異世界って難しい。
異世界って難しい。
「義明様って良い匂いがするんですね」
シャロンは言った。
「嫁入りするまでそういう事はしちゃあ駄目だぞ」
シャロンは俺のベットに潜り込んで来たのだ。
「いえ、奴隷入りしたのでもう大丈夫です」
あぁ、そうきたか。そういうものなのか?
「でも私なんて嫌ですよね?」
シャロンが俺を見上げるようか形で見てくる。
昨日より少しふっくらしてきたようだ。もっとしっかり食べれば可愛い顔に顔になるだろう。
「そんな事は無いよ。シャロンは可愛いし、きっともっと可愛くなる」
シャロンは『にへっ』っと笑った。
「じゃあ私の事いつか抱いてくださいね?」
「いやいや!」
んー、思わず眉間にシワが寄る。
この世界の常識というか、モラルというか。
こんな小さい女の子がそんな事を言うなんて。
俺は高校二年生で今年で16歳になる。しかしこの子はまだ小学生か中学生だろう。
「もっと大きくなった時は俺の所を出て好きな人の所に行って良いんだよ?」
「ふぇ?」シャロンが泣きそうになる。「私の事手放すんですか?嫌いになっちゃうんですか?」
シャロンの目に涙が溜まる。
アカーン!
シャロンを慌ててハグした。
「いやいや、そういう意味じゃあ無い!シャロンが俺の所を出たくなるかもって話だよ」
「そんな事ありません!絶対!絶対にありません!」
シャロンを怒らせてしまったようだ。
むむむ。異世界って難しい。