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ヘリオスオーブ・クロニクル(旧題:刻印術師の異世界生活・真伝)  作者: 氷山 玲士
第八章・アミスターでの出会いと冒険
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アライアンスとの交流

 第5階層では不愉快なことがあったが、アライアンスのハンター達を助けることができたのは良かった。

 おかげでセーフ・エリアや第6階層への入り口がある場所も予想できたし、実際に第6階層に到達することもできたんだからな。

 だがその喜びも束の間、まさかここにきて砂漠階層とか、どんだけ鬼畜なんだよ、この迷宮ダンジョンは。


「ここで砂漠とか、マジで勘弁してほしいんだけど?」

「マルカ殿下に同意しますが、アンデッド階層よりはマシかと」


 マルカ殿下とアライアンス・リーダーも務めているグレイシャス・リンクス リーダー スレイさんも、すげえうんざりとした表情を浮かべている。

 時間も時間だから、夜営はこの砂漠のセーフ・エリアか腐臭漂う迷路の中のセーフ・エリアかだから、選択肢としてはどちらも最悪だ。

 セーフ・エリアは砂漠の暑さや寒さ、日差しすら多少は遮ってくれるそうだし、アンデッド迷路の腐臭もかなり緩和してくれるみたいだが、さすがに完全にっていう訳じゃない。

 だから試作獣車に外気遮断の魔法を付与させたんだが、大正解だった。

 アライアンスの皆さんにも体験してもらった結果、満場一致で砂漠で野営することに決まったからな。

 緩和されたとはいえ腐臭はするし、あんまりいい思いもしないから当然だ。


 食事だが、これはエオスとユリアが、アライアンスの分も作ってくれている。

 メニューはレッサー・ドラグーンの赤ワイン煮込みをメインにドレイク肉祭りとなってしまったが、これだけ肉を食えば、ハイクラスなら回復の助けにはなるだろう。


「う、美味えっ!」

「まさかレッサー・ドラグーンを食えるとは、思ってもなかったな」

「本当にね。命が助かっただけでもありがたいのに、ここまでしてもらえるなんて……」

「あたし達だけ食べてみんなが食べれないとか、さすがにあり得ないって」

「そうですよ。まだまだありますから、遠慮なく食べてくださいね」


 人数が多いってことで調理を手伝っていたリディアとルディアが、どんどん肉を運んでくる。


 第6階層に下りてこれたことで、重傷を負っていたアライアンス・メンバーにはプリムがブラッド・ヒーリングを使っている。

 第5階層で使わなかった理由は、セーフ・エリアの外で野営する可能性があって、プリムの魔力を消耗させる訳にはいかなかったからだから、無事にその第5階層を突破してセーフ・エリアで野営をする以上、そこまで気を遣う必要はなくなった。

 だから全員が、起き上がれるまでに回復できている。

 ユーリとキャロルも、まだ少し辛そうだが、何とか飯を食えているな。


「それにしても、この獣車はすごいな。これだけの人数がいるというのに、全員がリビングで食事をできるとは」


 ブラック・アーミーのリーダーで(ゴールド)ランクオーダーでもあるハイオーガのシーザーさんが、感心しながら獣車の中を見やる。


「アライアンスでの使用も考えていますからね。もっとも人数によっては、全員は乗り切らないんですが」

「いや、それでも十分な広さだ。確かに今後のアライアンスは君達が中心になるだろうから、僕達としても助かる面があるよ」


 現在の人数は、俺達ウイング・クレストが20人にラインハルト陛下、エリス殿下、マルカ殿下、それに加えて助けたアライアンス22人だから、総勢45人だ。

 リビングは100平米あるから広々と使えているんだが、このタイミングでアライアンスを乗せることになるとは思ってなかったから、椅子やテーブルの数が足りないのが問題か。

 だから全員が、その辺に適当に座りながら飯を食っているんだが、この感じだと食堂を新設した方が良いかもしれない。


「食堂か。確かにあった方がいいかもね」

「これでも十分な気がするけどね。いや、リビングはプライベートスペースでもあるから、そっちの方が僕達としても、変に気を遣わないですむか」

「それはあるかもね。でも客室まで用意されているんだから、私達からしたらありがたい限りよ」


 ファルコンズ・ビークのリーダーでシーザーさんと同じ(ゴールド)ランクハンターのハイハーピー エルさんと、ワイズ・レインボーのリーダーでハイヒューマンのフラウさんはプリムと話してるが、イデアル連山の魔物間引きアライアンスにも何度か参加したことがあるそうで、その時と今回を比べているみたいだ。


