29話
さあさあさあ、やってまいりました、俺の試合の日が!ヒャッハァーー!!
俺がどれほどこの日を待ったか!オラァッかかってこいやぁぁーー!!
俺は朝から変なテンションです。いや~多分緊張のせいで変なんだと思います。最近学院に入ってから俺はちょっと性格変わったかな?って思うとこもある。自分の武器の槍は布でぐるぐる巻きにし紐で背中に担いでいる。
今日はBグループの日、昨日負けた薫も復活していつもの4人で闘技場に入った。
俺は今試合の準備をしている、前にしていた試合は記憶にない。闘技場に入って4人で観戦していたのは覚えているが、今までやっていた試合がどんな感じだったのかも全く記憶にない。分かっているのは今から俺の試合が始まることってだけだ。判定の腕輪をはめ準備OK。槍の布はまだ解かない。
フィールドの端に見える俺の対戦相手は男子、見る限り武器はなし。なにかスポーツでもやっていたのか身体が引き締まっている。
俺の身体とは全く違うな、俺は筋肉はついてはいるがどっちかというと優男系だ。見た目と強さとの関係は必ずしもイコールではない。志郎が使った身体強化の魔法などあるため見た目は弱そうでも一気に化ける人とかもいる。まあ筋肉がないよりはあるほうが動きのキレがあるから有利なんだけど。
フィールドが光始める。光が一瞬輝きを増し、そして俺の目の前に樹海が現れた。
「始め!」
試合が始まった。
ふむ、樹海か…マズイな、密林よりはマシだが。密集して木が生えている空間では槍は思うように振り回せない。魔法だけで勝負して勝てるとは俺自身思っていない。良くて互角、ほぼ負けるだろう。さてどうするか…
試合が始まって数分、俺は未だに一歩も動いていない。相手のデータでも集めとけば良かったかな~とも思うが、調べてもそこまで役に立つものは出てこないだろうな。
めんどくせっ!もう突っ込む。
考えるのはやめ、槍を背に担いだまま俺は樹海の中へと走っていく。地面は土、時折木の根が出ていたり草が生えたりして、慣れるまで走ることは難しい。俺にはもう特に問題ない。小隊でさんさんやって慣れた。
まずは探索、相手を見つけないことにはどうにもならない、でも俺は走りながら周りの探索をせず真っ直ぐ中央の丘向かう。相手が普通の奴なら丘から周りを見渡すだろうしな。
<燃やせ>
今一瞬何か聞こえた気が…走っていた俺は右足を前にだし制動かける、右足の先の土は盛り上がり身体は走っていた勢いを止める。静かに周囲を窺う。
1分ほどだろうか、木に身を隠し周りを探っていたが植物以外は何もないように感じる。
気のせいだったか?小さな声だったが聞こえた気がしたんだが、燃やせと。しかし燃やすか・・・相手もこっちを探しているし、こっちから合図を送るのもありだな。上手くやれば槍も使えるかもしれない。うし、やるか!
「火よ」
俺は片手に納まるくらいの火を出し。近くにあった木に投げつけた。
木は俺の魔法が当たったとこから燃え始めた。煙をだしジリッジリッと木が燃えていく・・・ジリッジリッと・・・ジリジリと・・・遅い。これじゃあダメだ。卯月とかにもっとデカイ火の魔法教えてもらっとくんだった。何とかならないかな~
<火の精霊よ>
またかすかに聞こえた気がする。
「火の精霊よ?」
俺がそういうと
<集いて踊れ>
またしても何処からか聞こえる
「集いて踊れ?」
<激しく舞い、より燃やせ>
俺に言葉にして欲しいかのように言ってくる
「激しく舞い、より燃やせ?」
次の言葉はなかった。だが俺は
「紅の平原」
自然と言葉がでた。その瞬間二つの火が俺の左右の地面に現れ、俺を囲むように動き地面に火の輪を作った。火の輪から前後左右4方向に小さな火がすばやく地面を走り、俺を囲む輪の外側がすべて一瞬にして燃えた。
草は燃え、木も地面付近が燃えて倒れていく。俺を中心に半径7mの円状が炎にのまれていた。
こんなに燃えてるけど酸素は大丈夫みたいだな?それに熱くないな。魔法だからか?よくわからん。さっきの声が聞こえた奴のこともわからんし、俺もなぜかこの状況でもかなり落ち着いている。サッパリわからん。
火がいつの間にか消え木々が燃えてかなり倒れたため樹海にポッカリ穴が開いたような空間になり、視界が開けた。これなら槍が振り回しても大丈夫だし、相手も気づくだろ。概ね俺の望んだ状況になった。槍を布から取り出し待った。
俺の狼煙―――規模でか過ぎだと思うけど―――に気づいたのか樹海から相手が現れた。
「おいおいおいおい、いくらなんでもやりすぎじゃねぇの?これ」
「知らん、こうなっちまったんだ。とっととやろうぜ。」
「知らんって、俺まで消し炭にされたら困るんだが・・・んあ、まあそうだな、やろうぜ」
相手は両腕を身体の前に構えてそのまま突進してきた。俺も槍の矛先を相手に向けて構えて進んだ。
今のとこ相手は素手、速度も普通、リーチはこっちの方が長い。
俺は止まり、右手を槍の端に持ち替え相手を迎撃するように相手の胸に向かって突きだした。相手は少し右に避け突きを回避、それにあわせて俺も右に無理矢理なぎ払う。相手はそれにも反応し頭を下げ回避、さらに俺の懐目指して進んでくる。相手は右手に炎で覆い下から俺の顎を狙うアッパー。俺の体中が悲鳴をあげていたが上半身をそらし、顔の目の前を炎が通っていく、俺は槍のなぎ払いの遠心力を利用し回し蹴りを放つ。
「おらぁ!」
カウンター気味に相手に蹴りが入った。
どうもにゃあプーです。今回は祐樹の戦闘。やっぱり難しい、描けない。てか自身の格闘の経験不足だし、描き方もさっぱりわかんないっす。勘で書きました。
読んでくださった方ありがとうございます。これからも気長によろしくお願いします。