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ヘリオスオーブ・クロニクル(旧題:刻印術師の異世界生活・真伝)  作者: 氷山 玲士
第四章・マイライト山脈の緊急事態
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作戦会議

Side・プリム


 大和がフレデリカ侯爵を受け入れて、夜の予定も決まった。

 母様に頼んで、フレデリカ侯爵にプレグネイシングを使ってもらわないといけないけど、乱入してこないわよね?

 初夜以来、母様はフレデリカ侯爵の屋敷に戻っているけど、だからこそその可能性が否定できなくて怖いわ。


「ところでフレデリカ侯爵、参加するハイオーダーですけど、5人なんですよね?」

「いえ、ユーリアナ殿下のエスコート・オーダーも、この事態を見過ごすワケにはいかないということで、参加してくれることになったわ」


 おっと、アライアンスの話が進んでるわ。

 って、ユーリの護衛をしてたエスコート・オーダーって、確か(ゴールド)ランクが1人、(シルバー)ランクが3人、(ブロンズ)ランクが2人生き残ってたはずだけど、もう回復したの?

 それにアライアンスに参加って、ありがたいけど指揮系統が違うから、それはそれで混乱の元にならないかしら?


「ヒーラーズギルドが出来うる限りの治療を施してくれたし、無様な真似を晒した自分が許せないそうだから、どうしても参加したいそうなのよ」

「ミューズならそう考えるでしょうね」


 ミューズっていうのはユーリのエスコート・オーダーをしているハイオーガの女性(ゴールド)ランクオーダーで、本名はミューズ・クーベル。

 貴族じゃなくて一般の出だけどレベルは52で、近い内にどこかの街のオーダーズマスターになるんじゃないかって言われている。

 ただ負けず嫌いらしく、今回のサーシェス達に不意打ちを受け、ロクに反撃もできないまま戦闘不能にされてしまったことが許せないらしく、今回のアライアンスへの参加も、不甲斐ない自分を鍛えなおすっていう意味もあるそうよ。

 ちなみに25歳の独身で、結婚はおろか、シングル・マザーすらも考えてないんだとか。


「ということは、フィールのオーダーズギルドの指揮下に入るってことですか?」

「それでいいそうです。というか指揮をするぐらいなら、剣を振っていたいと考えるタイプですね」


 何、その脳筋思考?

 オーダーズマスターに近いって言われてる人なのに、それはそれで問題があるんじゃない?


「もちろん(ゴールド)ランクオーダーですから、指揮も執れますよ。本人の性に合わないというだけですね」


 ユーリがフォローしてるけど、フォローになってない気がするのはあたしだけ?

 まあ、いいわ。


「戦力が増えるのは、こっちとしてもありがたいんですけどね。というか、ハンターのリーダーはファリスさんだけど、オーダーは誰なんですか?」

「オーダーズマスターよ。同時にアライアンス全体のリーダーも、彼が務めることになるわ」


 オーダーズマスターが参加するって、それ、大丈夫なの?


「オーダーズギルドはね、こういう時のための組織でもあるの。だからオーダーズマスターかサブ・オーダーズマスターは、必ず参加する規則があるわ。さすがに両方とも参加するわけにはいかないから、ローズマリーはフィールに残ることになるけど」


 そういえばそうだったわね。

 国の一大事なんだからオーダーが参加するのは当然で、オーダーズマスターだけが例外なワケがなかったわ。


「オーダーはオーダーで大変なんですね」

「そりゃね。私みたいなアウトサイド・オーダーだって、ハイクラスなら声が掛かるはずだもの」


 むしろアウトサイド・オーダーだからこそ、有事の際は協力しなきゃよね。


 そこまで話した所で、応接室のドアがノックされ、ミュンさんが入ってきた。


「失礼します。フレデリカ様、お話は終わりということでよろしいですか?」

「あ、ごめんなさい。ええ、終わりました。ソフィア伯爵とアーキライト子爵には、後程お話します。悪いけど、お2人をお通ししてもらえるかしら?」

「かしこましました。それからオーダーズマスターが、アライアンスに参加するハイオーダー、ユーリアナ殿下のエスコート・オーダーとご一緒にいらしています」

「そちらもお通しして」


 早いと思ったけど、時計を見たら4時半だった。

 思ったより時間経ってたのね。


 ユーリの護衛は、今はフィールのオーダーズギルドから派遣されていて、元から護衛をしていたオーダーは傷の治療のため、オーダーズギルド本部にある宿泊室で寝泊まりしている。

