シャロン
シャロン
貧富の差が激しい。
王宮は豪華だったけど、結構この国の闇は深いのかもしれない。
それが、シャロンの話を聞いた後の俺の感想だった。
シャロンはスラムで会った獣人の少女の名前だ。
この世界では差別は当たり前の事のようだ。人族が優れていて、それに対して獣人達は劣っている。そんな風習が強いようだ。
それはシャロン自信もそうで、俺と同じ食卓を囲むのに抵抗を感じるらしかった。
「じゃあシャロンは一人で王都に?」
「ぞうなんでずう」
シャロンは食べながら喋るからたまに話が聞き取りにくい。
「偉いな」
俺がそう言うとシャロンはモジモジした。
照れてるようだ、青い髪の毛と目をしている。肌はスラムでの生活のせいだろう薄汚れていた。
「さてと、どうしよえか?」
今はシャロンに適当な店で教えてもらい食事を取っていた。
このままという訳にはいかない。
宿だ。
「義明様?」
「ん?俺の事は呼び捨てで良いよ?」
「いえ!そうはいきません。義明様のためになりませんし、私も不心得者として見られます。憲兵に見られたら私、、、」
見られたらどうなっちまうんだよ!
「分かった、好きに呼んで」
「ありがとうございます。それで、、」
シャロンは食べる手を止めて下を見た。
「義明様、私を奴隷として買ってくださいませんか?」
「えっと」
「なんでもします!お願いします!」
シャロンが大きな声で言った。回りの客が俺を見る。
「別に奴隷にならなくても、シャロンの面倒を少し見るぐらい大丈夫だよ?」
「買ってください!」
シャロンをなんとか落ち着かせて話を聞いたあと、シャロンを奴隷として買うことを了承した。
この世界の差別が思っていた以上に酷かったからだ。
それから慌てて店を出て奴隷商の所で俺とシャロンの間で奴隷契約を結んだ。
その時。
『スキル《素直な心》を発動しました。契約魔法レベル1からレベル3までを習得しました』
頭の中で変な声がきこえた。