表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

第16話  美人局大作戦

 通信でくたびれてしまった二号に水をやり、その回復を待ってからようやく二人は動き出した。

 二人はまずギルドのある噴水広場に行き、そこから偽ギルド職員のもとへと向かう。そうしなければ、向こうに「ギルドで職が見つからなかった亜人」として認識されないからだ。


「例の二人組、場所は動いていないわ……教会のそばの路地裏で待機している……」

「獲物を待って暇してるって感じか。あ、そういや、この世界の宗教ってどうなってんだ?」


 その道すがら、王化は教会という単語で思い出したように問う。日本人である彼にとって宗教自体馴染みが薄い、それが異世界のものとなれば想像も付かなかったのだ。


「この世界、と一言に言っても色々よ……一神教の所もあれば多神教の所もあるわ……」

「ああ、そりゃそうか。んじゃ質問を変えよう、この国の宗教はどうなってるんだ?」

「この国では、竜祖教っていう宗教が一番強いわね……その内容は、一言で言えば祖竜信仰――この世界は一匹の竜によって作られた、という信仰よ……」

「主神は竜か。そういや王家の紋章も竜だし――って、あれ? 竜殺しの紋章とか言ってなかったか?」


 国の主流の宗教が祖竜とやらを信仰しているのに、王家が竜を殺す紋章を掲げているのはどういうことか、と王化は混乱する。

 その疑問に答えたのは、彼の腰に収まっているマキャベルだった。


『竜祖教の神話ではな、主神たる祖竜は人を産み落とした後、気が狂ってしまうのじゃよ。聖なる祖竜は人に仇なす邪竜に堕ち、その子たる人の英雄が邪竜を討つ。王家はその英雄の子孫を名乗っていてのう、それで竜殺しの紋章を家紋として掲げているのじゃよ』

「はぁん、なるほどねえ……要は、祖竜信仰といいつつも、最終的な最上位には人間がいるってことか」

『そういうことじゃ。竜祖教では、邪竜は討たれることによって浄化されて天に還り、地上に残った人間たちの守護神となったとされておる。そして、邪竜を討った剣を模して作られたのが儂じゃ』


 ふふん、と自慢げにマキャベルは語る。


「……それにしちゃ、暴君の剣とか言ってなかったか、お前」

『そりゃ、作らせた時の王がとんでもない暴君だったからのう。儂の能力を考えれば、想像も付くじゃろう?』

「まあ、たしかにな……」


 なんたって、敵対する者をことごとく平伏させる能力だ。自分に刃向かう者は誰一人許さない、というまさしく暴君のための能力であろう。

 そのマキャベルが、王にふさわしい者を選ぶ『選定の剣』として奉られていたのは、なんとも奇妙な皮肉である。


(ま、無能な暗君よりかは有能な暴君の方がマシだろうけどな)


 と、そんなことは置いておいて、王化はもう一つ問う。


「んじゃ、竜祖教では亜人はどういう扱いになってんだ?」

「人間が魔法で作り出したもの、とされているわ……祖竜は人を作り、その助けとして動植物を作った……人間はそれを真似て、動物の代わりに亜人を作った、というお話よ……」

「なるほど、それで亜人の身分は人間以下ってことになってるわけか。竜祖教とやら、どうにも好かん考え方だな」

「貴方は、そうでしょうね……でも、あまり大っぴらにそういうことを言わないようにして頂戴……国やギルドの勢力には及ぶべくもないけれど、地域によっては教会もかなりの権力を持っていたりするから……」

「そういうもんか。分かった、肝に銘じておく」


 王化は警告に素直に頷く。今ソルファたちが決めているはずだが、この先一体どこに行くのか分からないのだ。そういう地域のことも頭の片隅に置いておくべきであろう、と判断したのである。


(ざっくりとだが、亜人差別の根底も理解できた。が、そうなると、逆に一つ分からねえな)