 オーダーが派遣されることは結構あるから、オーダーズギルドにはそういった場合ための宿泊施設も合わせて設計されているから、オーダーが宿に困ることはない。

 ハンターとはえらい違いだけど国の機関なんだから、これぐらいはあってもおかしくないか。


「失礼します。ミュンさんから聞きましたが、オーダーズギルドが来たそうですね?」


 ミュンさんが下がってすぐに、ソフィア伯爵とアーキライト子爵が戻ってきた。

 どこにいたのか気になるけど、2人とも領代なんだから、後でフレデリカ侯爵とのことを説明しなきゃいけないわよね。


「はい。直にここに通されてきます」

「思ったより早いが、何かあったのですか?」

「おそらくですけど、ミューズが急かしたのではないかと」


 オーダーは時間に正確だから遅刻することはないけど、時間より早く来ることもない。

 もちろん5分10分ぐらいなら普通にあるけど、それでも30分前ともなると、何かあったんじゃないかと思われるのね。

 というか、そのミューズっていうオーダーの名前が出た瞬間、ソフィア伯爵もアーキライト子爵も、すごい納得顔になってない?


「仕方がありません。ミューズが言い出さなければ、私の護衛がアライアンスに参加することはなかったでしょうから」


 ユーリも苦笑いだけど、そこまでなの?

 そりゃ不意打ちとはいえ何も出来なかったみたいだから、不甲斐なく思うのはわからないでもないけど、ユーリも無事で命も助かった。

 後遺症もなくオーダーにも復帰できたんだから、それで良しってしとけばいいと思うんだけど?


「そう思ってるオーダーもいるでしょうしそれが悪いとも思いませんが、ミューズにそれを求めるのは無理ですよ」

「だよね。そもそもミューズさんなら、大和やプリムに決闘ぐらいは申し込みそうだし」


 ユーリとルディアから、すごく聞き捨てならない話が聞こえた気がする。

 もしかしてミューズさんって、バトルジャンキーか何かなの?


「ストイックに強さを求めているという意味では、そうかもしれませんね。まあハイオーガですから背も高いですし、その分圧迫感も凄いですから、男の人から逃げられて、その結果なのかもしれませんけど」


 そのタイミングで、またしてもドアがノックされ、すぐにドアが開いた。


「大きなお世話だよ、リディア」

「ご、ごめんなさいっ!!」


 まさに鬼が出たわ。

 リディアも悪いんだけど、さすがにタイミングも悪かったわね。

 それにしても、オーガだけあって背が高いわね。

 私より10センチ近く高いわよ。


「いいんだけどな。実際、取り締まった男の多くは、私が出ると真っ青になって縮こまってしまうのも事実だし……」


 大和より背が高いんじゃないかと思えるハイオーガが、なんか急に小さく見えてきたわね。

 というか、明らかにいじけてない?


「こう見えても、ミューズは繊細だからね。だけど、あんまり気にもしてないよ。なにせミューズが落としたい男は、今も昔も1人しかいないんだからね」

「ファリス!!」


 ミューズさんの陰に隠れてたのか、ファリスさん達ホーリー・グレイブも来てたみたいね。

 というか、ファリスさんとミューズさんって、知り合いなの?


