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49 今日はパーティ

「いらっしゃいましぇリアしゃま! ジェーンしゃん!」

「ふふっ。今日はお招きありがとうおチビちゃん。すごく楽しみにしてたわ」

(わたくし)までお招きくださりありがとうございますメイ様」

「えへへ。たくしゃん作ったので、お二人ともいっぱい食べてってくだしゃいね」

「えぇ、もちろん」

「はい」


 ガルラさんが射的でぬいぐるみを荒稼ぎした日から一週間。

 フェルトス様ぬいぐるみ以外は家のソファの上に設置した。本当はベッドに並べたかったけどフェルトス様が邪魔って言ったから諦めた。落としちゃったら可哀想だし結果的には良かったのかな?

 フェルトス様ぬいぐるみは寝る時に一緒に抱っこして寝てるからベッドにある。


 大量に手に入れたチュンチュン肉は料理に変身しました。唐揚げとかチキンカツとかそのカツでカツサンドとかね。

 そうやって地道に料理を作りためて今日という日を迎えることができました。


 畑のそばにこの間買った大きなテーブルとイスを設置して、パラソルで日陰になるように調整した簡易のパーティ会場。

 神様をおもてなしするには随分と質素だけど、私にはこれ以上を用意するのは無理なのでお許しくださいませ。


 ちなみにテーブルの上にはまだ何も置いてません。強いて言うならドリンクが置いてあるくらい。


「お二人ともこちらのお席にどうじょ!」

「ありがとう」

「ありがとうございます。失礼します」


 二人を空いている席へと案内し、ドリンクを提供する。

 今日は自由に魔法を使って良い許可をもらってるので、気にせずバンバン使いますよ。

 最近は自分の魔力ラインもわかるようになってきたから無理はしません。大丈夫大丈夫。


「よく来たな」

「いらっしゃいませセシリア様。ジェーンさんも」


 すでに席についてるフェルトス様とガルラさんがやってきた二人に挨拶している。

 今日は無礼講ということで堅苦しいことはナシにしてもらった。じゃないとジェーンさんとガルラさんが窮屈だろうからね。


「お邪魔いたします、冥界神様。そしてガルラさん」

「フェル。あんたせめて起き上がって言いなさいよ」


 実はフェルトス様、席についてからずっと机に上半身を預けてます。というよりセシリア様達が来る直前までその状態で寝てました。

 顔だけ二人の方に向けて挨拶をするフェルトス様はダラけきっていますね。


「無礼講なんだろ」

「はいはいそうね」


 フェルトス様とガルラさん――あとついでに私が座る予定――で片側の椅子は埋まっているので、その向かい側の椅子に腰を下ろしたセシリア様達。

 トラロトル様もセシリア様達側に座ってもらう予定だけど、座れるかな。大丈夫だよね。トラロトル様は体が大きいけど、セシリア様達が細いから……うん、大丈夫そう。


「トラロトルはまだなの?」

「あぁ」

「……忘れてないわよね?」

「アイツのことだからあり得る話ではあるな」


 フェルトス様とセシリア様が話している内容に心の中で頷く。あり得そうなのが怖いですね。

 ジェーンさんとガルラさんも声には出してないけど苦笑いしてるし、多分心の中では同意してそう。

 まだ約束の時間には早いですが、ちょっとばかり不安です。


「誰が忘れてるって?」

「あら。噂をすればってやつかしら」

「貴様の普段の行いのせいだろう」


 うんうん頷いていたら突然背後からトラロトル様の声が聞こえてきた。


「あ、トラしゃま! いらっしゃいましぇ!」

「おぅ。いらっしゃったぞメイ。今日は呼んでくれてありがとな!」

「あい!」


 にっこにこ笑顔のトラロトル様をお迎えし、席に案内する。

 ちなみに席順は冥界組は奥からフェルトス様、私、ガルラさんの順番。向かい側は奥からジェーンさん、セシリア様、トラロトル様の順です。

 これは料理の好みに合わせて座ってもらいました。


「トラしゃま、ここにどうじょ!」

「おぅ。セシリア、隣邪魔するぞ」

「どーぞ」


 せっせとトラロトル様にもドリンクを提供する。


「トラしゃまもこれどーじょ!」

「悪いな」

「えへへー」


 ぽんと頭に手を置かれ撫でられる。悪い気はしません。


 よし。まだ約束の時間まではあるけど、全員揃ったから始めちゃおうかな。


「早速でしゅけど、みんな揃ったのでお料理出してもいいでしゅか?」

「あぁ」

「楽しみね」

「まったくだ」


 神様たちの歓迎の声を受けて私は準備に取り掛かる。

 ここでようやくフェルトス様が体を起こしました。


「メイ様。何かお手伝いすることはありますか?」


 私がテーブル近くに設置してた料理を入れてる保存箱をごそごそし始めると、ジェーンさんが声をかけてくれた。

 その優しい気遣いに嬉しくなりつつも、ゲストを働かせるわけにはいかない。


「ありあとジェーンしゃん! でもジェーンしゃんはお客しゃまだから座ってて大丈夫でしゅよ!」

「そうですか? ではお言葉に甘えて」

「あい!」

「んじゃオレが手伝ってやるよ」

「ありあとー。ガーラしゃん! じゃあお料理出していくから並べてくれましゅか?」

「あいよー」


 ジェーンさんの代わりにガルラさんが席を立って手伝ってくれる。

 ガルラさんはゲストだけど、ゲストではないので遠慮なくこき使います。こき使えるゲストです、ぐふふ。


 保存箱から次々と出来立て料理を簡易テーブルに出していき、それを私の指示でガルラさんが魔法を使って運んでくれる。

 あっという間にテーブルの上には私の手作り料理が所狭しと並べられました。


 セシリア様やフェルトス様の前には野菜メイン料理が。トラロトル様やガルラさんの前にはお肉メイン料理が多い。


 まるで豪華なレストランみたいな食事! というようなことはなく、精々が豪華な家庭料理レベルですけどね。

 それでもゲストの方々やフェルトス様、それにガルラさんも嬉しそうに喜んでくれているので本当に良い人達です。


 ご飯やパンも準備してます。このパンは町でお料理本を買ってきて見ながら焼きました!

 試行回数を重ねて最終的にはフェルトス様やガルラさんからも美味しいと太鼓判をもらってるので味は保証します!

 今回のお食事会の料理を作るのに大活躍してくれたお料理本には感謝しかありません。ありがとうレシピ本。偉大なりレシピ本。


 そうそう。トマトジュースも忘れてはいけませんね。

 フェルトス様の前に専用で一つピッチャーを置いて、他の人用にもう一つピッチャーを準備。

 他にもレモン水が入ったピッチャーも準備してますので、お好きに飲んでくださいませ。


 取り皿やナイフやフォーク、それとおしぼりなんかも配り準備万端。


 ガルラさんに椅子の上に座らせてもらい、隣にガルラさんも座った。


「準備できまちた! どーじょ、みなしゃまお召し上がりくだしゃいましぇ!」


 メイドさんがいないので全部自分でやってもらうセルフ形式のパーティですが、そこはすでに神様達には了承してもらってるので問題ナシです。


 さぁ、召し上がれ!

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