表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1年、ダンジョンでくらしたら強くなってました  作者: aoiro
1章 1年、ダンジョンでくらす
2/18

2話 回復師(ヒーラー)

 現在、俺らはゼクスに言われたように、一列に並んでいる。


 そもそも、俺たちをここに呼び出したのは、戦力の補充のためらしい。なんでも今、若い内に育てておくためだという。


 それから、なぜ、こんな大がかりな召喚をしたのかも説明された。


 1つは、単純に騎士になる人がいないからだそうだ。まぁ、自分から進んで死ぬ可能性が高い職を選ぶ者はいないだろう。

 そして最もな理由は、違う世界から召喚された人はレアなジョブになる確率が高いらしい。

 ジョブにはいろんなものがありメジャーなものでは、剣士、魔法使い、レアなものは、勇者、賢者あたりらしい。上位互換みたいなものだろう。


 が、さっきからまだ、レアなジョブは誰も出てなく、メジャーなものばかり。


「次、前に出ろ」


 騎士に言われ、前に出たのは姫野。

 残すは姫野、大地、そして俺の3人だ。


「この水晶に触れるんだ」


「は、はい、えっと……」


 そう言うと、姫野は水晶にそっと触る。


 水晶は手に触れると青く光り、ジョブが写し出されるらしい。

 騎士が光った水晶を見るなり叫びだした。


「ロズベル王! 出ました、賢者です! 賢者が出ました!」


「ほお、賢者か」


 どうやらレアなジョブが出たらしい。ロズベル王も喜んでらっしゃるようでなりよりだ。


「よし、次、前に出ろ」


 順番的に次は俺の番だ。

 こうなったら俺もレアなジョブを出したい。


 水晶を手に触れる。そっと騎士の顔を見ると、信じられないとでも言いたそうな目で呆気にとられていた。


 お? さては、超レアなジョブでもきたか?


「どうしたんだ?」


「あっ、はい、……それがですね、……回復師(ヒーラー)、なんですよ」


 騎士の言葉に少し間が空いて、次に、大爆笑が生まれた。


「回復師? 女にしかなれないはずの回復師なのか? ふふふっ」


 笑わなそうなゼクスまでが腹を抱えて笑っていた。


「はっ、男の回復師などいらん。即刻、追放しろ」


 へ?


「ちょっと待って下さい。……追放って?」


「まぁ、どこかで適当に生きるがよい」


「ちょ、まっ……」


 「て」という前に、俺は再度、魔方陣によってその場から消えてしまった。




▽△▽




「さて、これからどうしようか……」


 樹齢100年はありそうな、大きな木の影に寝転がり、心地よい風を感じながら、そう、独り言を溢す。

 俺が飛ばされたのは、どこかわからない、広い草原だった。歩きまわっても、歩きまわっても草。目立ったものと言えばこの大きな木ぐらいだ。


「お腹すいたぁぁ」


 異世界召喚されてから、かれこれ5時間はたったと思う。朝に召喚されたのか、まだ日は明るい。


 しかしだ、俺はただ5時間、ずっと寝転がっていた訳ではないんだ。


(ステータス オープン)


 そう、心の中で念じると俺の目線にゲームのようなステータス画面が現れる。

 ステータスとか見れないかな~と思ったのがきっかけ。



――――――――――――

ジョブ1

回復師ヒーラー Lv 1/999


スキル

ヒール、アブソリュートヒール


ジョブ2 未開放

ジョブ3 未開放

ジョブ4 未開放


パーソナルアビリティ

英雄作成


――――――――――――



 ただ、このステータス画面、レベルやスキルなどはゲーム同様にかかれているが、肝心の数値やスキルの説明が一切かかれていない。ヒールはなんとなく分かるが、アブソリュートヒールなんかどんな効果か見当もつかない。パーソナルスキルの英雄作成ってのも謎だ。それにジョブの未開放とはなんだ?


 まぁ、考えてもしょうがない。今はこの状況をどうするかの方が先だ。

 といっても、辺りを見回しても町や村らしき場所もないし、おまけに無一文である。


「なんか、手っ取り早く稼げないかな~」


 そんなのがあったら、この世界はニートだらけになっちゃうか……


 取り敢えず、町を探しに再び歩く。と、



 ぽつり、



 何かが顔に当たる感触。この感触は……


「雨……て、うお、急に降りだしてきた!」


 まさか異世界でもゲリラ豪雨に遭うとは思わなかった。


 どこか雨宿りできる場所はないかと、辺りを見ると、近くに洞窟を発見。

他に行くところもないので、洞窟に入る。


「ふうぅぅ、取り敢えず一安心かな?」


 安堵した後、再び洞窟の方に注目する。中は暗く、奧の方は全く見えない。

 ひょっとすると洞窟の先の出口が街に繋がってたりするかもしれない。少し入って様子を確かめよう。


「でも、中、暗いよな……あっ」


 そう言えばズボンのポケットにスマホをいれていたんだった。

 これで中に入れる。よし、そうと決まれば早速レッツゴー。




 スマホの明かりを頼りにゆっくりと進むと、奥の方でうっすらと明かりが見えた。


 明かりに向かって走る。


「いいや、すげぇなこれ……」


 明かりの先に広がっていた光景。

 壁や床、天井が、石か、はたまたレンガのようなものでびっしりと並んでいた。壁には一定の間隔で松明のような明かりが灯っている。

 説明するなら、遺跡のような、ゲームでいうところのダンジョンとかによく似ている。


「取り敢えず、一旦戻るか……って、あれ? あれれ? ……嘘、だろ」


 そこに、後ろにあるはずの、なければならない道が石壁で塞がっていた。壁に触れてみるがしっかりと石の感触がする。


 ということは、まさか。


「閉じ込められた?」






正直、次がいつになるか分かりません。それでも良かったらブクマお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