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1年、ダンジョンでくらしたら強くなってました  作者: aoiro
1章 1年、ダンジョンでくらす
10/18

10話 風使い

途中、視点がリーナになります。





「――つぅ、いててて…」


 怪我を負いながらも、なんとか起き上がる。


 この木々と草むらが、クッション代わりになってくれたおかげで助かった。あんな経験、もう一度やれって言われても二度と御免だ。


「ヒール」


 とりあえず、自分の傷を回復。疲れは……いちいち気にしている場合ではない。

 この時間にも、リーナは上で戦ってるはずだ。だとしたら、少しでも速く戻らなくてはいけない。


 自分がさっき、落ちてきた場所を見る。信じられないほど高い。この高さから落ちてきたと考えたら、よく生きていられたと思う、俺。


「さすがに、この高さじゃ登れないよな……」


 木登りとはわけが違う。命綱無しだと無理だ。いや、命綱があったても登りたくないんだけど。


 こうなったら、上に登る道を探すしかない。


 と、思ったその時――



「グルゥゥルッッ」


 草むらからユニコーンウルフが3匹、威嚇しながら現れた。


「3匹……さすがに勘弁してくれ……」


 ただでさえ、罠が効かなかったところだ。あれか? 野生の勘ってやつか。


 どちらにしろ、罠が通じないとなると、俺の攻撃手段がなくなる。一応、剣はあるが、俺の剣術なんて見よう見まね、素人そのもの。素早い相手に通じるかどうかと言われたら、まぁ、間違いなく無理だろう。


 どうすればいい? 逃げるか? いや、相手は獣。追いつかれるのがオチだ。



 そう言えば、前にもこんなピンチがあった。そのときは……そう、ステータスを確認していた。


(ステータスオープン)


 そして、新しいジョブがあることに気づく。

 ここまでくると、解放条件も気になってくる。……1回死にかける、とかじゃないよな? 

 まぁ、そんなことよりも、今は――


―――――――――――


風使い Lv1


スキル

風操作、


―――――――――――




 新しいジョブが増えていた。それはうれしいが、しかし――


「風……使い?」


 風を使った能力――ゲームやアニメなんかでは、無いことはないがあまり見かけないな。

 ということは、またマイナーなジョブなのだろうか。

 いや、今はそんなこと考えている場合ではない。


 既に、相手はこちらに向かって突進している。


「ああ、もう、なんでもいい! 風操作!」


 目の前に飛び出したユニコーンウルフ3匹に放つ。と、突風が3匹を飛ばした。


「うお。……すげーなこれ」


 風の力はLv1でも充分に強そうだ。これなら、少しやってみたいことがある。


 剣を抜く。

 剣と風――出来るかどうかはわからない。が、


「ハアァァ!」


 思いっきり剣を振る。けど、ユニコーンウルフに当たる距離ではない。しかし、狙いはある。


「いけ、斬撃!」


 風を操作し、斬撃を飛ばす。目には見えないが、飛び出た斬撃は、起き上がったユニコーンウルフを3匹まとめて斬り裂き、倒すことに成功。


 これは……純粋に。


「カッコイイ!」


 しかも、これなら戦力不足の心配がない。これで、心置き無くリーナを探せる。


「よし、待ってろよリーナ。今行くからな」




▽△▽


――リーナ視点――





 コウタが落ちた崖を見つめる。


「コウタ……ううん。コウタなら大丈夫」


 コウタは絶対に生きてる。なら、今出来ることは……コウタを探すこと。


 とにかく、下に続く道を探しながら森を進む。

が、


「ここ、どこ……」


 歩いて5分で道に迷ってしまった。

 と、不意に、草むらがざわめく。


「むっ」


 その草むらを警戒……するも、現れた姿が――


「くぅーん」


 姿はユニコーンウルフ。しかし、角がなく、体型も小さい……たぶん子供。それから、かなり衰弱している。


「お腹すいてるのかな?」


 食べ物――さっき、コウタと一緒に採った果物があった。


「これ、食べて」


 バックの中から赤い果物と緑の果物を差し出す。コウタが食べられる物と言っていたから、たぶん大丈夫。


 この子もちゃんと食べてくれた。


「よしよし、いい子。いっぱい食べて」


 毛並みを優しく撫でる。サラサラとした手触りで意外と気持ちいい。


 そう言えば、ユニコーンウルフは群れる習性があると聞いた。でも、この子は1匹。たぶん角がないせいで仲間だと思われなかったんだと思う。


「君も、1人で生きてきたんだね」


 食べ終わったユニコーンウルフは元気を取り戻した。


「よかった。……それじゃあ、またね」


 コウタを探そうと、再び歩き始める。と、


「くぅーん」


 ユニコーンウルフが、悲しそうな眼差しをこちらにむけてきた。


「うっ、今君に構ってる……」


「くうん」


 ユニコーンウルフは、私が進もうとしていた道と別の道を向き、吠えた。


「ん? ひょっとして、道を教えてくれるの?」


「くぅーん」


 どうやら、道を教えてくれるらしい。


「じゃあ、お願いね……名前、付けてたほうがいいかな」


 名前……ユニコーンウルフだから……


「ユニコ。君は今日からユニコだよ」


「くぅーん」


 尻尾を振っているから、たぶん、喜んでるのかな?



 かくして、リーナとユニコの森を脱出する旅が始まった――





次回もリーナ視点です。

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