宿屋
宿屋
奴隷商の所を出るのに抵抗を感じた。
店の奥は見えないがきっと沢山の奴隷がいるのだろう。
胸を締め付けられるような感覚になるが、シャロンの手を引いて奴隷の店を出た。
辺りはすっかり暗くなっている。
シャロンは眠いのだろう目を擦っている。
日本だとテレビを見て、風呂に入って、そろそろネット。
そんな時間だ。
シャロンのオススメの宿に付くと二部屋取ろうとする。するとシャロンに止められた。
「私だけの為に部屋なんて駄目です。私は外に寝ます」
宿屋の店主も困った顔をしている。
「それこそ駄目だ。そんな事を俺は良しとは出来ない」
ここを譲る事は決して出来ない。
「俺はシャロンの主人として、シャロンを外に寝かせるなんて、そんな無責任な真似は出来ない」
店主は呆れた顔をしている。
「では、私と同じ部屋に泊まるというのは?」
店主が小さく頷いた。
「じゃあ、それで」
それから部屋へ移った。
ホント異世界って面倒。
こんな、小さい女の子と一緒に宿に泊まってるのをクラスメイトに見られたら俺もう終わりだよ?
「でわ、私は床で大丈夫なので!」
シャロンが床に寝ようとする。
「ハイハイ、布団二つ有りますから」
そう言ってシャロンを布団に放り込む。シャロンは布団の心地よさに負けたのか布団に潜ると直ぐに寝息をたて始めた。
俺は姫様から貰った手紙を読んで寝た。
内容はちょっと怖い感じだったので割愛。