「ホーリー・グレイブが来たとは聞いてないけど?」

「申し訳ありません。オーダーズギルドの皆さんをご案内している最中に来られましたので、ご一緒に案内させていただくことにしまして」

「それは構わないわ。早いに越したことはないから。あとはギルドマスターね」


 そう思っていたんだけど、すぐにギルドマスター達も到着した。

 これで全員揃ったわね。


「ファリスさんって、ミューズさんと知り合いだったの?」

「そりゃ、私達は王都を拠点にしてるからね。オーダーズギルド総本部ともやり取りがあるし、ミューズは年もレベルも近いから、けっこう仲良くやってるよ」

「そう言いつつ、先に結婚したじゃないか、お前は」

「それは本人の自由だろ?」


 身長180センチ近くあるミューズさんと、身長120センチぐらいしかないファリスさんのやり取りは、傍から見てると大人と子供のやり取りね。

 ツッコミ所はいくつかあるけど世間話のために集まったわけじゃないし、全員揃ったんだから、そろそろ誰かが止めるでしょう。


「そこまでにしとけよ、ファリス。旧交を温めに来たんじゃないんだからな?」

「ミューズさんもですよ。旧交を温めるなら、話が終わってからお願いします」


 ファリスさんの夫のクリフさんと、オーダーズマスターのレックスさんが仲裁に入った。

 夫と上司?になるワケだし、これから大事な話し合いになるし、2人も本気で言い合ってるわけじゃないからすぐに止まるのも当然か。


「そうだね」

「すまない、オーダーズマスター」

「それではまだ時間にはなっていませんが、全員揃ったので、明日のアライアンスのことを話し合いたいと思います」


 フレデリカ侯爵が司会進行役で、アライアンスについての話し合いが始まった。


「まず参加者ですが、ハンターはホーリー・グレイブのファリスをリーダーに、クリフ、バークス、サリナ、クラリス。ウイング・クレストからは大和とプリムローズ。以上の7名ですな」

「オーダーズギルドからはグラム、カルディナ、エレナ、イリス、そして私レックスの5名で、私がリーダーを務めさせて頂きます。サブ・オーダーズマスターのローズマリーは、フィールの守護に当たってもらいます。また、ユーリアナ殿下のエスコート・オーダー、ミューズ、リアラ、ダートの3名も、参加を希望しています」


 全部で15人か。

 ユーリの護衛が3人参加だけど、残り1人のハイクラスは怪我が酷いのか、万が一のためにフィールに残るかのどっちかでしょうね。

 多分、後者のような気はするけど。


「アライアンスの人数としては少なめだが、エンシェントクラスが2人もいることを考えると、戦力的には申し分ないか」

「そうですね。もっとも、今まではエンシェントクラスがアライアンスに入ることは、余程のことがなければあり得なかったワケですが」


 アーキライト子爵が頷き、ヒーラーズマスターのサフィアさんが相槌を打つ。


 今までのアライアンスは、ハイクラスだけで構成されることがほとんどだった。

 稀にグランド・ハンターズマスターも参加することはあったみたいだけど、エンシェントクラスはグランド・ハンターズマスターだけだったから頻繁に頼むのは難しいし、何よりソレムネのことがあるから、アレグリアが出し渋っていたのよ。


 だけど今回は、あたしと大和がエンシェントクラスに進化してるから、下手なハイクラスが参加したアライアンスより、戦力的には上だって言ってもいいと思う。

 レティセンシアのハイハンターなんて場をかき乱すだけで、あんまり役に立たなかったとも聞いてるからね。


「そうだけど、それは仕方がないよ。いくらグランド・ハンターズマスターがエンシェントウルフィーだからって、たった1人しかいないんだから」

「それにご高齢ですから、あまりご無理をさせるワケにはいきませんね」


 クラフターズマスターのラベルナさんとバトラーズマスターのオルキスさんも、グランド・ハンターズマスターがアライアンスに参加できない理由は、しっかりと理解している。

 実際、200歳近いお歳だから、今回もグランド・ハンターズマスターは不参加なのよ。


「ですが大和君もプリムさんも、異常種の単独討伐ができますし、先日もたった2人で災害種を討伐していますから、私達としても急いで避難するようなことにならないで済みます」


