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初めに言っておこうと思う

 

 性的描写はありません。後半下ネタがありますのでR15指定にしています。

 苦手な方はご注意ください。

 

 わいわいがやがや。今、私が歩く街の光景はまさにそんな感じ。

 様々な店舗が立ち並ぶ石畳で造られたこの広い通りは、王都のメインストリートに程近い場所にある。店で働く人達は誰も彼もが忙しそう。花屋のお姉さんはリースを売り、肉屋のおじさんは串焼きのテントを出し、八百屋のお兄さんは料理店へ配達。呉服屋のおばさんはお針子さん達と特注の衣装を作るのにてんてこ舞いだし、喫茶店は観光客で一杯だし、姉妹で経営しているパン屋さんは今日も大繁盛。いつも顔を合わせる街の皆はいつも以上に忙しそうだけれど、いつも以上に楽しそうだ。

 そんな景色を眺めながら歩く私も勿論例外ではない。足は勝手に弾んでいるし、上手くもない鼻歌が勝手に飛び出す始末。相当の浮かれっぷりである。

 え? 何故って? よくぞ聞いてくれました!! 明日は待ちに待った新節祭。新しい年を祝う、国を上げてのお祭りなのである。お祭りと言われれば当然のごとく盛り上がっちゃうよね! 血が騒ぐよね!


 私が暮らしているこの世界の東部地方には護国ごこくと呼ばれる五つの国がある。五国ではなく護国と呼ばれているのにはちゃんと理由があって、何を隠そう五匹の竜がそれぞれの国を守護しているからなのだ。

 竜ですよ! 竜!! つまりドラゴン!!

 初めてそれを聞いた時にはなんてファンタジー!!と驚いたものだが、そもそも護国の民は皆大なり小なり竜の血を引いているのだそう。


 昔々、五つの国を造った竜は人と交わって人口を増やし、それぞれの国を栄えさせていった。国は王政によって治められているので、当然各国には王族が居る。王族こそが国主、竜の血を最も強く残す一族なのだ。普通の街人ともなれば竜の血は薄く、端から見てもただの人と全く変りはない。けれど彼ら王族は竜の力も引き継いでいて、王様やその直系の子息ともなれば本来の姿こそが竜だと言う。


 さて、私が暮らしている国は護国の中の白の国。白竜の一族が治める国だ。

 季節を大切にする護国の民は皆それぞれの季節にお祝いをする。春節、夏節、秋節、冬節、そして新節。各節の祝いは各国で行われるけれど、それぞれの王族が順番に各国に訪問する、という伝統がある。春節はみどりの国、夏節はあかの国、秋節は黒の国、冬節はあおの国、そして新節は白の国に。

 お分かりいただけたであろうか。つまり新節祭は此処、白の国が主役。普段は拝めない各国の王族が新節をお祝いする為にこの国に集まるのである。


 ここで大切なことをお話しておこう。護国の人達は当然竜を尊敬し、崇めている。その為、象徴である王族はなんと竜の姿で主催国を訪れるのが習わし。つまり、一般市民のペーペーである私でも生ドラゴンを拝めるチャンスなのだ!!


 ファンタジー万歳!!

 

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