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トキメキは止められません

 

 ※下ネタ注意です!


 

 

(あぁ、素敵だなぁ……)


 今、私の目の前には翠の国リバイロ陛下がいらっしゃる。陛下は見た目なら50代ぐらい。笑うと寄る目元の皺も、精悍な顔立ちも全て男の色気をかもし出しているナイスミドルだ。昔から若いアイドルよりも渋いハリウッド男優が好きな私からするとどストライクで、ついついうっとりしてしまう。

 まぁ、目の前と言っても陛下は大きくて立派な王城のお庭で各国を代表する面々と会談中。それを離れた場所から眺めているだけなんだけど。因みに城内をお散歩中だった私はお庭を臨める二階のバルコニーにいる。勿論リーリアス王子も一緒に。

 散歩中だというのにいつまでもそこから動こうとしない私にじれたのか、リーリアス王子が私の手をくいっと引っ張った。横を見れば案の定不機嫌顔の王子様が。


「……カノンはああいうのが好みなのか?」

「え? あぁ、好みっていうか、カッコいいなぁとは思いますよ」

「……。俺だってあの人の息子だ。歳を取ればああなる」


(その頃、私は生きてないんだけど……)


 リバイロ陛下は今年で400歳を越える筈。ただの人間である私からすればとんでもなく永い時間だ。


「殿下に私はつりあいませんよ」

「身分など……!」

「それもそうですが、一番は年齢です」

「……どういうことだ?」


 それはリーリアス王子が私と本気で結婚したいと思っているのなら必ず言わなくてはいけないと思っていたこと。

 私はしゃがんで彼と目を合わせる。そこには不安に揺れるエメラルドクリーンの瞳があった。


「私は限りなく龍の血が薄い家系なんです。その証拠に私の祖父も祖母も八十過ぎぐらいで亡くなっています」

「……そんなに短いのか」


 愕然とした表情。リーリアス王子の手が震えている。どうしようもない事なんだと分かってくれただろうか。


「えぇ。だから私も例外ではない筈です。王子が成人を迎えた頃、私は孫がいてもおかしくないおばあちゃんですよ」

「……それでも俺は、カノン以外を傍に置くつもりはない」

「でも……」

「…………しよう」

「はい?」


 私の手を取り、急に踵を返すリーリアス王子。突然の行動について行けず、私は手を引っぱられながら慌てて声を上げた。


「ちょっと! どこ行くんですか!!」

「しようと言っている」

「いや、だから何を??」

「性交だ」

 

「…………はぁ!??」

 

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