街
街(義明視点)
街はパリを彷彿とさせる街並みだ。
城を出ると自分の格好が浮いているのが解った。
そりゃあ。皆、学ランの男なんて見たの初めてだろう。
スレ違う人がチラチラ見てくる。
お金ももらったし適当な店で服を買うとしよう。
それっぽい店に入った瞬間に女性の店員の皆が俺を注視する。
ヤバイ!ブサメン入店禁止か?ゆっくりと後退りすると一人の店員がタックルしてきた。
「い!いらっましゃませ!何をお探しですか?」
俺の腰をホールドしたまま喋ってる。
「ふ、服?服ですかね?」
「適齢期の女性はお探しではありませんか?」
違う店員さんが話しかけてきた。
「い、いえ!服です!」
「若い女性はお探しではありませんか?」
また違う店員さんが話しかけてくる。
「服です!」
どうなってるんだこの店は?入る店を間違えたか?
それから何とか服を買うことを説明して服を選んでもらった。
体のサイズは抱きついて測るという変わった方法だった。
異世界にはメジャーなんて物は無いようだ。
それから持ってきてくれた服はどう考えても細かった。裾も長い。
「俺、これ着れますかね?」
「もちろん!絶対お似合いですよ?」
それから試着室ヘ押し込められた。
ふう。服を買うのも一苦労だな。服を脱いで新しい服を手に取る。
本当に俺の体に合うのかな?絶対に入らないと思うんだけど。
服を持って鏡を見る
ん?
誰だコレ?
細マッチョな体に、綺麗な顔。すらりと伸びた手足。
よく見ようと体を前に傾けると鏡に写る男も前屈みになる。
自分のお腹に手を当てると。鏡の男も六つに割れた腹筋に手を伸ばす。
ん?
「あぁぁ!!!」