一人でゆっくりと。
一人でゆっくりと。
一人で魔物を狩りに来ていた。シャロンや、アニエス、マロン、イリスさん。四人とも一緒に行きたいと言ったが魔物と戦闘するので一人が良いとお願いして無理矢理一人で来ていた。
とうしても一人になりたかったからだ。
自分の状況が急変し過ぎてわけが分からなくなっていた。
とりあえず奴隷は二人から三人になっていた。
イリスさんが、
「アニエス様が奴隷として義明様にお仕えする以上、アニエス様にお仕えする私がこのままの扱いを受ける訳にはいきません」
と言われてしまったのだ。
確かにそうだろう。アニエス自身、もちろん王族で人の世話なんて出来る訳がない。そうなるとイリスさんの存在は絶対だ。
イリスさんは王宮に帰ってもらう事も提案したが、そんな理由で却下になっていた。
理由は他にもある。
イリスさんまで俺との関係を迫ってきたのだ。
どうやら今の俺はよっぽど良い男に見えるらしい。
俺がブサメンからイケメンになった経緯もしっかり伝えたのだが、
『それがどうかしたのですか?』
と言われてしまった。
『俺はこんな男じゃない!ブサメンのキモメンが本当の俺だ!』
と言っても、
『いや、今の義明様が本当の義明様って事じゃないですか?』
と話にならなかった。
全く、こんな苦労がイケメンには有ったとは、、、。
皆素敵な女性で、アニエスだって大きくなれば別に結婚したってかまわない。シャロンだって、マロンさんだって。イリスさんも、全然好きになれる自信がある。
でも、誰かの求婚を受け入れて他の女性の求婚を断ることが、それで三人の女性を苦しめる事が受け入れにくかった。
『はぁ。。』
大きくため息をついた。
そろそろ、魔物が出てくる所まで来たようだ。
トロールの群れが前から歩いてきた。
剣を抜いて構える。
魔物を殺せなくって悩んできたが、イリスさんに魔物とは何者なのかを教えてもらって戦うことを決めた。
魔物は生き物では無いらしい。
その証拠に臓器が無い。
骨や筋肉といったものはあるのだけど、生体に大切な消化器官が無い。
ちなみに心臓もだ。
だから襲いかかってくるトロールの首を跳ねるが血が吹き出る事が無い。
血のようなものが滲んだり、滴り落ちる事はあるのだけど。
トロールの動きは遅く、回避してはトロールの体に斬りつけた。
この世界に来て生まれ変わった俺の体は疲れを知らないようで、襲いかかるトロールを何体も倒した。
心臓が無いトロールの弱点は頭部にあるようで、首を切り落とすか、頭部を破壊すると動かなくなる。
地面を蹴って、トロールの眼前に近付いて首を跳ねると、トロールの死体を蹴って次のトロールの眼前まで飛ぶ。
辺り一面がトロールの死体で埋め尽くされると。
ゆっくりと死体は消えていった。
トロールは良いドロップアイテムが無いそうでお金にあまりならないと言われていたが、できるだけ集める。
これからは四人を養わなければいけない。
『はぁ。。』
大きくため息をついた。




