番外編 着ぐるみはお好き?
更新が滞っている間にPVが30万突破してました。さらには評価まで入れて頂いて…本当にありがとうございます。みなさまの存在に支えられています。
ふわふわ素材で作られた上下一体型の服。足を通して腕も通して、前にあるボタンを留めたらフードをかぶる。
フードには大きなお耳が取り付けられているのでちょっとだけ重たいけれど、かわいいので問題はない。
手には手袋。足は転んだりしないよう、しっかりした靴を履けばとりあえず完成。
「うーん……」
最後に鏡に映った自分をチェック。
背中にある翼もヨレていないし、フードのお耳も問題なし。
フードをかぶった時に乱れた髪の毛もちょちょっと直せば完璧だ。
「むふふん! どお、似合う?」
着替え終わった私は待たせていたみんなの前でくるりと一回転。
お尻部分に付いている尻尾もキュートなので、それも見てほしくてしっかりと主張しました。
「あぁ、似合っている」
「かわいいコウモリだなぁ」
「世界一かわいいぞお嬢」
「似合うぞあるじー!」
「えへへぇ。照れるぅ」
フェルトス様。ガルラさん。カイル。シドーと順繰りに褒められ頬が緩む。
みんなストレートに褒めてくれるので見せ甲斐があるというものです。
「みてフェル様! 翼お揃いだよー!」
「ふふっ、そうだな」
照れついでにフェルトス様のお膝に突撃すれば、そのまま抱き上げて頭を撫でてくれた。
この大きな手が私は大好き。
「ふへへぇ」
フード越しにフェルトス様の手を感じながら頬を緩める。
現在の私はデフォルメされたコウモリデザインの着ぐるみを着用中。
買い出しに出ていたカイルがセラフィトの町で見つけたらしく、衝動買いしてしまったらしい。
私も別に着ぐるみが嫌というわけではなかったので着てみせているのが今だ。
「……ふむ、存外悪くない。人間もたまには良い仕事をするな」
「う?」
ぼそりと呟かれた言葉に顔を上げれば、そこにはフェルトス様のレア笑顔。
さらにはなんだか私に向ける目が微笑ましいものを見るような目で……なんだか照れ臭いです!
しかもフェルトス様だけじゃなくて、ガルラさんやカイルまで同じような目をしているではありませんか。
ノリで着ぐるみを着てみましたが、冷静になってみるとちょっと恥ずかしくなってきた。
多分私も子供が着ぐるみを着ていたら同じような目を向けてしまうかもしれないけれど、その対象が自分となるとなんだかむず痒い気持ち。そんな複雑な大人心です。
「あるじあるじ!」
「ふぇ。なぁにシドー?」
私が勝手に気恥ずかしくなっていたところにシドーが声をかけてくれた。
これ幸いと意識をそちらに向ける。
「ほら。おれもお揃いだ!」
シドーがくるりと背中を向ければ、そこには私の着ぐるみに付いているような可愛らしい翼が生えていた。
姿を自在に変えられるシドーだからこそできる芸当。素晴らしいです。
「わぁ、シドーかーわいー!」
「ふふん! だろ! フェルトス様はどう思う! かわいいと思うか!」
「フフッ。そうだな、貴様も似合っている」
「やったー!」
フェルトス様にも褒められ上機嫌なシドーを撫でる。
どうしよう私の使い魔が可愛すぎる。
「ちっこいコウモリがちっこいコウモリを撫でてる光景。和むな」
「……ですね。記念に残しておきたいくらいです」
「わかる」
ガルラさんとカイルが何か言っているけど聞こえないフリ。
というか。それを言うなら、おっきなコウモリ――これはフェルトス様――が、ちっさなコウモリ――これは着ぐるみを着た私――を撫でているという状況も追加して欲しい。
実はフェルトス様。さっきからずっと私のことを撫でています。控えめにですが、撫でくり回しているといっても過言じゃないかもしれない。
余程着ぐるみの触り心地が気に入ったのでしょうか?
とはいえ私も撫でてもらうのは嫌じゃないので拒否はしませんけどね。
むしろもっと撫でてもいいんですよ?
「メイ」
「う?」
フェルトス様に呼ばれ顔を上げる。
「急がなくていい。ゆっくり大きくなれ」
「ふぇ? わかりまちた?」
「うむ」
そしてまたなでなでタイム。
突然なんだったのでしょうか。よくわからず首を傾げてみるも、フェルトス様はそれ以上何も言うつもりがないのか微笑んだまま私を撫でている。
「なぁお嬢」
「なぁにカイル?」
「実は……猫の着ぐるみも買ってあるんだけどよ……」
「え?」
カイルが腰のカバンからそっと何かを取り出す。それはカイルの言う通り子供サイズの猫の着ぐるみだった。
いや、まさかの二着目の着ぐるみの登場に驚きを隠せない。
まじまじと見つめてしまった私は悪くないだろう。
「おっ、いいなそれかわいいじゃん。メイ、これも着てみせてくれよ」
「むー。ちかたないにゃぁ」
ガルラさんのお願いに私は渋々承諾する。
これも乗り掛かった船だ。少々の気恥ずかしさはノリと勢いで誤魔化そう。
フェルトス様のお膝から降りた私はカイルから着ぐるみを受け取り着替える。
「どう?」
コウモリから猫へ。見事変身を果たした私を、みんなは再び褒めてくれた。
渋々のお着替えでしたが、みんなが楽しそうにしていると私も自然と笑顔になるというもの。
その後は私の脱いだコウモリの着ぐるみをシドーが着たりしてまた盛り上がり、冥界に私達の笑い声が響いた。
静かだけど賑やかな、そんな我が家。冥界は今日も平和です。
まず謝罪をさせてください。更新が滞っており申し訳ありません!
ここから言い訳です。↓
新章がかなり難産でして。さらにはスランプも重なり書くものすべてが気に入らない状態になっています。
気晴らしに番外編をと思ってもメイ達の現状で書けそうなネタも少なく…投稿があいてしまいました。
待っていてくださる方。本当に申し訳ありません。現在頑張って書いていますが、まだまだ時間がかかりそうです。具体的に言えば起承転結の起部分を書いています。不甲斐ない作者でみなさまにはお詫びの言葉もございません。
がんばります。