 トレーダーズマスターのミカサさんがそう言うと、全員が大きく首を縦に振った。

 いや、ファリスさんやレックスさん、ミューズさんまで頷かないでよ。

 あなた達も参加者でしょうに。


「何か言いたげな顔してるが、お前らはそれだけのことをしでかしてるんだからな?しかもフィールに来てまだ1ヶ月も経ってないってのに、エンシェントクラスに進化しやがってるじゃねえか。そんな奴らに、常識を求める方が無理ってもんだ」


 ハンターズマスターのライナスさんが酷いことを言うけど、否定できる要素がないのが辛いわね。


「諦めなさい。それで指揮系統だけど、今回はハンター、オーダーズギルド・フィール支部、そして総本部が参加となるけど、総本部のオーダーは、フィール支部の指揮下に入ることを承諾しています。ですから規定通り、アライアンス・リーダーはオーダーズマスターに務めてもらうことになります」

「非才ですが、全力で任に当たります」


 ハンターだけのアライアンスならファリスさんがリーダーで決まりだったんだけど、オーダーも参加するとなるとハンターズギルドの規定で、オーダーがリーダーを務める規定になっている。


 ハンターは一番レベルの高い人がリーダーを務めることになってるけど、そうなると他国のハンターになることもある。

 その場合状況判断が厳しくなり、少々の被害でも撤退してしまうことがあるから、オーダーズギルドに限らず、騎士団や軍が参加する場合はそちらがリーダーを務める方が良い。

 騎士団や軍、もちろんオーダーズギルドも国の機関だから、少々の被害で撤退することはあり得ないからね。

 もっとも、ハンターのリーダーがファリスさんだということは変わらないんだけど。


「次はターゲットね。ホーリー・グレイブが目撃したのはオーク・キングとオーク・クイーン、そしてオーク・プリンセスの3種。だけどオーク・プリンセスは討伐に成功し、死体もハンターズギルドで引き取っていると聞きますが、ライナス殿、それは事実ですか?」

「クエスティングも確認してありますから、間違いありませんな。報告では、プリンセスとは遭遇戦に近かったようですが、幸いにもキング、クイーンの出現地点とは距離があったため、討伐後に死体を回収できたとのことです」


 これも既に聞いているけど、この場はそのキングとクイーンを倒すために設けられたようなものだから、確認は必須。

 他にも通常種はおらず、上位種のグラン・オークはもちろん希少種のジャイアント・オークも少なくなかったそうだから、討伐の難易度はけっこう高いわ。


「その件で、クラフターズマスターからも報告があります。ラベルナ、頼む」

「ああ。この場にいる方々はご存知かと思いますが、現在クラフターズギルドには、新しい技術が導入されました。一斉導入はグランド・クラフターズマスターに報告がされてからになりますが、幸いにもフィールに開発者、提案者がいますし、このような事態を無視するワケにはいきませんので、両者の許可を取り、その技術、合金を使い、ハイオーダーの剣を打ってあります」