「客室は丁度レイドと同じ5部屋ですけど、使い勝手はどうですか?」

「助かっているよ。移動中もゆっくりと休ませてもらったからね」

「レイドごとに割り振ってるけど、こっちも個室を用意しといた方がいいのかしら?」

「それは難しい問題ね。ただ今回のアライアンスでも夫婦や恋人同士っていう人はいるから、余裕があるのなら考慮してもいい気もするわよ」


 フラウさんの意見は、言われるまでまったく気が付かなかった。

 確かに俺達だってそうなんだから、参加するアライアンスだって夫婦や恋人同士って人がいてもおかしくはないんだった。

 こっちも食堂と同様に、何か手を考えないといけないな。


 客室もアライアンスでの使用を前提に考えてあるから、ベッドは用意していない。

 それでも1つの客室に10人強入れるし、寝台スペースの床はベッドと同じ素材を敷き詰めてあるから、寝心地が悪いってこともないと思う。

 雑魚寝になってしまうのが申し訳ないが。


「こちらとしては、十分にありがたいよ。なにせ私達が使っていた獣車は、そんなスペースはなかったからね」

「そうそう。だからセーフ・エリアでは、普通に獣車を囲んで野営だったよ。それと比べれば天と地さ」


 プラムさんとシーザーさんが、少し疲れたような顔でそう言ってくるが、それは確かに大変そうだ。


「ああ、それと、寝る前に部屋割りを変更させてもらうよ。男は1つの部屋に纏めておくから、夜這いをかける馬鹿もいなくなると思う」

「そんな馬鹿がいたら、煮るなり焼くなり好きにしていいけどね」


 おっと、それは確かに考えてなかったな。

 客室丁度5部屋だから、元々の構想通りレイドごとで使ってもらおうと思ってたんだが、同じ獣車に乗ってるってことで、俺達の寝室に夜這いをかけてくる馬鹿がいないとは言い切れない。

 俺はそのことを、すっかりと失念していた。


「すいません、そこまで考えていませんでした」

「これは試作だって言ってたし使ったのも初めてなんだから、それは仕方ないんじゃないかな」

「そうね。むしろ完成する前に問題点が分かったんだから、それを活かせばいいだけよ」


 まったくもってスレイさんとエルさんの言う通りだ。

 ここでアライアンスを乗せることになるとは思ってもいなかったが、貴重な意見も貰えているから、俺達としても大助かりだな。


「それにしても、まさか君達ハンターだけじゃなく、クラフターやヒーラーといった非戦闘員まで連れてきていたとはね」

「戦闘訓練も兼ねてますからね」


 ここに来るまでに、エド達クラフターやマリサさん達バトラーも、何度か戦闘を行っている。

 マリサさん達は専用の武器を用意してあるが、エド達は丸腰のままだから、こっちは魔法での援護が主だな。

 そのせいってわけじゃないが、今のライセンスはこんな感じだ。


 ヤマト・ハイドランシア・ミカミ

 17歳

 Lv.80

 人族・エンシェントヒューマン

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ミスリル)

 オーダーズギルド:アミスター王国 フロート アウトサイド

 オーダーズランク:(オリハルコン)

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(ゴールド)(シルバー)


 プリムローズ・ハイドランシア・ミカミ

 17歳

 Lv.74

 獣族・エンシェントフォクシー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ミスリル)


 マナリース・A・ミカミ

 18歳

 Lv.62

 人族・ハイエルフ

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:アミスター王国 フロート

 ハンターズランク:(プラチナ)(ゴールド)

 トレーダーズギルド:アミスター王国 フィール

 トレーダーズランク:(ティン)


 ユーリアナ・レイナ・アミスター

 14歳

 Lv.38

 人族・ヒューマン・ハーフエルフ

 ヒーラーズギルド:アミスター王国 フロート

 ヒーラーズランク:(ゴールド)


 ミーナ・F・ミカミ

 17歳

 Lv.55

 人族・ハイヒューマン

 ユニオン:ウイング・クレスト

 オーダーズギルド:アミスター王国 フロート アウトサイド

 オーダーズランク:(シルバー)

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ゴールド)


 フラム・ミカミ

 18歳

 Lv.51

 妖族・ハイウンディーネ

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ゴールド)(シルバー)

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(ブロンズ)


 リディア・ハイウインド

 16歳

 Lv.59

 竜族・ハイドラゴニュート(氷竜)

