姫
姫
フッフッフ!
私はこの国の姫として生まれ早くも26年が経ってしまった。
父親の国王には早く嫁に行けと言われる毎日。
しかし、嫁に行く先はこの国の領主だったり、貴族だったりする訳だが。
そうすると当然私の地位は下がるわけだ。
それが私には我慢ならない。
嫁に嫁いで地位が下がるなど!言語道断!
上がるのは良い。そのままも良い。
しかし、下がるなんて!
真っ平ごめん!
そこで勇者様だ。
勇者様は強く!最高に格好よかった!
しかも!ピュア!言う事がいちいち可愛いのだ!
この日のために私は未婚を貫いてきた。
そう言っても過言ではあるまい。
しかし、そこで問題が一つ出た。なんと勇者様は年下が気に入っているようなのだ。
若い女の奴隷を手に入れている。
そこで問題だ。
私は勇者様をお待ちしている間になんと二十代後半に突入してしまった。
勇者様がもっと早く来てくれればこんな事にはならなかった。
これはある意味勇者様のせいなので、責任をとってもらう他に無い!
しかし、それでも嫌々責任を取らせるのも気が引けるので私はこの国の禁呪『ロリポン』を使う事にした。
この魔法は体を強制的に若返らせる事が出来る魔法で。
使用は禁止されていたが、国王が『それで嫁に行ってくれるなら』と喜んで使用を認めてくれた。
そして若返った体は十代前半の幼い体になっていた。
「信二を連れてまいれ!」
連れてこられた信二は眠いのだろう目を擦っている。
「なんすか?」
「どうだ?」
「ん?姫様っすか?」
「どうだ!義明様に好いて貰えそうか?」
これでも私は自分の容姿に自信がある。
小さい頃はそれはもう愛くるしい顔をしていたのだ。
「はぁ、まぁ」
信二は気の無い答えを言う。
「まぁよい。秋人は今の私を見て求婚せざるを得ないだろう」
ふっふっふ。
そんじょそこらの奴隷なんぞとは私は違う。
これで義明はイチコロだ!