 王化は心底不思議そうに首を傾げる。


「? どうしたの……? なにか疑問があるのなら、今のうちに聞くけれど……」

『儂も答えよう。王家のことや昔のことなら任せておけ』

「んー、おまえらに聞いても仕方ない気がするんだが……一応聞くけどさ、だったらなんでソルファの奴は、亜人と仲良くしたがるんだ? あいつの立場から言ったら、あり得ない考え方だろ」

「それは……」

『そういえば、そうじゃのう……』


 案の定二人は言葉に詰まる。

 この国は宗教国家ではないにしても、神話の一節を家紋に掲げる王家の人間が、その信仰に逆らってまで亜人と融和を望むのは異常なことだろう。


「噂だけど、幼い頃に亜人に命を救われたことがある、っていう話は聞いたことあるわね……それから、亡くなった王妃も亜人差別には否定的だったらしいわ……」

「過去の実体験と、母親の教育か。ま、納得できねえ理由じゃないな」

『にしても珍しいタイプじゃよ。儂が知る王族は――まあ、もう何百年も前の連中の話だが――皆々差別主義者じゃった。良い意味で王族らしからぬ、真っ直ぐな娘じゃな、あれは』


 マキャベルはそう言って愉快そうに笑う。その能力からして、彼女は王族の身勝手な部分ばかりを見てきたのだろう。だからこそ、そういった醜さから遠いソルファに好感を抱いているらしかった。

 と、そんな会話をしているうちに気付けば市を抜け、教会とおぼしき建物も見えてきた。話の区切りとして、王化は一番確認しときたかったことを問う。


「――この際だから聞いておきたいんだが、お前らは亜人に対して差別意識とか無いのか? これから先、ベネアルと一緒に旅するわけだし、最終的にソルファが目指すのはそういう差別が無い国のはずだ」

「わたしは別に……そもそも、差別もなにも、魔法が使えない存在に興味無いわ……」

『儂も平気じゃよ。ははっ、儂から見れば人も亜人も変わらんさ』


 あっけらかんと答える二人。ソルファも珍しい考え方なのだろうが、この二人も大概だった。


「あっそ……ま、なら構わんさ。気兼ねせずに済んで良い。

 そんじゃ雑談は終わりだ。美人局大作戦と行こうじゃないか」


 王化は呆れ半分の笑みを浮かべ、リキュリアの指す方向へと向かうのだった。



   ■



「――お、来たぜ来たぜ! とんでもねえ上玉だ! ありゃ高く売れるぞ!」

「あぁ? お前いつも大袈裟なんだよ……ちょっと見せてみろよ」


 教会そばの路地裏、柄の悪い二人の男の姿がある。一人は軽薄そうな少年、一人は年以上に老けて見える中年である。

 二人とも下はベージュのズボン、上は白いシャツに緑のベストというギルド制服もどきで身を包んでいるが、如何に上品な服でも育ちの悪さというのは隠せない。見る者が見れば、二人が偽物であることは即座に看破できることだろう。

 ――この二人こそ、現在「本物の」ギルドの頭を悩ませている亜人誘拐事件の実行犯である。

 下っ端である二人の仕事は、ギルドから出てくる亜人に声を掛け、言葉巧みに誘い出すこと。今こうしているのも、そのターゲットを探すためだった。

 中年の男は少年から望遠鏡をひったくると、それで「上玉」とやらを探す。


「どれどれ……って、おぉ! ほんとだ、色々とすげえなおい!」

「だっろ!? あんなん滅多にいねえぜ!」


 レンズの向こうに見える女の姿に、中年の男は思わず叫ぶ。

 顔は伸びすぎた焦げ茶の癖っ毛でよく見えないが、その身体が凄まじい。男女問わずに見た者全てが息を飲むほど豊満な肉体で、それをこともあろうにローブとビキニだけで包んでいるのだ。


(歳も二十半ばってところか……あの耳、人気の犬の亜人だし、こりゃボーナス出るぞぉ……!)


