32話
あれから別方向からの攻撃をどうやったんだ?と聞いたが文也ははぐらかし答えてくれず、分からずじまいだ。だが予想ではずっと右手の白い銃だけで戦っていたのに関係あるんだろう、簡単に言うと戦闘をしているとき、常に左手に持っていた紫の銃を使っているとこを一度も見せていない。仕掛けは紫のほうにあると俺はみている。
2回戦まで準備や対策を練る時間が1週間もうけられる。Dグループの試合の翌日から一時通常の授業状態に戻る。試合に負けた面子はここで夏休みの補習を避けるため授業を真剣に取り組むようになる。
1週間相手の情報を集めるも良いが、俺はツテもないし次の相手すら覚えてない、ありえないミスもおかしているので、そこは諦め。自分の手札を増やすことにしたが…1週間じゃどうにもならんよね。次の相手を倒すと俺はアーティファクトの能力を知っている北枝が待っているのだ…ならここで属性を変えるという手札をきったほうが良いのかもしれない。
相手が俺の情報、属性が火だと知っている可能性は高い、なら逆の属性になるのが良いのかも知れないな。水属性、水の魔法使った人…氷でも良いかな?
思い浮かんだのは藤宮と卯月、真田…この中で一番渡しやすい卯月に渡すとこを想像すると、あいつに『指輪』を渡すとこを誰かに見られたら…ダメだ、アカン!あいつ女装が似合うやつだし、一部の女子が喜ぶ状況しか思えない!格好の餌になる。アウトだ!
真田さんは知り合い程度だしな~指輪の能力を知らない人に渡すのはマズイ気がする。ついでに薫が…ってなわけでパス。
藤宮かぁ~、指輪の能力については知っている可能性が高いし渡しても大丈夫そうだが…刺されるかもしれないし、運良く渡しても売られていそうで…ダメだ。
属性変更はやめるか…いや水に拘る必要はないんじゃないか?
例えば風属性、色からして文也。何か強烈な物を要求されそうだが、まあ仕方ない、無難に文也にしておくか、楽だし。
昼休みに俺のクラスに名も顔もしらない男子が姿を見せた。どうやら俺に用があるらしい。廊下にでると彼は2年生らしく、やたらと茜先輩のことを聞いてくる。いやまあ、同じ小隊だし茜先輩のこと好きとかなら不思議ではないが…嫌いなものとか、戦闘スタイルなど聞いてくるが、俺よりも卯月、葵先輩のほうが色々知っている人達はいるだろうに…何故俺なんだ?何か、この人物はきな臭い感じがしたので、適当に答えておいた。
1週間、この人もしつこいねぁ~ほぼ毎日俺に付きまとい、茜先輩のことを聞いてくる。一回葵先輩に彼のこと相談した所、彼は茜先輩の次の対戦者のようだ。どおりで何かと聞いてくる訳だ。卯月は家族だし、弱点とか知ってるかも知れないが、Bクラスに所属しているので、こういう状況のことも詳しく知っていたのかもしれない。何も知らなさそうな俺が狙われたようだな。薫は女性だし、同姓の俺のほうが都合が良かったのだろう。
そんなこんなもあったが、1週間を無事に過ごし、今俺の2回戦が始まろうとしている。
フィールドが光だし、今回のフィールドがあらわになった。っといっても木やら岩など物が一切無く、地面が光沢のある硬い物質で継ぎ目なども一切ない、平坦な綺麗なフィールドが広がってる。
まさかこのフィールドは・・・
「始め!」とアナウンスの声と同時に暴風が吹き始め雨まで降り始める。
やっぱりか!このフィールドは嵐。摑まる物も何もなく、どこからか吹く暴風に巻き込まれる。
レアなフィールドだ、1回戦でも1回くらい出たはずだ、そのときは片方の選手が開始と同時の暴風に耐え切れず吹き飛び、壁に激突し気絶した。もう片方は平然と立っていたがな。
「まさか嵐とはな…進めねぇ」
先程開始の合図の前に俺は身体に風の魔法を使い、暴風と雨をそらして何とか飛ばずに済んだが、進むこともできなくなってしまった。相手が吹っ飛んでくれていると楽でいいんだが…雨の中相手のほうを見ると、辛うじて相手も立って堪えているのが見えた。
うむ、どうしようか…
1、耐えて相手がくたばるのを待つ。
2、なんとかして進み、相手をふっ飛ばす。
3、諦めて俺が飛ばされて試合を終わらす。
3番はボツとして、進むにはホフク前進でもしてみか?と考えていると相手がこちらに向かって嵐のなかジリッジリッとこちらに進んできた。
うわ~すげぇな~、確実に俺より実力が上の人物だな。でも相手がこちらに近づいて来てくれるなら、また対応が変わるな~。うむ、どうしよう。
ジリッジリッと相手は進み、ついにフィールドの中間まで進んできた。このまま進んできてくれるなら俺の魔法の射程圏内に捕らえることができる。進むために足を上げた瞬間の足を狙う、こんなに風が吹いて雨まで降ってるんだから撃った魔法は見つからないだろ。
魔法の打ち合いになると負ける可能性が高い、最初の一発目、これで決める。多少暴風で緩和されるかも知れないが相手のバランスさえ崩せれば勝ちだ。
相手は俺の射程圏内まで進み、時は満ちた。なるべく緩和されないよう収束した風の玉を、俺は密かに弾いた。
どうもにゃあプーです。
かなり遅れてしまって申し訳ないです。
正直スランプです。祐樹の2回戦のアイディアが全く出てきませんでした。ジャニーズの嵐をテレビで見て思いつきましたが、文章にするのにも表現が浮かんでこず、手こずりました。
読んでくださった方ありがとうございます。これからも頑張っていきたいと思います。