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア

 ハンターズランク:(ゴールド)


 ルディア・ハイウインド

 16歳

 Lv.59

 竜族・ハイドラゴニュート(火竜)

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア

 ハンターズランク:(ゴールド)


 アテナ・ウィルネス・シルバー・トマリ

 84歳

 Lv.50

 竜族・ハイドラゴニアン

 竜名:シルバードラゴニアン

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア

 ハンターズランク:(シルバー)


 ラウス

 14歳

 Lv.55

 獣族・ハイウルフィー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ゴールド)


 レベッカ

 13歳

 Lv.52

 妖族・ハイウンディーネ

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ゴールド)(シルバー)


 キャロル・ベルンシュタイン

 15歳

 Lv.40

 人族・エルフ

 ユニオン:ウイング・クレスト

 ヒーラーズギルド:アミスター王国 フィエリテ

 ヒーラーズランク:(ゴールド)

 ハンターズギルド:アミスター王国 フィール

 ハンターズランク:(ブロンズ)(カッパー)


 エドワード・アルベルト

 19歳

 Lv.37

 人族・フェアリー・ハーフドワーフ

 ユニオン:ウイング・クレスト

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(プラチナ)(ゴールド)


 マリーナ・アルベルト

 19歳

 Lv.39

 竜族・フェアリー・ハーフドラゴニュート

 ユニオン:ウイング・クレスト

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(ゴールド)(シルバー)

 トレーダーズギルド:アミスター王国 フィール

 トレーダーズランク:(ブロンズ)


 フィーナ・アルベルト

 17歳

 Lv.35

 妖族・ハーピー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(シルバー)


 マリサ

 20歳

 Lv.42

 妖族・ヴァンパイア

 ユニオン:ウイング・クレスト

 バトラーズギルド:アミスター王国 フロート

 バトラーズランク:(シルバー)


 ヴィオラ

 15歳

 Lv.37

 獣族・タイガリー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 バトラーズギルド:アミスター王国 フロート

 バトラーズランク:(ブロンズ)


 ユリア

 14歳

 Lv.34

 獣族・ラビトリー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 バトラーズギルド:アミスター王国 フロート

 バトラーズランク:(カッパー)


 エオス・ウィルネス・グリーン

 117歳

 Lv.60

 竜族・ハイドラゴニアン

 竜名:グリーンドラゴニアン

 ユニオン:ウイング・クレスト

 バトラーズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア

 バトラーズランク:(ゴールド)

 ハンターズギルド:バレンティア竜国 ドラグニア

 ハンターズランク:(ゴールド)


 フィアナ

 15歳

 Lv.19

 獣族・リクシー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(ティン)


 レイナ

 12歳

 Lv.17

 妖族・ハーピー

 ユニオン:ウイング・クレスト

 クラフターズギルド:アミスター王国 フィール

 クラフターズランク:(ティン)


 俺はあと1つレベルを上げれば、数十年ぶりの(アダマン)ランクハンターに昇格できてしまう。

 マナは(プラチナ)ランクに昇格できるようになったから、エンシェントエルフへの進化も時間の問題になったって言ってもいいと思う。

 フラムとレベッカは(ゴールド)ランクに昇格だな。

 フィアナとレイナは思ったよりレベルが上がっていないが、この2人は俺達もけっこう気を遣って戦わせているから、これはどうしようもない。

 なにせ戦闘経験はないし、加入した時点のレベルが2人共一桁だったんだから、無理をさせる理由もないからな。

 他のみんなは、そろそろ進化が見えてきたって言ってもいい。

 ヒーラーのユーリとキャロルはアライアンスの治癒があるから、明日も戦闘は難しいが、バトラーのマリサさんはいつ進化してもおかしくないレベルになっている。


 さらに陛下達もレベルが上がっているし、エリス殿下は進化もできている。

 確かラインハルト陛下が55、エリス殿下が42、マルカ殿下が50だったな。

 マルカ殿下も頑張れば(ゴールド)ランクに昇格できそうだから、ここは頑張って援護しなければ。


「戦闘訓練か。(ミスリル)ランク2人に(ゴールド)ランク5人、(シルバー)ランクのハイクラスも3人もいるんだから、必要ない気もするけどな」

「それはそれ、これはこれですね」


 エド達は魔法付与を考えて進化を目指しているが、ユーリやキャロルは俺やラウスと1日でも長く一緒に過ごすために目指しているからな。

 もっとも、普通はそれを目指しても、簡単に進化なんてできるもんじゃないんだが。

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