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俺、イケメン?
俺、イケメン?
店員さんに金貨を押し付け何とか店を出てきた。
色々、考えてしまう。
確かにあの人神とかいう存在は。俺の心と体を一致させると言っていたが。
これはないだろう。こんなはずはない。
俺の人間性が整っているだなんて、そんなバカな。
鏡で見た俺は。黒い目と、黒い髪の毛。それ以外全部違う。
「何かお困りですか?」通りすがりの女性が声をかけてくる。
「大丈夫です」
高い身長。
「一緒にお食事しませんか?」また別の女性が声をかけてくる。
「大丈夫です」
細く筋肉質な体。
「お時間を頂けませんか?」
「大丈夫です」
長い手足。
「ねぇ、私と遊びに行こうよ」
「大丈夫です」
整っている顔。
「大丈夫!大丈夫!大丈夫!」
気が付いたら回りに女性の人だかりが出来ていた。
ダッシュで人だかりから逃げる。
おかしいだろ?!
何でだ?!
何でこんな事になってる?!