いもうと
「今から魔王倒しに行ってください」
「えっ急すぎるよ、なんで?」
「私の村が魔王に焼かれてしまったんです。妹も強そうな奴に連れてかれちゃいました」
「それはかわいそうだね、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
―――――――――――
「レベル70まで上がった……ここまで上げれば大丈夫だろう」
「よし! 魔王かかってこい。俺は世界を取り戻す!」
「グワッハッハッハ! まずは先制攻撃、『業火の煉獄』!!」
「ウワアアァアアァアアァァッッッ! あちぃぃいぃぃぃ!!」
「口ほどにもない勇者め! とどめだ、『メテオ・ストライク』」
超極大の隕石が真上から剛速球で向かってきた!
「ヤバイ! 俺が死んだら闇が世界を包み込む……!」
―――お前に力を授けよう―――
「ん? 何か声が聞こえる……!?」
―――私はとある妹……秘技『シスターしゅきしゅきラブビーム』を授けよう……!―――
「うおおおぉおおおぉおお!!! 魔王!!『シスターしゅきしゅきラブビーム』!!!!!!!!!
「うわぁああぁあぁああ!!! 妹好き好き好き好き!!!妹がいるこの世界好き好き好き好き!! あかん、メテオが!!!」
そして魔王はメテオに全生命力を利用したタックルをした。メテオは砕け散ったが魔王は四肢をもがれてしまった。しかしそんな魔王にも妹は優しく膝枕をしてくれたという。妹は全てを裏切らなかったのだ。
「おにいちゃん………だいすき……♡」
――『俺と魔王が妹にメロメロに?!』 完