第１話 転生した。女の子として。
「知らない天井だ」
よくある定番なセリフを言ってみながら目の前の姿見鏡で自分を確認した。
(やっぱり女の子なのか…)
この体の持ち主の記憶が少し残っている。
この体の持ち主(以後、前の僕)は兄と姉が一人ずついて、父親と母親を含めた五人家族のようだ。
しかも、姉は学校に行っているため王都の寮に住んでおり、家に兄だけしか居なかった影響で前の僕の一人称も「僕」である。
ちなみにその兄も今は学校に寮に住んでいるため、家にはいない。
(一人称は変えなくて良いのか。良かった…)
コンコンッ
誰か来た。
「入ってどうぞ」
するとドアの向こうからメイドが入ってきた。
(すごいっ！リアルメイドだっ！)
「ノエル様、ご夕食の準備が整いました。
今夜は旦那様帰られていらっしゃいますので、お早めにご着席ください」
(おおっ！本物のメイドって凛としていてカッコいいなぁ！)
僕は本物のメイドに感動したが、
ふと我にか帰った。
「はーい。すぐ行くね」
と言い部屋を出た。
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「ノエル、早く座りなさい」
優しい声で着席を促したの僕の父親であるアレクトゥル・フォン・ローズフェルト で、ローズフェルト侯爵家当主だ。
「父上！明日は僕の洗礼の日ですよね？
僕はどんなスキルが貰えるのでしょうか！」
洗礼は五歳の誕生日に受けるもので、神から
スキルや加護を貰うための儀式である。
「そうだな、私とマリアの娘だからな。
槍術系統か、魔法系統のどちらかだろう」
「兄上や姉上はどのようなスキルを貰っていたのですか？」
「確か、レオは珍しく槍術、無魔法、見切り、縮地の4つ持ちだったな。シャルはスキルが炎魔法だけしかない代わりに、魔法神の加護を持っている」
レオとは僕の兄のレオニード、シャルは姉の
シャルロッテの事である。
「槍術は分かるんですけど、他のスキルはどういう効果があるんですか？」
「私も詳しくは知らないが、無魔法は身体強化などが使えて、見切りは相手の攻撃がなんとなくで分かるときがあるらしい。
シャルの炎魔法は、火魔法の強化されたものだと思っていい。魔法神の加護はスキル持ちには若干劣るが、基本属性の魔法を全て使えるようになるみたいだ。詳しくは明日、2人に聞いて見るといい」
「えっ？明日帰ってくるんですか！？」
「もちろんだ。明日はノエルの五歳の誕生日だからな。それにシャルは小さい時のノエルしか見たことがないからとても楽しみにしていると思うぞ」
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