 思わず下卑た笑みをこぼしながら、男は望遠鏡を僅かにずらしてその連れにも目をやる。

 こちらも同じく犬の亜人。しかし痴女の方とは違ってローブの下はズボンにシャツとまともな格好である。身体は細身で胸も辛うじて膨らみが分かる程度、器量も特別悪いわけではないが女らしさに欠け、珍しい黒髪黒目であるという点を加味しても明らかに外れだった。


(ボーイッシュって言や聞こえは良いが、体つきと言い顔立ちと言い、全然雌の柔らかさがねえな……ま、食うも食わずの亜人にゃ珍しくもねえか)


 それにしては背が高いことが気にかかるが、中年の男はすぐに考えるのをやめる。そんな外れよりも、隣の大当たりの方が遥かに重要だったのだ。


「よし、行くぞ。手筈はいつも通り、上玉だけは絶対逃がすなよ」

「分かってるって!」


 二人ははやる心を抑えながら、路地裏を出て亜人の女たちのもとへと向かう。

 声をかけるのは少年の仕事。中年の男よりも警戒心を抱かれにくい、というのがその理由だ。


「――やぁやぁお姉さんたち! あっちから来たってことはギルドの帰りかい?」

「あらあら、なにかしらん坊や。ナンパぁ?」


 少年は痴女の方に話しかけたつもりなのだが、外れの方が割り込んでくる。その無理矢理絞り出したような甲高い声に、少年の笑みが若干ひきつる。

 が、ともあれ足を止めさせただけでも上出来だ、と後ろで中年の男はほくそ笑む。あとはどうにでもなる。


「あ、あはは、まさかあ。俺たちこのとおりギルドの者なんだけどさ、最近仕事にあぶれちゃう亜人の人が多くてね、心配して声掛けてみたんだ」

「優しいのねえ。そーなのよぉ、折角行ったのに仕事が無くってやんなっちゃうわ」


 ずいと何故か迫りくる外れ女に、少年は思わず一歩後ずさる。その背後では、二人の様子に痴女の方が笑いを堪えていた。


「や、やっぱり? それならさ、今夜辺り、俺たちが特別に仕事流せるって言ったら、どうする?」

「あらあら――そりゃまた、随分美味しい話じゃねえの」


 と。

 媚びた笑みを張り付けていた外れ女が、一瞬怜悧な表情を見せる。

 が、それも一瞬。外れ女はすぐに元の媚びた笑みに戻り、「教えてよぉー」と猫撫で声を上げながら少年の腕にしがみつく。


「ひぃっ、く、くっつくなよ! 教えるから!」

「あら嬉しい。お姉さんサービスしちゃうわ。ほらほら、おっぱい押し当てちゃうぞー」

『きゅ』

「そういうのいいから! っていうか今『きゅ』とか言わなかった!? 絶対詰め物だろそれ!」

「なに言ってんのよ。おっぱいって潰れると『きゅ』って鳴るのよ。知らないの? これだから童貞は」

「どどど、童貞じゃねえし! 鳴るわけねえだろんな音!」


 図星だったのか、少年は涙目で飛び退く。


(あー、この馬鹿、完全に相手のペースに飲まれてんな……さっきの表情も気になる。そろそろ代わるか)


 中年はハンドサインを一つ、少年を自分の後ろに下がらせ、代わりに交渉役を引き受ける。立ち止まらせ、興味を持たせるまでは少年の役割、実際に納得させて約束を取り付けるのはこの中年の役割だった。

