表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

超自然が創り出す恐怖

ソレ

作者: 混沌

綺麗だ、私の掌で踊る赤い液体が瞳に映る。


私はあの時日課である散歩をしていた。暖かい日の光が、まるで母の温もりを演じているかのようだった。緑揺らめく公園の草花達が美しいコーラスを奏でている。水道から捻られ出て来る透明度の低い水が、私の喉を潤してくれた。


目の前を通り過ぎた者はソレだった。見窄らしいボサボサな毛を、濁った瞳と共に震わせていたのだ。私は哀れみの目でそいつを見守った。飼ってください、僕は何も悪くないんです。とでも言いたげな顔で近寄ってくるのだ。巫山戯るな、お前みたいな弱者を受け入れても何の得にもなりはしない。でもまあ、私の愉しみを増やすことは出来るか。私はソレを鷲掴んで帰路へと向かった。


扉を開ける。悶てしまいそうな血腥い臭いが私の鼻を悦ばせた。今夜のショーを楽しみにしながら私はソレを風呂へと持って行き洗うことにした。この行為は所謂儀式に近い物だ。身体の隅から隅まで綺麗にしなければならない。次に行うのは晩餐だ。高額な肉や魚、野菜をこれでもかとソレに与える。貪り喰う野蛮なソレは私に尻尾を振っていた……開幕だ。


嘲笑を向けながら先ずは拘束する。ソレの甲高い喚きが私に快感を齎してくれる。台所から銀光する刃物を手に取りソレに近づく。足から行こう、軋む骨に当たる音が響き渡る。少しづつ私の心が赤く染まる。黒丸を潰す、か弱い口を裂いてやろう。綺麗だ、綺麗だよ!内蔵を生きたまま刳り、引き摺り出すのだ!鮮血は私の栄養源だ!生き地獄を目に焼き付けた後死んで逝け!


閉幕だ……首を斬る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