2 第4次B計画
今からちょうど1年前、僕は第4次B計画に参加した。そのころ僕たちの故郷の惑星では増えすぎた人口を支えきれずに厳しい産児制限がなされていた。
それでも水や食料が不足し始め、人類は他の惑星に活路を求めたのだった。
やがて、そのままでも人類が安全に生活できる水と大気と重力と温度を持つ惑星はいくつか見つかったけれど、それらの惑星には問題があった。
そこに種を蒔けば植物は芽を出して花を咲かせるけれど実を結ぶことはなく、動物を連れて行っても子孫を残すことができなかったのだ。
残された時間が少ないことに気が付いた政府は、動物実験の結果を待たずに人間でも実験を開始した。選ばれた18歳から25歳までの男女による、ほかの惑星での生殖実験、それが「B計画」だった。
任期が1年間のB計画が第3次まで終了したところで、まだ誰も成果をだせていなかったけど、第4次B計画に参加した僕のその時にペアだったアウラに妊娠反応が出た。
その子供は結局は流れてしまったけれど、妊娠反応が出たということだけでもすごい事だったようで、僕とアウラに「もう1年参加して欲しい」という話が来た。
元々大学に行きたいと考えていたアウラは二つ返事で承諾した。2年分の参加報酬は大学4年分の学費とちょうど同じぐらいだったし。
僕はといえばB計画に参加したのは1歳年下のエリナと結婚したかったからだ。僕の故郷の惑星では人口を増やすわけにはいかないと産児制限をしているくせに子供を1人も生まないのは許されなかった。
結婚可能年齢の18歳から35歳までに子供は1人か2人生む。それが絶対的なルールだったから、みんな18歳になるとすぐに結婚する。
僕が1歳年下のエリナと結婚するには僕が1年待つ必要があった。けれどそれは僕の母親はきっと大反対するだろう。受胎率が高いとされる1年を無駄に過ごすなんてとんでもない、と。
だから僕はB計画に応募した。情けなことに、僕は母親の小言から逃げ出したかったんだ。
そして1年の任期が過ぎたら参加報酬を貰って、そのころには18歳になるエリナと結婚してちょっとだけ贅沢をして、そのあとは普通に平凡に暮らそうと思っていたんだけど。
第4次B計画で行った青い風の吹く星。そこでいろんな人と出会い、いろんな話を聞いて、ぼんやりだけどこのままではいけないような気がした。
だから僕は第4次B計画の参加報酬で専門学校に行くのもいいかと思い始めた僕に、もう1年の話があった。
2年分の参加報酬がもらえるというのはすごく魅力的で、僕は悩んだ結果、その申し出を受けることにした。
僕はエリナが今でも僕のことを待っていてくれるとは限らない、と無理やり自分を納得させた。
エリナにはそれしか許されなかったとはいえ、一方通行の手紙1通で別れを告げることになってしまった。
それが小さい棘のように刺さったまま、僕は第5次B計画で配置された、このオレンジの空の星にやってきた。
前作のあらすじみたいになってしまいました^^;