 ラベルナさんの宣言に、オーダーからどよめきが起こった。

 特にフィールのハイオーダー5人は噂ぐらいは聞いたことあるはずだから、その驚きようも並じゃない。


「申し訳ありません、クラフターズマスター。私達はフィールに来て間もないので、その合金という技術が、どれ程の物なのかを存じておりません」


 逆にユーリのエスコート・オーダーは、合金の噂を聞いていない。

 だけど内容を聞けば、驚くのは間違いないわね。


「私から説明したいんだが、この場に提案者がいる以上、彼から説明してもらうべきだろう」


 そう言ってラベルナさんは、大和に話を振った。

 大和は聞いてないって顔をしてるけど、この場じゃどうにもならないし、何より大和が提案しなかったら合金はできなかったんだから、これは仕方ないでしょうね。


「えーっと、合金ってのは、俺の世界にある、異なる金属を混ぜ合わせる技術です。性能が一段上がるから、鉄でもかなり丈夫になりますね」


 大和が客人まれびとだということは、既にミューズさん達も知っている。

 だからそこは驚かないんだけど、合金の内容をざっくりと説明されると、さすがに驚いているわ。


「つ、つまり君の提案した合金というのは、魔銀ミスリルより一段上の性能になっていると?」

「なってますね。翡翠色銀ヒスイロカネって名付けましたが、確か魔力強度7、硬度7、魔力伝達率8で、重さも魔銀ミスリルとそんなに変わらなかったんじゃなかったかな?」

「なっ!?」


 数値を出されると、領代やギルドマスター達も驚いてるけど、そういえば具体的な数値を知ってるのはラベルナさんだけだったっけ。


「そ、その翡翠色銀ヒスイロカネという合金を使って、我々ハイオーダーのために、剣を打ってもらえたというのですか?」

「ええ。ホーリー・グレイブには品評依頼をしていますし、ウイング・クレストは提案者ですから既に使っていますが、オーダーの武器は魔銀ミスリルのままですから、戦力に不安が出ると判断せざるを得ませんでした」


 驚くレックスさんに、ラベルナさんが補足する。

 オーダーの技量は問題ないんだけど、武器がもたないから、魔力を抑えなきゃいけない。

 だけどそんな状態じゃ全力は出せないし、逆に大きな隙になっちゃうから、武器の強化は必須だった。

 贅沢を言えば盾や鎧も更新したかったんだけど、さすがに時間が足りないから、これは許してもらわないといけないけど。


「今回は時間がなかったこともあって剣の形にしただけに等しいですが、いずれ正式に公表されれば、オーダーズギルドには優先的に提供されることになると思います」


 レティセンシアの問題があるから、こればっかりは仕方がないのよね。


「それは……非常に助かります。訓練で使っているだけでも、数ヶ月もすれば使えなくなってしまっていましたからね」

「で、ですが、その翡翠色銀ヒスイロカネという合金が凄いのはわかりますが、実際の使用感はどうなのですか?」


 レックスさんは安堵してるけど、ミューズさんは使用感が気になっているみたい。

 これはオーダーズマスターとバトルジャンキーの違いなのかしらね?

 気持ちはわからなくもないけど。


「エンシェントクラスの2人が災害種を倒しても、何も問題はなかったと聞いていますよ。そうだよね?」

「問題なかったですね」

「普通に魔力が流せてるわよ」


 あたし達が使うのは瑠璃色銀ルリイロカネだけど、災害種アビス・タウルスを倒した時は翡翠色銀ヒスイロカネ製の試作武器を使ってたから、間違いってワケでもない。


「ファリス、君達は?」

「問題ないどころの話じゃないね。この武器がなかったらオーク・プリンセスを倒すどころか、逃げることも難しかっただろうね」


 報告でも、そんなことを言ってたものね。

 逃げることはできただろうけど誰かが犠牲になってたかもしれないとも言ってたから、魔力疲労や劣化を気にせず全力で使える武器っていうのは、ハイクラスが無意識に抑えていた魔力も使ってるってことになるから、十分に戦力強化に繋がってると思えるわ。


 高ランクモンスターは、ハイクラスでも単独討伐はできない。

 だけどその理由は、武器にあるんじゃないかって大和は予想している。

 武器に全力で魔力を流すことができないから、マナリングによる強化も1ランク、もしかしたら2ランク以上落ちているから攻撃力に欠けて、同じ理由で防御力も落ちてるんじゃないかって。


 瑠璃色銀ルリイロカネの武器スカーレット・ウイングと瑠璃銀刀・薄緑はまだ実際に使ってないけど、翡翠色銀ヒスイロカネの試作武器は何度も使ってるから、大和の言いたいことも何となくわかる。

 その予想、当たってるような気もするわ。

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