい、案の定の反応を見せた。


「あっつ!」

「だかやあちゅいって言ったのに。ちかたないなぁ。あっちにお水あゆから座ってゆっくり食べなよ」

「うん。そうする」

「まったくぅ」


 トラロトル様が待つテーブルへと去っていくギルバルト君の背中を呆れながら見送り、私は次の芋を取り出す。


 そう。みなさんお気付きの通り、いま私がやっているのは焼き芋です!

 そろそろ肌寒い季節になってきたので食べたいなぁと思い、セシリア様に相談したところ苗を頂けました。

 それをさっそく畑に植えて収穫まで漕ぎつけたわけですね。

 こういう時この神様チートな畑のありがたみが改めて実感できますよね!


 そして現在。

 朝の日課後、そのまま畑にて焼き芋パーティの準備をしていたところ、タイミングよく風神親子が遊びに来ることになり今に至ります。


「やっと出来たか」

「フェルしゃま。おはよーでしゅ」

「あぁ。おはよう」


 パラソルの日陰の下、ベンチの上で焼き芋の完成まで寝ていたフェルトス様がのそのそと起きてくる。

 ちょっとおめめがしょぼしょぼしてて可愛いですね。


「あい! お待たちぇちまちた! あちゅいから気を付けて食べてくだしゃいね!」

「わかった」


 私は手に持っていた焼き芋をフェルトス様に渡し、座って食べるようにとテーブルを指さした。

 フェルトス様は大人しくお芋を持ってテーブルへと足を運んだので、私は残りの焼き芋を掻き出し半分ほどをザルに乗せみんなが待つテーブルへと向かう。

 残りはこのまま保温しておきます。足りなくなったら取りにくればいいし。


「お待たちぇちまちたー! 焼き芋いっちょあがいでしゅ! あちゅいから気を付けて召し上がれ!」

「待ってましたー!」

「これが焼き芋か。美味そうだな」

「甘くて美味しいですよ父上!」


 すでに食べ始めているギルバルト君とフェルトス様以外の二人、ガルラさんとトラロトル様が待ち侘びたとさっそく焼き芋に手を伸ばす。

 私もフェルトス様とガルラさんの間に座りいそいそと焼き芋に手を伸ばした。


 アルミホイルがなかったから洗った芋をそのまま灰の中に入れたけど、焦げずにちゃんと出来たみたいで良かった!


「あちち」


 芋の周りにまだついてた灰の汚れを軽く落として、真ん中からパカっと二つに割る。

 蜜たっぷりで美味しそうな黄金色が目の前に広がり、焼き芋のいい匂いが鼻をくすぐった。

 湯気がほわほわ立ち昇る中、皮を剥いてふーふーと息を吹きかけいざ実食!


「いたやきまーしゅ!」


 パクリと一口、口に含む。


「んんー!」


 ねっとりあまーい焼き芋の味が口いっぱいに広がって幸せな気分になる。

 ホクホクな焼き芋も良いと思うけど、私はねっとり派です。


 焼き芋をもぐもぐしながらみんなの様子を伺う。

 口々に美味しいと言いながらパクパク食べてくれているので、気に入ってくれたようだ。


 フェルトス様を見上げてみると無言だけどバクバク食べてるし、いつもより嬉しそうな顔してるから気に入ったみたい。

 この焼き芋は甘くてフェルトス様好みだから当然といえば当然かな。


「フェルしゃま。おいしい?」

「……あぁ」

「しょっかー!」


 いつものように口の中のものをゴクンと飲み込んでからお返事してくれるフェルトス様。

 愛いです。


 でもすごい勢いで消えていく焼き芋の山に少々不安が。お腹壊したりしなきゃいいけど。


「なぁメイ。もう一個食べていいか?」

「いいよー。ギル君焼き芋気に入った?」

「おぅ! すっげぇ美味い!」

「よかっちゃー」


 焼き芋は食べ応えもあるし腹持ちもいいから、ご飯の代わりにもなっちゃうしいいよね。

 ちなみに今日のお昼ご飯はコレです。なので大量の芋を焼きました。まだ残ってるので足りないということはないと思うけど……大丈夫だよね?


 大人組が大量消費していく横で、私達子供組はゆっくりおしゃべりしながらもぐもぐタイム。

 なんなら私は一個でお腹いっぱいになりました。


 お昼を食べたあとは恒例のお昼寝タイム。

 残った焼き芋を影に片付けて火の始末をしてから、フェルトス様に出してもらった臨時の雲クッションでお昼寝です。

 ギルバルト君もおねむなようなので、雲クッションを二つ並べて仲良く一緒にお昼寝をした。

 たまにはお外でお昼寝も良いもんですね。


 でも起きたら私達の間にフェルトス様が寝ててビックリしたのは秘密。

 なんならガルラさんも空いている私の隣で寝転んで本読んでたし、ギルバルト君の隣にはトラロトル様が寝てた。

 これが変則的な川の字ですか。なるほどね。


 お昼寝が終わったら大人組は解散して、モリアさん監督の元、私達子供組は遊びの時間だ。途中でケロちゃんズも監督に加わったけどね。


 そして今日もトラロトル様が迎えに来るまで遊び倒しましたよ。

 帰り際にはお土産で焼き芋をいくつか包んで渡しておきました。



 苗を分けてくれたセシリア様にも、焼き芋のお裾分けは忘れない。

 とっても喜んでいただけたので私は満足です。



 さらに後日。

 寒い中いつも町の入り口を守っている門番さんや、騎士団の皆様にもちょっとだけだけどお裾分け。ワイロともいう。いつもお世話になってるからね。

 それにしても寒い中食べる焼き芋はよりいっそう美味しく感じる。


 今度はスイートポテトに挑戦してみようか。蒸しパンもいいかも。

 フェルトス様とガルラさん喜んでくれるかなぁ。


 私は二人が美味しいって笑ってくれる顔を想像しながらウキウキ気分で帰路についた。

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