表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/35

求婚は突然に


 おーい。ちょっと待て。今、目の前で私の手を握っているのはどこからどうみても11・12歳くらいの少年。つまり私にとっては小学生! ランドセルだよ! 私がまだ未成年だから犯罪じゃないかもしれないけど、悪いがショタの趣味は無い!


「あ、あのね、リーリアス殿下……」

「昨日のようにリアスと呼んではくれないのか?」


 いや、だってそれは君が王子様だと知らなかったからであって。第一私は街人! 平民! どう考えたって身分がつり合わないでしょう! しかもこの世界の人間でさえないのに。まぁ、異世界人であることは内緒だけどもさ。

 あんれ〜〜? いつの間に君立ち上がったの。私が座っているお陰でリーリアス王子に見下ろされる体制になっている。そして徐に彼は握っていた左手に唇を落とした。


(えぇぇぇ!!!)


 二日連続で手のひらにちゅーです。


「レビエントがカノンに口付けした時、本気で殴ってやろうかと思った」


 あわわわわっ。あんなお綺麗な顔を殴るなんてダメですよ! 姿絵を売っていたおじさんも言ってたけど、この国の女性にレビエント様は人気ですからね。傷でもつけようものなら悲鳴が上がりそうだ。


 あれ? でもそれって、王子は嫉妬してくれたってこと? 本気で本当に……そういう意味で私が好きなの?


「あの……殿下?」

「なんだ」

「その……、何で……」


 私のどこが好き? なんて恥ずかしいこと言える筈が無い。けれど気になる。昨日初めて会ったばかりで、しかも相手はこんな一般ピーポー。どうして結婚なんて言えるほど私を気に入ってくれたんだろう。

 ごにょごにょと言葉を濁してると、彼はふっと大人びた笑いを見せた。だから君はお子様でしょーが!! なんで余裕たっぷりなのさ!

 真っ赤になった私にリーリアス王子の顔が近付く。そして耳元で囁いた。


「カノンが好きだ。出会ってからの時間なんて関係ない。お前を誰にも渡したくない。だから……」


 どんどん近付く王子の顔。そして唇同士が触れそうになった時、あまりの衝撃にフリーズしていた私はようやく我に返った。


「ちょちょちょちょちょっと待った―――――!!!! 私は一般人なんですってば!! どう考えたってこんなの周りが許す筈無いでしょう!! しかも君はまだ子供でしょうが!!!」

「……俺は今年30歳だ」


 憮然とした顔でそう言ったリーリアス王子。

 あら、中身は立派な大人? 君もしかして、名探偵的なアレですか?

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