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1980年松本スケッチ ~元・信大生の追懐録~  作者: こまくさ
第1章 1980年松本スケッチ
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バイク(2) ~短期バイトで稼ぐ~

中型二輪への道~その2~

 

 中型バイクのために教習所生活を始めたが、同時に解決すべきは購入資金の調達だ。


 貯金の残りは5万円ほど。新車購入の目標は30万円。その差、25万円。

 当時の仕送りは月5万円。家賃・光熱費込なので、残りは約4万円で、食費を抑え、銭湯やコインランドリーの頻度を下げれば、少しばかりの貯金ができるかどうか。

 しかし、そんな雀の涙ほどの貯金では、目標達成に何年かかることかわからないので、さっさとバイトを始めることにした。



 できるだけ拘束時間が短く、しかも時給がいいバイトなんてそうそう転がっているものではない。

 と思っていたら、あった。


 測量の補助。


 山の三角点や独立標高点、道路沿いの水準点などの測量メンテナンスが仕事内容だ。

 黄色い三脚に取りつけた測量機材で、目標位置に立てた赤白の棒の位置や角度、高さを測定し、最終的には地図のメンテナンスに利用するらしい。


 滅多に現れない大先輩の紹介だったが、とても都合のよい条件だった。

 拘束は原則丸1日で、日給5,000円~8,000円。当時のアルバイトの時給は500円が相場だったから、10時間~16時間分。高収入バイトだった。

 朝は7時~8時に事務所に集合して、ワゴン車に機材を積み込んで測量ポイントに移動。移動中は後ろの席に座ってるだけだ。測量ポイントは中信とその周辺で、松本周辺のほか、大町方面、上田方面、木曽方面。

 実際の測量はさせてもらえないので、バイトの仕事は機材運びと赤白の棒を持って指示された位置に立っていること。

 

 平日は大学の講義があるので、いつでも参加できるわけじゃなく、自主休講にできる日の予定を出して調整してもらう。報酬の金額はそのときの仕事内容によって毎回相談だった。

 測量ポイントはたいてい山の中で、山頂のこともあれば、道沿いのこともある。

 山頂まで機材を背負って道なき道を登るなど、ハードなときは8,000円。道沿いの測量だと動き回ることがないのでとても楽ちんだが、5,000円もらえた。


 移動時間が長いときは帰宅が19時になることもあったが、近場で早いときは14時に終了することもある。遠方からの帰り道、国道沿いのラーメン大学で夕食を奢ってもらったこともあった。

 なんともアバウトな働き方だった。

 週1日か2日使ってもらって、毎週1万円ほどの貯金ができた。



 測量に行かない日は、講義の合間にひたすら教習所。実技と学科の計画を組んで緻密にこなした。7月末に免許取得という目標は少しオーバーしたが、お盆前に卒業試験までたどり着いた。

 

 夏休みはサークルの行事(遊び)が立て込んで平時以上に忙しいが、バイトにも精を出した。

 暑い季節の山登りは過酷だったが、バイク資金は2ヵ月で15万円を超えた。



 計画は概ね順調に進んだ。

バイク購入についてはそのうち書きます

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