 礼を一つ。中年は気取った様子で話し始める。


「こちらの見習いが失礼しました、ここから先は私が。ギルド特別斡旋課所属、ニコルと言うものです」


 もちろん偽名。そして特別斡旋課という部署も存在しない。


「あらご丁寧に。アタシは……レーゼよ。そっちはウォーター。よろしく」

「レーゼ様にウォーター様ですか、以後お見知り置きを。早速ですが、我々はギルドに舞い込んでくる『グレーゾーン』の仕事を専門に斡旋している者です」

「要はあまり大っぴらに募集できない汚れ仕事、ってことかしらん?」

「ご明察の通りでございます。よってこのような、ギルドの外で腕の立ちそうなお方にお声掛けさせていただいているのです」

「かはは、お眼鏡にかなったようで嬉しいわあ」


 外れ女は愉快そうに笑う。好感触だ、と中年の顔にも笑みが。


「そこで、今回お二人に依頼したいのは、とある悪徳貴族の抱える倉庫への襲撃です」

「穏やかじゃないわねえ。ギルドはそんな盗賊じみたことまでするの?」

「だから『グレーゾーン』なのです。しかしこれにも事情がありまして、依頼主は借金のかたに取られた親の形見を取り返してほしい、とのこと。盗賊というより義賊と思っていただければ幸いです」


 これも完全に口から出任せ。安い作り話である。

 しかし外れ女の方は納得したらしく、「そういうことなら」とはやくも乗り気である。

 しかし、外れ女が釣れても仕方が無い。中年は痴女の方に問いかける。


「お連れ様はこう仰ってますが、どうでしょう? ウォーター様」

「わたしは、この子が乗るというのなら……」


 見た目通り、ぞくりとするほど蠱惑的な声音で痴女は頷く。


(っし、これでボーナス間違い無しだ……!)


 もしかしたら昇格もありえる、そうすりゃこんな下っ端仕事からもおさらばだ――にやつくのをなんとか抑えながら、中年はポケットから一枚の紙を取り出す。


「それはそれは……では、お二人ともお受けくださるということで。集合の時刻と場所はこちらの紙にあります、詳しい方法は集まったときにお教えいたしますので。

 ――あぁ、言うまでもないことですが、これは他言無用でお願いいたします。何分『グレーゾーン』なもので、ギルドの他の職員にも内密に」

「なるほどねえ。で、重要な報酬の話がまだだけれど?」

「これは失礼。お一人辺り、八万ガルで如何でしょう?」

「なるほどねえ。それじゃもう一つ、この仕事には他に何人ぐらい参加するのかしらん?」

「今のところ、貴女方を含めて十名ほどとなっております」

「ん、そう。分かったわぁ、それじゃまた今夜」


 外れ女は中年の差し出した紙を受け取ると、笑顔で手を振り去っていく。痴女の方は中年らには目もくれず、外れ女の後ろに付き従っていった。

 二人が脇道に逸れるまで見送り、中年はようやく一息吐く。なれない馬鹿丁寧な喋りは疲れるが、今回に限ってはそれだけの価値があった。そう言い切れるだけの上玉だった。


(待ちに待った出世へのビッグチャンスだ……! 俺はこんなケチなチンピラじゃ終わらねえぜ……!)


