表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1年、ダンジョンでくらしたら強くなってました  作者: aoiro
1章 1年、ダンジョンでくらす
1/18

1話 異世界はいつでも突然

初心者の気まぐれです。数人が見てくれたらなぁ程度の気持ちで書いています。



 学校の朝の時間。俺は教室から数メートル離れた階段にいた。


「きょ、今日はこれくらいで勘弁してくれないかな……」


 俺は彼、神取 駿(カンドリ シュン)に一万円札を差し出した。


「アア!? 何言ってんだテメェ。俺よぉ、三万持ってこいって言ったよなぁ!」


 むねぐらを捕まれ、おもいっきり持ち上げられる。


「あ、あし……明日、もってくるから、今日のところは……」


「――チッ。明日、ちゃんと持ってこいよ」


 そう言うと、神取は胸ぐらを放して立ち去った。



 △▽△



 俺の名前は城山 康太(シロヤマ コウタ)。高校一年。

 自分で言うのもなんだが顔は中の中だと思う。部活はしてないが運動神経は良く、成績もそこそこだ。

 しかし、この気弱な性格のせいで、クラス内でも浮きに浮きまくり、挙げ句の果てに、さっきのようにカツアゲまでされている。


 俺は乱れた制服を整え、やっとのことで立ち上がり、教室に向かう。


 これが俺、城山 康太の日常だ。もう何度目になるかわからない。それでも、慣れるとこんなものかと思える。


「おい、城山。大丈夫か? 顔色が良くないぞ」


 教室に入って席につくなり、俺に心配の声をかけてくれたのは、隣の席の武田 大地。

 人一倍、正義感が強いからか、よく俺を気にかけてくれる。髪を金髪にしているから一見怖く見えるが、根はとても優しい人だ。


「ほんとだ。 具合悪いなら保健室いったほうがいいよ」


 後ろを振り向き、大地に続いて俺を気にかけてくれるのは姫野 恵美。

 クラス一の美少女であり、優しい性格からか、男子はもちろん、女子からも絶大な人気がある。噂ではファンクラブまであるとかないとか。

 ブラウン色の肩までかかるロングヘア。少し幼さが残る童顔に、今にもこぼれ落ちそうな大きな瞳が優しげにこちらを見つめて、


「一緒に保険室行く?」


「いや、大丈夫だから。気にしないで」


「ホントに?」


 姫野が顔を近づけて言う。

 そんなことされたらちょっとドキッとする。


「だいしょぶ、だいしょぶ。へーきへーき」


「まぁ、困ったら何でも言ってくれよ。力になるからさ」


「う、うん。ありがと、大地」


 


 ――そんな日常は長くは続かない


 教室の床一面に、幻想的な紋様が一瞬にして浮かび上がる。

 


「なん――」


 だ、と言う前に、その模様は光を放ち、俺は徐々に意識が遠ざかっていった。




 ――――――

 ――――――

 ――――――





「うっ、つっ……」


 どこか肌寒い感覚に目を覚ます。

 確かさっきまで……そうだ!急に教室が光だして


「――どこだここは?」

 

 見渡す限り薄暗く、異様ともいえる不気味な気配に身の毛がよだった。

 周りにはクラスメートが何人もいる。俺以外もかなりの人が目をさまし、身に覚えのない場所に混乱していた。

 それもそのばず、俺たちはさっきまで教室にいたはずなんだ。それがどういうわけか、薄暗い洞窟のような場所にいる。


 そして、最も気になったのが、地面に描かれている魔方陣のようなもの。その模様が、クラス全員を覆うように広がっていた。この模様もさっき教室で見たものと同じもので――


 まさしく異世界召喚、というやつだ。それもクラス皆が召喚されるパターンの。しかし、そんなことが本当に起こるものか? 


「皆、目覚めたようじゃな」


 渋い声が発せられた方を振り向くと、そこには杖をついた老人がいた。しかし、ただの老人ではないのは誰がどう見ても明白だ。

 頭には王冠。背中には赤いマントを羽織っており、手に持っている杖には青白く光る宝石がはめ込まれている。漫画とかで見る王様のイメージそのものだ。




「テメェェ――何なんだよこれ! 説明しろよクソジジィ!!」


 そんな時、怒りを露にした口調で一歩前に出たのは神取。さっき俺にカツアゲしたやつだ。


 俺らが住んでいる場所では、神取の名を知らないものはいないんじゃないかってほど、悪い意味で有名である。中でも有名なのは、ケンカした相手を全治2カ月にしたという話。


 そんな彼の言葉を、王様は目を瞑って聞き流した。それを観かねてか、神取がさらに前に出る。


「おい、黙ってねぇでなんか言えやカス!!」


「小僧が、一度なら見逃したものの……」


「アアァ、テメェ、ナメてんのかゴラァ!」


 遂にキレたのか、神取が拳を突き上げて殴りかかろうとした、その瞬間、



「ナメてるのはお前のほうだ」



 瞬間移動のように現れた、1人の騎士が神取を切り裂き、そう吐き捨てた。


まさに一瞬。それこそ、瞬きをしたら神取は斬られた。

 斬った本人、見た目から推測するに40歳前後のおじさんだ。しかし、その見た目を疑うほどの筋肉質な腕。間違いなく戦士か、英雄と言われても不思議ではない風格があった。


「ロズベル王に逆らおうとした者は皆、こうなると心得よ!」


「まぁ、ゼクス、落ち着け。これでもう彼らも逆らわんじゃろう」


 ゼクスと呼ばれた者が叫び、それを王、ロズベルがなだめる。

 確かにロズベルの言うように、俺を含めたクラスメート全員が、恐怖を、不安を、緊張を与えられた。


「一列に並べ! クズクズするな!」


 ゼクスの叫びに、俺らは従わざるを得なかった――




恐らく、更新も遅くなると思います。それでも良かったらブクマお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