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30話

 うぎゃー、前髪こげた、顔が痛い。火傷したんじゃないか?俺の左手で顔触りながら確かめる。

 ビィィーー!

 あら?試合終了?俺の腕輪は青く光ってる。相手の様子を窺うとすぐそこの地面に倒れてのびてる。

 はて?蹴りいれただけだが…空中の画面に決着シーンがリプレイされている。

「おう!?」

 俺の回し蹴りが相手の顔面にクリティカルヒット!そのまま軽く吹っ飛っとんでますよ。あの時は顔も痛いし、身体も無理して動かしたから所々変な状態で、相手を見づらい回し蹴りで、兎に角当たれって思って蹴ったからなー、感触があったがまさか顔面直撃してたとは・・・

 俺は試合に勝った。これほど派手に燃やしといて蹴りで決着にはなんか釈然としないが、勝ったことには違いない。医務室で顔のヒリヒリするのを診てもらって薫たちのとこへ戻った。

「おかえりなさい、祐樹さん。顔大丈夫ですか?」

 薫が近寄ってきて手で俺の頬を触ったりしている。

「ああ、大丈夫。魔法でもうほとんど痛みなどはないよ。」

 異性に頬とか触られると変な感じになりそうだったのでやんわりと振り払い、俺が試合前まで座っていた席までいったところで、俺の前に座っている文也が振り返った。

「祐樹、槍なんか持ってたけど最後回し蹴りであっさり決着、なかなかおもしろい試合だったぜ。」

 薫は少しむくれているが俺の横に席についた。

「俺も意外だったよ。あんな形で決着つくとは思ってなかった。北枝はどうかしたのか?いないけど」

「カナデは今から試合、流石にまだ此処にいちゃマズイだろ。もちカナデに賭けた、あんまり儲からないけどな。」

 まあAクラスの人のと対戦だと儲からないだろうな。しかし北枝の試合は俺から3試合後だったはず、もうそんなに終わっちゃったの?早くね?

 フィールドをみると確かに北枝が準備していた。北枝は何も持っていないように見えるが多分あのブレードが隠されているのだろう。北枝の実力ってどんなものなのか見せてもらおう、なんせ次勝ったら対戦するかもしれないし。北枝には何が役に立つかわからない、できるだけ情報は欲しい。頑張って耐えてくれ、名も知らない対戦者に俺はエールを密かに送った。

 フィールドが光だし、迷路が現れた。

 迷路、その名の通り2mのコンクリの壁で迷路が作られている。角を曲がるといきなり遭遇ということが起こる。道も狭いし、ほぼ真正面からしか戦えない。まあ壊しても良いんだが、癖があるフィールドだ。

「始め」

 試合が始まると北枝はいきなり物凄い勢いで走しだし、膝をまげジャンプした。

「おぉ」

 10mくらいジャンプしてコンクリの壁を余裕で超える、むしろ軽く空飛んでる領域だと思う。

 空中で北枝が何かを呟やき、足の底に何か透明な物があったかのように蹴り出し、急に方向を変えて隕石のように飛んでいく。空中で出した巨大ハンマーを構えて勢いそのままある1点に振り下ろす。

 ドン!―――と物すごい音が響き渡り、俺たちが座っていたとこまで地面が揺れた。

 直前まで相手直撃コースだったが、今はフィールドの一部は砂煙がもうもうと舞っており、状況は分からない。

 俺だったら止められんなアレは、てか止めたら死ぬ。

 ビィィーー

 秒殺…俺の密かなエールもむなしく試合は決着がついたようで、竜巻が起こり吹き砂煙がはれて中の様子が窺うことができた。

 フィールドには巨大な穴があき、その中央には北枝が悠然と立っていた。手には相手の襟を持ち引きずっていた。相手はどうやら直撃はしていないのか、ほぼ傷は見えない―――直撃していたら重傷だと思う―――ので何かで気絶したようだ。

「いつもあんなのに追われてるんだぞ、俺の気持ちが少しは分かってくれたか?祐樹よ・・・」

 もうガックリとして、やけくそ気味に俺に話しかけたきた。

「お前が逃げなきゃいいだけだろ。逃げなきゃあんなことにはならんだろ。」

 北枝は文也と同じ後衛だったはず、遠距離のほうが得意とか?近接でもあんな攻撃できるのを見せられると、勝てる可能性なんてほぼ0だと再確認した。

「おっいたいた!ユウユウ!薫ちゃ~ん!」

 後ろから多分俺と薫を呼んでる声が聞こえてきた。この呼び方はあの人しかいないな。振り向くと双子の白銀先輩達と卯月を含めた三人が立っていた。

「葵先輩、そちらも終わったのですか?」

「ええ、私は余裕で勝ったわ。そちらはどうでしたの?」

「こちらもなんとか勝ちました。最後は魔法や槍ではなく蹴りでしたけど…」

「ねぇユウユウ聞いてよ!私の相手来なかったんだよ!楽しみにしていたのに!一応勝ったってことになるけど、せっかく学院公認で暴れられると思ったのに!」

 茜先輩は俺の肩をつかんでガクガクゆすりながら語りかけてくる。

「うっ、気持、悪い、止めて・・・」

「あっごめん」

 パッと俺の肩から手が離れた。うぷ、気持悪い…試合よりある意味ダメージがデカイ。

「ごめん、その代わり小隊で戦ってあげるから、許して。」

 いやそれ罰ゲームでしょ、てか茜先輩が暴れたいだけでしょ。

「うぇ、はぁはぁ。いえ、結構です。そういうのは卯月とかにしてあげてください。」

 俺がそう言うと卯月は顔を強張らせたが

「えーー、マキィ~とは何回もやったことあるもん。私はユウユウと戦いたいの!」

 この言葉を聞いて密かにガッツポーズしやがった。

「嫌です。俺は試合で疲れているので休みます。休ませてもらいます!」

 この後藤宮、明日にはCグループの志郎の試合などがあるがそれより休息のほうが大事だ。帰る!帰ったら寝る!寝るたら寝る!明日は部屋から出ない!―――と誓いをたてて俺はみなを置いて闘技場をからすばやく避難した。


どうもにゃあプーでっせ。ポポポポーンっと書ければいいですけど…そう簡単にいかないっすね。

30話まで着ましたね~、今更ながら結構書いたなって思います。ボチボチと…

読んでくださった方ありがとうございます。これからも気長によろしくお願いします。



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