 未だに涙目の少年を蹴飛ばしながら、中年は意気揚々と今夜の準備に向かうのだった。



   □



「――しっかし、なんともお粗末な連中だったな」


 ばさっとカツラと犬耳を外し、王化は心底呆れたように言い放った。

 勝手に胸から飛び出してきた二号と三号も、王化の肩の上で『おそまつ』『おしまつ』と声を合わせる。

 ――場所は先ほど作戦会議に使った狭い路地。ここに置いておいたリキュリアの三角帽を回収するため、わざわざ一度戻ってきたのだ。

 リキュリアも同じように犬耳を外し、溜息混じりに言う。


「あんなものに引っかかるのが、他に八人もいるのが驚きよ……武器も持っていない女二人を捕まえて『腕が立つ』なんて、よく言えたものだわ……」

『あんな怪しげな連中について行かざるを得んほど、困窮している亜人が多いんじゃろう。その辺りは昔と変わらんのう』

「はん、そういうもんかね。しっかし、どうよ俺の名演。あいつら最後まで気付かなかったぜ」


 自慢げに笑う王化に、リキュリアは改めて呆れてみせる。


「それが一番の驚きよ……あんなふざけたオカマ口調だったのに……」

「嘘吐くときは大袈裟に、ってやつさ。ま、なにはともあれ順調に進んだ。まずはこれな、確認してくれ」


 王化はそう言って、先ほど受け取った紙をリキュリアに手渡す。そこには集合場所の簡単な地図と、集合時刻が書き記されていた。


「ん、場所は分かったわ……案内できるわよ……」

「時刻は? 何時頃だ?」

「? ここに書いてあるじゃない……」

「読めん」

「へ……? あ、そうなの……貴方の言語妖精、聴覚にしか対応してないのね……時刻は今夜十一時頃、街が寝静まった頃合いよ……」


 了解、と頷き空を見上げる王化。太陽の位置から考えて、もうすぐ四時を回ろうという頃だろう。一度リキュリアの隠れ家に戻り、待っている二人も交えて作戦会議をする時間は十分に残っていた。


「――っと、忘れてた。んじゃ、こっちも確認してくれ」

「? なに、これ……」


 思い出したように彼が取り出したのは、もう一枚の紙だ。先ほどのメモ書きとは違い、こちらは折り畳まれた比較的大きなもので、紙質も幾分立派である。


「この中に入ってた」

「この中って……」


 そして、王化が更にひけらかしてみせたのは、紐で口を結わえた小さな布袋。この世界ではよく財布として使われるものだ。

 当然ながら、王化が元々持っていたものではないし、リキュリアもこんなものを与えた覚えは無い。

 つまり。


「貴方、偽ギルドの連中からスったの(、、、、)……!? いつの間に……」

「かはは、なんのためにわざわざ腕にひっついたと思ってやがる」

『ああ、あのときか。手癖の悪い御主人じゃのう……』


 リキュリアとマキャベルは揃って呆れてみせる。


「なにかの足しになるかと思って拝借したんだが、見事大当たりってとこだ。それ、多分地図だろう?」

「ええと……そうね、この城下町の簡単な地図だわ……幾つか印が付けられているけど、どういう意味かしら……」

「誘拐した亜人たちの監禁場所、あるいはそいつらを売りさばくオークション会場、ってところだと思うぜ。可能なら、後で使い魔を放って確認してくれ」


 了解……、と頷くリキュリア。もし王化の予想通りなら、これ一枚で十分な証拠物件である。


(思わぬ大当たりだったが、俺としちゃこっちもありがたいんだよな)


 王化は残った布袋の中身に目をやる。紙幣が二枚と小銭が少々――この世界の通貨についてはまるで分からないが(先程わざわざ報酬を聞いていたが、あれもただのブラフである)、おそらく大した額ではないのだろう。

 が、方法はどうあれ、これがこの世界で初めて手にした金銭だ。王化の顔が綻ぶのも無理は無い。


「リキュリア、集合時刻まではまだ随分あるんだろう? 少し、市を見ていってもいいか?」

「はぁ……少しだけよ……」

「さっすが、話が分かる。――マキャベル、ちょっと出てこい」

『? なんじゃ御主人』


 主の唐突な呼び出しに戸惑いながらも、銀髪の少女が姿を現す。

 その銀髪に、ひょいと。

 王化は先ほどまで自分が被っていた黒髪のカツラを被せ、おまけに犬耳を取り付ける。


「これで変装完了、っと。お前の銀髪は特徴的だからな。

 ――久々の娑婆なんだろ? 折角だ、ちょいと付き合えよ」

『っ、ああ! 喜んで連れ添おうぞ、御主人!』


 ぱあっと喜色満面の笑みを咲かせ、王化の腕に飛びつくマキャベル。

 そんな忠剣を右腕に、左手はまたリキュリアと繋ぎながら、王化はしばしの寄り道を楽しむのだった。



これ以降隔日更新になります。詳しくは活動報告にて


訂正

偽りの依頼の参加者:二十人→十人

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